テスラモデル3が日本で予約開始されたのは、2019年5月、納車は2019年9月から開始されました。その頃のモデル3は米フリーモントの工場で生産されたものでしたが、現在最新版の2021年型モデルからはGIGA上海ファクトリーで生産された自動車です。
中国で生産された自動車が型式認定を取って日本に輸出されるのは初めてとのことですが、驚くべきことに、コストダウンだけでなく、性能UPとともに品質UPも図られていますので、今回はそのあたりを詳しくご紹介いたします!
テスラはおよそ3ヶ月に1回輸送船で運搬して納車されます。ここでは、フリーモント製とGIGA上海上海製の2020年12月納車、2021年3月納車のアップデートをご紹介します!
バッテリー・電費
バッテリーをLFP(リン酸型リチウムイオンバッテリー)に変更
今回のモデルチェンジで最も大きい変更がこのバッテリーの変更だと思います。それは、コストに与えるインパクトももちろんですが、これまでテスラはパナソニックと二人三脚で発展・拡大してきましたが、それはパナソニック(旧サンヨー電気)のリチウムイオンバッテリー(三元型)を利用していたからです。
このLFP(リン酸型リチウムイオンバッテリー)は希少金属であるコバルトを含まない(コバルトフリー)ので、安価だと言われています。加えてバッテリーとしての安全性が高く長寿命な一方、エネルギー密度が低いという特性を持っています。
今回テスラが選んだこのLFPサプライヤーは、今や世界一のリチウムイオンバッテリーメーカーとなった中国のCATL(Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.)社です。
このあたりは、こちらのエントリーに詳しく載せていますので、そちらも参考にしてください。
実際に採用されて納車されているのが直近のモデルからなので、その性能・安定性の評価には少し時間が必要だと思いますが、バッテリーコストを下げて、エネルギー密度の小ささは、円筒形から角型へ変更すること、暖房のヒートポンプ化等によって、前モデルより航続距離を伸ばしていますので、これからが楽しみです。
暖房のヒートポンプ化
バッテリーのエネルギー密度が下がったにも関わらず、スタンダードレンジプラスでWLTP基準で航続距離が409kmから449kmに約10%も伸びています。
おそらくこの最も大きな理由が、暖房にヒートポンプを採用したことかと思います。冷房サイクルのヒートポンプを逆回転させることで、暖房にも利用し、空調に対するエネルギー消費を大幅に抑えることで、実現しているのでは?と思います。
イーロン・マスクはエアコン業界への参入も検討するとコメントしていますので、自動車だけでなく家庭用や業務用のエネルギーで非常に負荷が高いのがエアコンですから、ここでまた新たなブレークスルーを起こそうとしているのかもしれません。
テスラの購入を予定されている方は(私のものでなくてももちろん良いのですが)せっかくなので、必ずスーパーチャージャーの無料特典をつけるようにしましょう。私はこれを知らないまま注文・納車されましたので、大変後悔しています。皆様はお忘れにならないように!
外装
ヘッドライトのプロジェクター化
写真を上手にとれていなくて申し訳ないですが、一番外側がプロジェクターライトに変更されています。プロジェクターヘッドライトとはLED等の光を、球形レンズで拡大して照射する仕組みのヘッドランプのことです。
効率が高く、寿命の長いので機能向上しています。
トランクの電動化
これも結構なグレードアップに値すると思うのですが、トランクが手動から電動に変更されています。トランク下部にスイッチもあるのですが、内部のコンソール画面やスマホからも開閉操作が可能ですし、ボタン長押しで停止位置を記憶して以降は、その停止位置で止まるメモリー機能も付いています。
これを、左側のダンパーを電動にすることだけで実現しているあたりすごいです。
フランクの形状変更
フランク(フロントにあるトランク)の床面が、凸凹のデザインに変更され、左右の出っ張りなど内部の形状も変わっています。理由は定かではないですが、前モデルとは形状が違っているので、内部のマット類などのアクセサリー購入の際は注意が必要です。
真ん中に見えているのは、牽引フックです。
外装モール類のクロム・デリート化
窓の四周や、ドアハンドル、フェンダーカメラのカバー等、外部のモール類はこれまでアルミ鏡面仕上げだったものが、「クロムデリート(chrome delete)」という艶消しブラックのデザインに変更されています。都会的、アーバんなデザインと言われますが、正直この点は前のデザイン(シルバーメタリック)の方が好きです。
前席窓・ルーフの合わせガラス化
ガラス(ルーフもウィンドウも)が、合せガラスに変更されています。合わせガラスとは、2枚のガラスの間に樹脂を挟んだ構造のガラスで、一般に振動や騒音の遮断に効果があるとされています。加えて、間に樹脂が挟まっているので、割れたときに飛散しない(安全性能・防犯性能)特徴もあります。
ただ、この合せガラスに変更されているのは、ルーフガラスと、運転席、助手席側のガラスだけで、後席のガラスはシングルのままです。
内装
ハンドルの左右スクロールスイッチの仕様変更
このスクロールスイッチは結構使う頻度が高いものです。従前の樹脂製から金属製、それもギザギザのノンスリップ加工がされていますので、耐久性と操作性が向上しています。
ちなみに、少し高級なマウスのスクロールボタンのように、回すだけではなく、ボタンのように押す、左右に倒す入力にも対応しています。
木目調のドアトリム
ドアの内装部分(ドアトリム)の上部が、ダッシュボードからの続きでデザインが木目調に統一され、「書斎」感が一層増しています。
きれいな曲線で前方から左右に流れるように、施された木目調パネルの質感は、写真ではわかりにくいですが、オーク・マット系の高級感あふれるものです。
センターコンソールの各種変更
フタの開閉機構
センターコンソールの開閉機構が回転式のフタからスライド式のフタに変更されています。
回転式のフタには結構不具合が報告されていましたので、その対応だと思います。
閉めるときには、フタを更に奥側へ押すことでエレガントにゆっくり閉まる機構を備えていますし、結構深いので内部にLEDライトも装備されています。
ワイヤレス充電(Qi)対応
センターコンソールに(スマホが対応している場合)対応している場合ですが、スマホ2台分のワイヤレス充電のスペースが設けられました。結構便利ではあるのですが、ここにスマホを置いておくと、車を出るときに忘れがちです。
テスラはスマホが「キー」になりますので、社内に置き忘れると、エンジンを掛けたままの状態と同じになってしまいますので、みなさんも気をつけましょう。
USB端子の仕様変更(Type-C)
前席のUSB端子の位置がコンソールボックス内の手前に変更され、後席もあわせて端子の種類がType-Cに変更されています。
Appleもいい加減に独自仕様をやめてUSBに端子を変更してもらいたいものです。
コストダウン
普通充電アダプターが有料化
2020年12月納車分までは、普通充電用の充電アダプター(J1772)が無料で付いていましたが、その後はつかなくなっています。
自宅充電の際の工事費も10万円までサービスされていましたが、現在では自己負担となっています。(ウォールコネクターorモバイルコネクターは無料)
タイヤリペアキットが有料化
タイヤがパンクした時の修理キットが無料でつかなくなりました。
これには、定期的にタイヤに空気を注入することができるエアーコンプレッサーと、パンク修理するためのワンピース シーラント キャニスターが含まれています。
テスラ専用のケースに入っているので、別途オンラインショップで購入しますかね。
確かに一部コストダウンもあるのですが、2月17日の驚異の値下げと比較すると、些細な仕様変更です。というよりも、GIGA上海製の品質向上&機能向上にプラスしての大幅値引きで、このあたりは普通の自動車メーカーでは考えられない対応です。
今後も、ソフトウェアはもちろんの事、(もう購入してしまった身からしては悔しい思いをするだけだとは思いますが)ハードウェアのアップデートをどんどんしていってほしいものです。
最後までお読みいただきありがとうざいました。また、今後購入を予定されている方などの参考に情報を上げていく予定です。
3月26日から受付が始まった補助金の詳細が知りたい方はこちら!
補助金の申請書類の詳細はこちら!
テスラは販売店が無い、メーカー直販で、それもオンライン購入のみです。そのオンラインでの購入の仕方はこちら!
加えて、実際に掛かった費用や見積もりなどの詳細もご紹介しています!
また、みなさんが不安に思っている充電に関することもまとめています!
注文から納車までとファーストインプレッションの詳細はこちらを参考にしてください!
最後に、スーパーチャージャー無料特典もお忘れにならないように!
大変便利なオンラインアプリの詳細解説はこちら!