「非常識なほど困難」とイーロン・マスクCEOが警告する、テスラサイバートラックの生産技術

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テスラの2023年第3四半期決算説明会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、サイバートラックの生産がいかに難しいかについて改めて警告しました。

非常に慎重なイーロン・マスクCEO

彼は特に「生産地獄」という言葉は使いませんでしたがしかし、10月18日(現地時間)の2023年第3四半期決算説明会でテスラのイーロン・マスクCEOがサイバートラックについて話しているのを聞くと、ほとんど同じようなニュアンスを感じます。

マスクCEOは決算説明会の電話会議の冒頭で、16四半期連続で黒字を計上した同社の最新決算を発表しただけでなく、値下げと工場のダウンタイムによって減収となったことや、新型のステンレススチール製EVピックアップトラックについても非常に慎重な姿勢を示しました。

「サイバートラックへの期待を抑えたいだけです。もちろん素晴らしい製品ですが、財務的には、キャッシュフローに大きく貢献するまで1年から1年半かかるでしょう。何か違う方法があればいいのですが……これは私の推測に過ぎませんが…。」

そして、彼は後に「サイバートラックで自ら墓穴を掘った」とまで付け加えました。

マスク氏は、この電動ピックアップトラックに関わる極めて斬新な生産技術と、テスラが歴史的に製品の設計やリリースで苦労してきた、まったく新しいモデルであることの困難について以下のように言及しました。

「サイバートラックは要するに、非常に多くの新技術を搭載した製品で、他のどんなメーカーの新しい車両とは異なりるもので、これは先進的なものを実現する場合には通常のことです。大規模に解決しようとする新しい事柄の数に比例した問題が発生します。ですから、1つだけ強調しておきたいのは、これは潜在的にはこれまでで最高の製品だという一方で、人々が購入できる価格で、価値ある生産に到達し、キャッシュフローをプラスにするためには、今後も膨大な作業が必要なのです。」

まだ詳細は不明

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サイバートラックのパイロット生産ライン
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サイバートラックの詳細については、その価格も含め、まだほとんどわかっていません。テスラは18日の2023年第3四半期決算報告で、11月30日に納車を開始する予定だと述べていますが、実際に以前にも延期されたことがあります。マスク氏は、この電動ピックアップトラックにはまだ100万台以上の予約があると主張しましたが、サイバートラックを実際に顧客が手に入れられる時期については口をつぐみました。

「年間25万台のサイバートラックを販売することになると思います。ただ、来年そのペースに達するとは思いません。おそらく2025年には到達すると思います。」

つまり、それは、サイバートラックが最初に発表されてからほぼ6年経過後になるということです。

理論上、サイバートラックがテスラにとっても採算の取れる妥当な価格で量産できるようになる頃には、他のEVピックアップトラックとの激しい競争に直面することになるでしょう。同時に、いわゆる「既存の」自動車メーカーは、今年だけでも自社の新興EV製品に苦戦しています。フォードのF-150ライトニングは大幅な値上げに見舞われ、ゼネラルモーターズは今週、シボレーとGMCのEVトラックの一部の生産を1年近く延期し、2025年後半にすると発表したばかりです。そしてテスラはモデルSとモデル3で似たような経験をしました。

しかし今回の場合、テスラはステンレス鋼という、自動車用途で信頼性と安定性を確保するのが難しい金属を使って多くのことを再発明しなければなりませんでした。そしてまた、サイバートラックは信頼できる宣伝マシーンであり、販売開始時期が何度も延期されたとはいえ、この10年で最も待ち望まれた新車のデビューのひとつであることは間違いありません。

テスラの熱烈な支持者たちが主張するように、本当にF-150キラーになれるかどうかはまだわかりませんし、イーロン・マスク氏でさえ、テスラにはこのサイバートラックを成功させるための仕事がまだまだ残っているという事なのです。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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