テスラは今年の9月と10月に行われる二つの裁判で、自社とオートパイロット技術の開発を守る構えです。この裁判は、テスラとその自動運転プログラムを取り巻くストーリーに大きく影響を与える可能性があり、CEOのイーロン・マスク氏は、これまでテスラのオートパイロットは広範に使用する準備が整いつつある、と主張しています。
2つの死亡事故裁判に直面
イーロン・マスク氏は、テスラの自動運転プログラムこそが、同社が経済的に成功するかどうかを左右するという考えをこれまで幾度となく公言しています。そして、マスク氏はテスラがまもなく真の自動運転、完全自動運転を実現する、とこれまで何度も予測してきましたが、その予測は残念ながらまだ的中していません。
ロイター通信のレポートによると、テスラは現在、立て続けに2つの裁判に直面しています。
1つ目は9月中旬に予定されており、オートパイロットが原因でマイカ・リー氏の運転するモデル3が時速65マイル(約時速105km)で高速道路から突然逸脱し、ヤシの木に衝突して炎上したと主張する民事訴状に関わるものです。この2019年に発生した事故により、リー氏は死亡し、2人の同乗者が重傷を負いました。
テスラに対する訴訟は、同乗者とリー氏の遺族が起こしたもので、原告側はテスラが車を販売する際、運転支援機能やその他の安全システムに欠陥があることを知りながらオートパイロットを推し進めたと非難しています。テスラ側は事故の責任を否定しており、リー氏は事故を起こした車のハンドルを握る前にアルコールを摂取していたと主張しています。テスラはまた、事故時にオートパイロットが作動していたかどうかは明らかではないとも述べている状況です。
二つ目の訴訟は10月初旬に予定されており、モデル3が道路に停車していたトレーラーに衝突したスティーブン・バナー氏の死亡事故に関するものです。この事故により、トレーラーがテスラのルーフを剪断し、バナー氏は死亡しました。バナーさんの配偶者が起こした訴訟によると、オートパイロットはブレーキもハンドル操作も、衝突を回避するための何もしなかったと主張しています。
これに対してリー氏の事故と同様、テスラはドライバーのミスが死亡事故の原因だと主張しています。テスラはまた、オートパイロットが作動している間、ドライバーは常に道路に注意を払い、ハンドルから手を離さないようにしなければならないと法廷文書で述べています。加えて「今現在、公道を走ることが可能な完全自動運転車は存在しません」とテスラは述べています。
裁判の行方が今後を占う
自動運転の新興企業であるニュートノミー社(nuTonomy)の元顧問弁護士で、カルドーゾ法律学校の法学部准教授であるマシュー・ワンズリー氏は、この二つの裁判の結果が、他のテスラのオートパイロットに対する苦情の先例となる可能性があると述べました。
「テスラがこれらの訴訟で勝訴を獲得すれば、他の訴訟でもより有利な和解が得られると思います。」
一方、サウスカロライナ大学のブライアント・ウォーカー・スミス法学教授は、これらの訴訟で敗訴した場合、テスラの自動運転への取り組みに大きく影響を与える可能性があると以下のように指摘しています。
「テスラが裁判に大敗した場合、特に多額の損害賠償金が支払われるような場合、今後の取組みが劇的に変化する可能性があります。」
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