テスラの場合だけでなく、EVを買うときの最も大きな心配事は「充電が無くなり鉄の塊になる事」かと思います。
ただ、テスラが他の日本のEVと違うのは、充電のコネクターがテスラ独自の非常に「スマート」な形状のものであるがゆえ、日本国内に意外とたくさん設置されている充電器を「差すだけ」では使えない、というかそもそもアダプターがないと差せないので充電もできません。
今回は、日本国内に約2万基あるとされる充電器の大部分を占める、CHAdeMOと普通充電器の利用方法について解説します。
7つの充電方法
まず、テスラを充電する方法が以下の通り7種類ありますが、テスラ専用の「スーパーチャージャー」の設置数はまだまだ少なく、街中に設置されているのは、比較的高速なCHAdeMOと普通充電器の2種類です。
今回は、下の表のうち上の2つの実際の充電方法について詳しくご紹介します。
方式 | 単位時間あたりの航続距離目安 電費を5km/kWhとした場合 |
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外出時の充電方法 | CHAdeMO 急速充電器 ![]() |
30分で最大125km(テスラHP)とのことですが CHAdeMOの最大出力は一部を除き50kWです。 平均25kWの出力で12.5kWhの充電なので 実際には30分で60kmが目安 また、CHAdeMOは最大30分しか充電できません 更に、使い方が非常に複雑です。 |
普通充電器![]() |
普通充電器は最大単相200V/30Aなので6kWの出力 平均を半分の3kW出力とすると 1時間の充電で15km |
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デスティネーションチャージャー |
デスティネーションとは「行き先」なので、旅行や仕事などでも、行き先に設置されているテスラ専用の充電設備。ほとんどの場合は、そのホテルや病院、ショッピングモールなどの利用とセットになる。 設備は主にウォールコネクターなので、充電速度についてはウォールコネクターの欄参照。 |
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スーパーチャージャー![]() |
V3は最大で250kWなので30分で満充電可能 半分の120kWでも十分な走行距離分の充電可能 |
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自宅での充電方法 | ウォールコネクター![]() |
テスラのサイトには最大値として 200V/48A 9.6kWの場合 60km 200V/24A 4.8kWの場合 30km とあります。状況にもよりますが この半分程度を見ておくのが安全でしょう。 |
モバイルアダプター![]() |
200V/48A 9.6kWの場合 60km ウォールコネクターと同様に実際には、 200V/24A 4.8kWまでが多いので 15km/時間程度です。 |
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他社充電器&アダプター |
これは、自宅に設置した200Vの電気自動車コンセントから、日産リーフの充電器とテスラのアダプター(SAE J1772)を使って充電する方法で、充電速度としては普通充電器と同等ということになります。 |
CHAdeMO
CHAdeMOアダプター
まず、CHAdeMO規格の充電器でテスラを充電するためには、車を買うときにCHAdeMOアダプターをあわせて買うか、テスラのオンラインショップで後から買う必要があります。
写真を見ていただいておわかりのように、かなり大きいアダプターで、なおかつ重さも結構な重量があります。正直、非力な人だとコネクターに差し込むのが苦労する感じの大きさと重さです。
CHAdeMOでの充電方法
CHAdeMOという充電規格は、世界で最も早く標準化された規格で、日本をはじめとして欧州や北米、その他の国にもこのCHAdeMO充電ネットワークは拡大しています。
国内で事実上唯一の電気乗用車といっても良い日産リーフがこのCHAdeMOを最初から採用していることからも、日本国内での急速充電規格として標準仕様になっています。
近くのホームセンターは、このCHAdeMO充電器が2基(うち1基は故障中)設置されているのですが、なんとその利用は「無料」です。
利用は1時間以内というルールで、充電速度は最大で50kWの通常のCHAdeMO充電器です。
テスラをCHAdeMOで充電するためには、CHAdeMOアダプターが必要です。
CHAdeMO充電の際に、充電できない、上手く充電が始まらない時があるのですが、ほぼこのCHAdeMOコネクターとテスラのCHAdeMOアダプターの接続の問題です。
2枚目の写真にある白いボタンが着脱フックを操作するボタンなのですが、きっちりとこれが「カチッ」というまでかなりの力で押し込まないと、きちんと接続できずにエラーになります。
コネクターの状況にもよるのだと思うのですが、コネクターとアダプターの接続がかなり固く、なかなかきっちり嵌りません。
特に非力の人だと苦労するほど固いです。
テスラで便利なのは、CHAdeMOでも、普通充電でも、スーパーチャージャーでも、家のウォールコネクターでも、アプリからその充電状況がリアルタイムでわかることです。
特に外出しているときには、都度確認するのが非常に便利です。
満充電となり終了する、もしくは充電の途中で終了したいときはストップボタンを押せば、充電は終了します。
CHAdeMO充電器は「急速充電」といってもそんなに速くないです。また、有料のCHAdeMO充電器の場合、一回の利用時間は30分に限定されています。
他の電気自動車も同じだと思いますが、充電の速度(充電器の出力)は、クルマ側の充電量が少なく、リチウムイオンバッテリーがある程度温まっているほうが速くなります。ちなみに、テスラの場合、ナビでスーパーチャージャーを設定すると「バッテリー充電のためのプレコンディショニング」が機能して、到着のタイミングで、ちょうどよい温度に自動的に設定する機能がついています。
CHAdeMOの場合で、充電量が半分以下の状態でかつ夏場等の場合で、30分で50〜60kmくらいの充電ができるように思います。
このあたりは、クルマの充電量とバッテリー温度(気温)も大きく影響します。
普通充電器
普通充電器は、要するに単相200Vもしくは100Vでの充電です。自宅につけるウォールコネクターもこの単相200Vによる充電となります。
今回は、イオンモールに設置されていた普通充電器での充電の仕方をご紹介します。
J1772アダプター
テスラで普通充電器を使う場合には、このSAE J1772アダプターが必要になります。
これは、普通充電器のコネクターをテスラのコネクターに変換するためのアダプターで、テスラオンラインショップで購入します。
普通充電器を使うことは(後ほど説明する理由で)あまりないかと思いますが、保険みたいなものです。
普通充電器の使い方
今回は、全国にあるイオンモールの駐車場に設置されている普通充電器の使い方を解説します。先に、結論だけ言いますと、よほど困った状況にならない限り再度使うことは無いと思います。
理由は、致命的に遅くて割高だからです。
どこのイオンモールにも設置されていると思いますが、駐車場の隅の方にかたまってEV専用充電スペースとして設置されていると思います。
手前にちょっとだけ写り込んでいますが、普通の乗用車が止められないようにコーンが設置されており、だいたい10台分程度の駐車スペースと普通充電器が並んでいました。
この普通充電器は単相200Vの充電設備なので、かなりコンパクトで、同じ規格のウォールコネクター程度の大きさです。
充電の仕方自体は、解説を読むまでもなく、コネクターにJ1772アダプターをつけて充電ポートに差し込むだけです。
ただ、この充電器は「有料」なので、その手続が結構面倒になります。今回はWAONを使って支払いをする方法を選択しました。
普通充電器の課金を管理する充電コントローラーなるものが設置されています。
自分の充電位置番号を覚えておいて、その番号を選択し、支払い方法を選択、さらに充電時間も選択し、最後に決済してようやく充電が開始されます。
イオンモールの充電料金は1時間あたり120円、2時間で240円、3時間で360円という設定になっています。
家庭の電力は、100Vの15Aで20円/kWhなので200Vで24Aで4.8kWですからむちゃくちゃ高い料金設定という感じではないのですが、実際には4.8kWも出ずに半分くらいの出力になりますので、そういう意味では割高です。
試しに1時間充電を購入して充電してみましたが、自宅のウォールコネクターよりも遅い充電速度にイライラして、結局1時間我慢できずに早々に切り上げてしまいました。
よほど何かの事情がない限りは、この有料の普通充電器を次に使うことは無い、という印象でした。
ということで、電気自動車といっても独自の充電規格をもつテスラの購入を今後お考えの方の参考になれば幸いです。
テスラ関連の最新記事を毎日AM7:00にアップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。
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