テスラがドイツベルリンに生産拠点を構えたもあり、伝統的な内燃機関車では欧州をはじめ世界中で売れていたドイツの自動車メーカー各社は、テスラ追いつこうと懸命になっていますが、その足元にも及んでいない状況です。
ギガファクトリーベルリンが貢献
VWやアウディ、BMW、メルセデスといった多くのドイツの自動車ブランドはこれまでも多くのEVラインアップを宣伝していますが、テスラに追いつくにはまだかなりの距離があり、テスラが中国からモデルYおよびモデル3セダンを輸入するだけでなく、人気のあるモデルYクロスオーバーをドイツのギガファクトリーベルリンで製造しているため、さらに追いつくのが困難な状況に陥っています。
2023年上半期、テスラは約90万台のEVを納車しましたが、一方、BMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、フォルクスワーゲンの自動車グループを合わせても、これほど壮大な数字には到底達していません。
課題はソフトウェア
オートブログの記事によると、欧州をはじめとする既存大手自動車メーカーのEVに関して抱える主な問題はソフトウェアです。これらのブランドは全電動車の生産と販売台数を増やそうとしていますが、一方でテスラはまだ増産と値下げを続けています。テスラの今年6月の販売台数は大幅に増加し、テスラの既存自動車メーカーに対するリードはさらに大きくなりました。自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は以下のようにコメントしています。
「テスラは、すべての主要市場において、ドイツの自動車メーカーを大きく引き離しています。彼らは、EVを収益性のあるものにするために必要な規模の経済を達成するために、販売台数を増やす必要に迫られています。」
ドイツの自動車メーカーは長年その価値を証明してきましたが、EVシフトに関しては弱気派です。言うまでもなく、ドイツ勢は世界最大の自動車・EV市場である中国市場でも遅れをとっています。
中国BYDは、EVに関してテスラに次ぐ牽引役となっています。この新興中国自動車メーカーはフォルクスワーゲンの販売台数を上回っており、中国市場向けにEVを製造しているグループブランドの間では相当な脅威となっています。
ドイツの自動車メーカーは、内燃機関の販売台数と新モデルでまだ良い利益を上げています。テスラは2020年以降、新モデルを市場に投入していませんが、まだ急ぐ必要はなさそうです。既に発売から5年以上が経過したモデル3のリフレッシュ版「プロジェクト・ハイランド」を近々市場に投入するともいわれています。
これらのドイツの既存ブランドが新世代のEVを市場に投入することで、競争が変化する可能性がありますが、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、マイケル・ディーン氏は次のように結論づけています。
「ドイツ勢の次世代EVプラットフォームが状況を変える可能性があります。その時こそ、中国市場でもドイツ勢の大きな販売増加が見られるでしょう。」
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