テスラ2023年第2四半期決算説明会で語られたこと詳細まとめ

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テスラ(NASDAQ:TSLA)の2023年第2四半期決算説明会は、マーケット終了後、同社の2023年第2四半期アップデートレター(決算説明資料)の公表に続いて行われました。テスラの第2四半期決算の数字は非常に印象的で、テスラの2023年第2四半期の利益は20%増の1株当たり0.91ドル、売上高は47%増の249億3,000万ドルとなりました。

テスラの第2四半期の売上総利益は7%増の45億3,000万ドル、自動車以外も含む全事業の売上総利益率は18.2%となり、第1四半期の19.3%から低下しました。CO2排出権クレジットとリースを除いた自動車部門粗利率は18.1%で、第1四半期の18.3%から低下しました。

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3Q見通し少し厳しい

最初にイーロン・マスク氏が登壇し、モデルYが今年第1四半期に世界で最も売れた車になったことの他、第2四半期におけるテスラのマイルストーンについていくつか言及しました。マクロ的な不確実性が多い中、営業利益率はまだ10%弱で、マスク氏は、今後数回のギガファクトリーの操業停止により第3四半期の納車水準は第2四半期より少し下がると警告しました。

完全自動運転FSDの状況

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テスラのFSD

過去の四半期と同様に、マスク氏はテスラの自動運転における取り組みを強調しました。マスク氏は、FSDベータ版の累積走行距離が3億マイルに達したことにも言及し、また、FSDで実現するロボタクシーは「ほぼ無限の需要を持つ」という事です。

FSD の非ベータ版のリリース予定日についての質問に対して、マスク氏は、2023年末までにFSDが人間よりも優れたものになると予測したものの、今回正確な日付については約束しませんでした。マスク氏はまた、自動運転の影響を考慮すると、FSDの現在の価格は相当安い、といつもの主張を繰り返しました。

更にマスク氏は、自動運転の可能性を考慮すると、自動車販売の利幅を犠牲にするのは妥当かもしれないとも述べ、自動運転は自動車市場に大きな影響を与えるとCEOは予測しているとのことです。加えて、テスラがFSD完全自動運転を「大手」自動車メーカーにライセンス供与する方向で初期協議中という事にも言及しています。

さらに、既存ユーザーへの朗報が一つあります。これまでFSDオプションを購入してもオーナーとクルマに紐づいており、新しくテスラ車を購入してもFSDオプションの移行はできませんでした。今回、イーロン・マスク氏は、この2023年第3四半期の納車に限り1回だけ、FSDオプションの移行を認めるということを表明しました。これは、これまでユーザーから非常に強い要望があったもので、それが期間限定とはいえ実現することになりそうです。

スーパーコンピューターDojo

FSD完成の肝になるニューラルネットワーク・スーパーコンピューターDojoによって、テスラのFSDとオートパイロットへの取り組みは今後ますます加速するようです。マスクCEOが述べたように、テスラのDojoトレーニング・コンピューターは、ニューラルネットのトレーニング・コストを下げるように設計されています。

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一方で、マスク氏は、テスラは今のところDojoのコストを明示していないが、来年にはスーパーコンピューターに10億ドル(約1.4兆円)以上を費やすことになるだろうと述べました。

Dojoの潜在的な競争相手について、マスク氏はDojoのようなハードウェアの開発には相当なコストがかかると述べ、以下のように説明しています。

「私たちの真似をするためには、トレーニング用コンピューターに10億ドル以上を費やす覚悟が必要です。」

また、DojoのOSについての質問には、マスク氏が、Dojoのソフトウェアはオープンソースとカスタムソフトウェアの組み合わせであると述べました。

サイバートラックの状況

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テスラサイバートラック
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サイバートラックについて、「これは、4つのドアを持ち、6フィート以上のベッドとして利用でき、20フィートのガレージに収まる初めてのピックアップトラックです」とマスク氏は説明し、サイバートラックが今年中に納車されることを強調しました。また、サイバートラックの需要について、「サイバートラックには多くの新技術が搭載されていることを顧客に思い出させることで、更なる需要が喚起される」とのことですが、予約数などの詳細は語らず、本格的な量産はまだ来年という状況とのとです。

また、みなさんが知りたがっている価格やスペックなどの詳細、納車イベントの開催時期などついても触れられませんでした。

AIプロジェクトへの支出増加

テスラCFOザッカリー・カークホーン氏が登壇し、彼は再び記録的な四半期となったことを祝福し、第2四半期も利益面で記録的な四半期であったと述べています。また、サイバートラックから次世代プラットフォームまで、同社のいくつかのプロジェクトについても言及しましたが、彼はテスラがFSD、オプティマス、プロジェクトDojoといったAIプロジェクトへの支出を増やしたとも述べました。

4680バッテリーセル

4680バッテリーセルに関する質問に対して、テスラ幹部は、セル製造コストの25%削減は達成されたが、テスラは現在歩留まりに注力していると述べました。ギガ・テキサスの4680生産量も80%増加し、サイバートラックの製造規模を拡大する頃には、テスラは4680プログラムが相当良いレベルになると期待しているとのことです。

テスラエナジーの状況

テスラは、エネルギー事業が勢いを増しており粗利率で会社全体の粗利率を初めて超え、特にメガパックの需要が多いことを述べています。メガパックのマージンは引き続き堅調で予想の範囲内であり、オートビッダー(系統電源への自動入札サービス)は成長を続けています。テスラの家庭用蓄電池パワーウォールの設置台数も50万台を突破したようです。

需要がタイトで継続的な収益が見込めるエネルギー事業が今後の収益を牽引していくことが考えられます。

メガキャスティング部品の修理可能性

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アルミ鋳造大型部品であるメガキャスト(ギガキャストとも)を使った車の修理可能性についての質問に対し、イーロン・マスク氏は「皆が我々の真似をする理由がそこにあるかもしれない」と冗談を言いました。

マスク氏はまた、逆に従来型技術での生産車の修理可能性が過大評価されていると説明し、同社はもちろん修理可能性の実現に取り組んでおり、メガキャストで車両を修理する方が10倍安く、3倍速いという試算もあるとのことです。つまり、事故時の修理は時間の経過とともにより安く、より速くなるということです。「基本的に、将来的にはすべての自動車がこの方法で作られるようになると思います」とマスク氏は改めて主張しました。

ヒト型ロボット「オプティマス」

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Credit:Tesla

テスラのオプティマスの推定需要について質問されたマスク氏は、ヒト型ロボットの生産は莫大な量になるだろうとジョークを飛ばしました。しかし、オプティマスの製造には多くの課題があり、テスラがヒト型ロボットに必要とするアクチュエーター(駆動用モーター)を現在製造しているサプライヤーは無いとのことです。

オプティマスの何がエキサイティングかというと、テスラが自社工場でオプティマスを試すことができるという事です。イーロン・マスク氏は、オプティマスが来年までには実用化されると予測しています。イーロン・マスク氏はまた、ニューラリンク社を使って、オプティマスの部品を使って何かしら理由で身体部分が一部欠損しているような人にバイオニックパーツを提供することについても言及しました。

今回の2023年第2四半期決算説明会の全ての状況は以下をご確認ください。

また、決算説明資料は以下をご覧ください。

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