今年中にはモデルチェンジ?、テスラモデル3「プロジェクト・ハイランド」についての予想まとめ

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テスラが初めて高級車ではなく一般消費者向けに電気セダンとなるテスラモデル3を米国で発売したのは2017年の第3四半期からです。当時はイーロン・マスクCEOが今でもテスラ倒産に一番近かったと言っているモデル3の「生産地獄」に見舞われ、量産化が遅々として進みませんでしたが、その後中国に新設したギガ上海工場とフリーモント工場での安定的な量産体制が築かれています。

テスラは、生産や納車台数について車種別の台数を明らかにしてませんが、昨年モデルY/3の納車台数が合計で1,247,146台で、モデルYは2022年の世界販売台数が758,605台という調査があるので、2022年1年間でモデル3は488,541台の納車台数ということになります。

あまり人気がないセダンということもありますが、モデルYの6割強しかない販売台数は、やはり既に発表からは6年、初めての納車からは5年が経過し、自動車モデルとして「古い」ということも否めません。

こうした状況を受けてかわかりませんが、2022年の夏頃からテスラモデル3の刷新計画「プロジェクト・ハイランド」と名付けられたリフレッシュプロジェクトが、今年中の製造・納車を向けて密かに進行中だと言われています。

今回は、これまでに分かっていることをまとめてみました。

複数の目撃情報

昨年の11月から12月にかけて、米国のカリフォルニア州サンフランシスコ周辺で、カモフラージュというかフロントとリアに「カバー」をかけて公道をはしっている姿が複数回目撃されています。

この目撃情報からわかるのは、これまでのモデル3のデザインを踏襲しつつフェイスリフトをしようとしていることが伺えます。これらの目撃情報のモデル3が、最終デザインかどうかは不明ですが、少なくともカバーの掛かっていないところは変わらないので、見た目の変更はそれほど大きなものにはならないと考えられます。

コストダウンと機能向上の両立

モデル3を刷新するに際して、デザインの陳腐化からのリフレッシュという側面もありますが、もう一つ重要なのが、コストダウンです。2023年3月1日に投資家向けに開催されたイベント「テスラ・インベスター・デイ2023」で、今後5年間でEVの製造コストを半分にする、と公表していました。

まだ、詳細なことは全く分かっていませんが、モデル3よりも新しいモデルYに加えられた各種変更などのことを考えると、内外装に亘って様々なコストダウン対策が施されると考えられます。ただ、テスラの場合、超音波センサーの削減の例(以下の参考記事)にあるように、単にコストダウンということではなく機能を阻害しない、何なら機能向上とコストダウンを同時に実現することを目指していると考えられます。

今回のプロジェクト・ハイランドで考えられるコストダウン施策の候補は以下です。

ギガプレスによるメガキャスティング部品の導入

これは、現在モデルYにしか導入されていない自動車製造の革命的技術とも言われる超大型鋳造機「ギガプレス」による一体成型アルミ鋳造部品「メガキャスティング」で、部品点数を一気に削減した上で、構造体も兼ねる、というものです。

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フロントとリアの合計170もの部品をわずか2つのメガキャスティングに
Credit:Tesla

モデルYも導入当初はリア部分のみでしたが、現在はリアとフロントの両方に採用されて、大幅なコストダウンと生産効率を実現しています。

4680バッテリーセルとストラクチャラル・バッテリーパック

2019年に開催されたバッテリー関係のイベントで初めて発表された4680バッテリーセル(直径46mmx高さ80mm)と、シャシーと一体化し構造体ともなるストラクチャラル・バッテリーパックの導入が考えられます。

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現状の2170バッテリーセルに比較して5倍のエネルギー容量、航続距離は16%増加、パワーは6倍とされている4680セル
Credit:Tesla

ただ、これは現在でもギガ・テキサス工場で製造される一部のモデルYにのみ採用されているのですが、全面採用に至ってないのは4680バッテリーセルの製造歩留まりが予定ほど上手く進んでいないことによるとされいますので、今年中に発売される刷新版のモデル3に導入されるかは微妙なところかもしれません。

インテリアのコストダウン

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Credit:Tesla

テスラはモデル3、そしておそらく他のモデルのウッドトリムを、生産コストが大幅に安い不織布に置き換える予定だと、情報筋の一人が認めたとのことです。この動きは、クルマの製造コストを削減し、より手頃な価格で環境に優しい自動車を実現しようとする同社の取り組みと一致するものですし、今回のプロジェクト・ハイランドでも採用されると考えられます。

新しい自動運転コンピュータHW4

これは、既にモデルS/Xに先行して導入されつつある自動運転用のハードウエア・スイートです。現在はHW3(ハードウェア3.0)という自動運転用コンピュータが搭載されており、イーロン・マスクCEO曰くHW3が搭載されていればハードウェア的には完全自動運転は可能とのことですが、この世界は進化が早いので既に次んバージョンが出ています。

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https://twitter.com/greentheonly

この新しいHW4は、今年の第3四半期にデリバリー・イベントが予定されている待望のサイバートラックに搭載されることは公表されていますが、刷新版のモデル3に搭載されるかどうかは今の所不明です。ただし、このHW4はHW3スイートよりも高精細のカメラでその数も2台も多く備えられ、加えて高解像度レーダーもある可能性が報じられていますので、時期は遅れるかもしれませんが間違いなくHW3から徐々に置き換わっていくものと考えられます。

生産ラインのアップデート

現在、モデル3を生産しているのは北米市場向けの米カリフォルニア州フリーモント工場と、それ以外ん市場向けには中国ギガファクトリー上海の2工場となっています。この2工場とも今年になって、プロジェクト・ハイランド用と思われるモデル3の生産ラインのアップデートを実施しているようです。

完成版に近い?リーク画像

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そして最後に、4月中旬に完成形に近いとされるフロントの写真がリークされました。

このモデル3のプロジェクト・ハイランドとされるユニットのリーク画像は、車両のバンパーの変更も示唆しており、損傷した場合に簡単に交換できるように設計されているようです。また、コストダウンかフォグランプがありません。更に、センターディスプレイは、少なくともリーク写真に基づくと、ドライバーに向かってわずかに角度がつけられているように見えます。これにより、ドライバーはインフォテインメント・システムの情報をより見やすくなります。

このリーク写真を詳しく調査した人によると、フェンダーに付いているリピーターカメラがこれまで目撃されているプロジェクト・ハイランド版のモデル3と同じく、ドアまで伸びている形状なので、作られたものというより本物のリフレッシュ版モデル3なのではないか、と言われています。

いずれにせよ、間違いなくモデル3のリフレッシュへの取り組みは進んでいるようなので、早めの登場を期待したいところです。

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