ウォルター・アイザックソン氏によるイーロン・マスクの伝記が9月12日火曜日に出版される予定ですが、この本の新しいプレビューでは、テスラの次期完全自動運転(FSD)バージョン12の開発に関する詳細が描かれています。
運転版ChatGPT
CNBCによるマスク氏伝記の追加プレビューで、アイザックソン氏は、テスラのFSD v12の開発におけるAIの使用について、ここ数ヶ月の間に起こった変化について話しています。アイザックソン氏は、彼とテスラが「ルールベース」のアプローチから脱却したことを示す、次期FSD v12のテスラの最近の開発について話しています。
注目すべきは、FSD v12は、以前のバージョンのように数千行のコードを使用するのではなく、ニューラルネットワークを訓練するために、実際の運転事故から数十億のビデオフレームを使用する予定であることです。昨年12月のテスラオートパイロットの従業員ダバル・シュロフ氏は、マスク氏との会話の中で、このコンセプトを人気のチャットボットChatGPTに例えていました。
「ChatGPTのようなものですが、車のためのものです。私たちは、複雑な運転状況で実際の人間のドライバーがどのように行動したかに関する膨大な量のデータを処理し、それを模倣するためにコンピュータのニューラルネットワークを訓練しています。」
5つ星のUberドライバー
驚くべきことに、テスラがこの「ニューラルネットワークプランナー」アプローチにシフトしたのは最近のことのようです。しかし今年の初めまでに、テスラのニューラルネットワークはすでに、システムがアクセスできる最良のケースを想定したドライバーに基づき、1000万件のビデオクリップを分析していました。マスク氏は、映像の分析を担当するニューヨーク州バッファローの施設の従業員たちに、「5つ星のUberドライバーがするようなこと」をAIにトレーニングするよう指示しました。
ルールベースからネットワークパスベースのAIアプローチに移行することで、FSDは人間の運転データを使って、たとえルールを破る必要があったとしても障害物を回避できるようになりました。シュロフは、ゴミ箱や瓦礫、ひっくり返った交通コーンを使ったモノでマスク氏にこのアイデアの実現を示すのを手伝いました。
「ルール・ベースからネットワーク・パス・ベースに移行すると何が起こるか。非構造的な環境でも、これをオンにすれば衝突することはありません。」
オートパイロットのソフトウェア・ディレクターであるアショク・エルスワミ氏とともにパロアルトで行われたテスラのFSD v12ソフトウェアの最近のライブストリームで見ることができるように、マスク氏はすぐにこのアイデアを取り入れました。彼は、運転中に車が赤信号を無視しそうになった小さな瞬間があったにもかかわらず、次期ソフトウェアバージョンの印象的な運転結果について繰り返し語っています。
いずれにせよ、マスク氏は、赤信号の瞬間は、自動運転ソフトウェアが継続的に学習する必要性を示す良い事例だと主張することができます。マスク氏によれば、現実世界のドライバーのカメラ映像から生成されるビデオデータから常に学習されることを考えれば、理論的には時間の経過とともに安全性が高まるはずという事です。
100万件以上の映像が必要
開発中、マスク氏はニューラルネットワークがうまく機能し始めるまでに100万件以上のビデオクリップが必要だったという事実にも注目したと伝えられています。それでも、批評家や規制当局はAIベースの運転システムを訓練する人間のドライバーの欠点について懸念を表明しており、テスラは米国運輸保安局(NHTSA)からオートパイロットとFSDのベータシステムについて繰り返し疑問視されています。
アイザックソン氏によると、テスラは規制当局が承認次第、FSD v12をリリースする予定のようです。一方、米国道路安全委員会(National Highway Safety Board)が現在進めている調査では、自動運転車が、一時停止の標識に忍び寄るなど、交通ルールを曖昧にする人間の運転行為を模倣することを許可すべきかどうかを判断することが検討されています。
マスク氏は4月、テスラが1年以内に完全自動運転に到達することを期待していると述べましたが、彼は過去にも何度も自動運転の野心的な目標を共有していることでも知られています。テスラFSD v12の開発に関するウォルター・アイザックソン氏の全記録は、イーロン・マスク氏の近刊伝記のCNBCプレビューで読むことができます。
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