事故調査官「意図しない加速」による事故防止のため、テスラ全車両のリコールを命じるよう働きかけ

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テスラは、なんと2013年までさかのぼる大規模なリコールの要請に対処しています。事故調査官から米国運輸保安局(NHTSA)に報告されたのは、「意図しない加速」に関する問題です。

どうやらテスラには必須の安全装置が欠けているようです。

ある事故調査員が米国運輸保安局に対し、2013年から現在までに生産されたすべてのテスラをリコールするよう求める自動車欠陥請願書を送付しました。ギリシャ在住のメカニカルエンジニア、コスタス・ラカフォシス氏は、すべてのテスラには重要なインターロック機能と特定のオートパイロット機能が欠けており、「ペダルの踏み間違えという形でドライバーのエラーが発生する可能性が高くなる」と主張しています。平たく言えば、ラカフォシス氏は「意図しない加速」について問題にしているのです。

この嘆願書は、アメリカでは標準装備されていないオートパイロットの機能を搭載したすべての車に関するものです。ドライバーが車を完全に制御しているときでも、バックグラウンドでさまざまな高度な運転支援機能が働いています。その一つがオートパーキングで、ドライバーがブレーキペダルに触れなくても車を停止させたり、リバースにシフトさせたりすることができます。

興味深いことに、米国政府はブレーキ・トランスミッション・シフト・インターロック(BTSI)システムに関する規則を設けているのですが、それは「パーキング」ポジションのある自動変速機を搭載した車両に限られます。テスラに限らず、意図しない加速をする事例がいくつかあったため、改訂される可能性はあるのですが、自動車安全コンプライアンス室の公式文書には、ドライブとリバースの間のシフトのインターロックシステムについては言及されていません。

ラカフォシス氏は嘆願書の中で、BTSIシステムの機能を指摘しています。

「80年代の自動変速機のBTSI機能が、発進時のSUA(Sudden Unintended Acceleration:突然の意図しない加速)のリスクを軽減することに成功し、何百万人ものドライバーに発進前に必ずブレーキペダルを踏むよう教育することに成功したことは、疑いなく証明されています。」

また、2010年には、前述のパラメータの範囲内でBTSIが義務化されたことを指摘しています。

「ドライバーがリバースギアを選択し、車が勝手に止まるのを待ち、一度もブレーキペダルを踏むことなくリバースすることを許可する決定の背景には、全く必要性も理由もありません。これは見落としではなく、機能であり、安全よりもマーケティングを優先した選択なのです。」

ラカフォシス氏は、自動ブレーキは快適性を高めるためではなく、安全機能として使用するべきだとアドバイスしています。彼は、ドライバーがなるべくペダルに触れないように促すことは、危険な運転習慣を生み出すと主張しています。ラカフォシス氏によると、ドライバーは、慣れ親しんだ運転に新しいものが割り込んでくると、自己満足に陥り、パニックに陥る傾向があるそうです。そして、ブレーキを踏むつもりが、アクセルを踏んでしまう。この種の事件は、自動車にオートマチックトランスミッションが搭載されるようになってから、ずっと続いてきたということは、特筆すべきことです。

嘆願書の全文は重厚なものなのですが、残念ながらラカフォシス氏が思い描く通りになるとは思えません。嘆願書で指摘されているように、主な理由のひとつは統計がないことです。SUAの多くは死亡に至らず報告されないし、SUAは世界共通の事故分類として許容されているわけでもありません。

EVに関連する意図しない加速の事例はモデルSとほぼ同じ歴史がありますが、ラカフォシス氏は2013年以降に製造されたモデルにのみ不満を抱いています。

この問題の修正策として、ラカフォシス氏は2つの解決案を用意しています。テスラの無線アップデートシステムのおかげで、エンジニアは数行のコードを打ち込み、インターロックシステムを追加することができます。あるいは、別のアイデアもあります。基本的には、ダッシュボードにキノコ型のキルスイッチを設置すれば、すぐにブレーキが作動し、車を完全に停止させることができます。テスラのオーナーが、スーパーマリオブラザーズのようなキノコ型のキルスイッチで、車で物にぶつからないようにすることを喜ぶとは思えませんが。

さらに、車に物理的なキルスイッチを追加することは、問題を認めることになり、ブランド全体が疑われることになります。どの自動車メーカーも、「この車がどうしても制御不能な状態で前方に突進してしまうときは、私を押してください」という意味の大きなボタンを後付けしようとはしないでしょう。

唯一の有効な解決策はOTAアップデートでの対策ですが、米国運輸保安庁からの圧力がなく、マニアの支持もあって、テスラは現行のシステムに固執する可能性が高いと考えられます。

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