テスラの完全自動運転FSDベータ版、欧州と豪州でリリース開始

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テスラ完全自動運転(FSD)ベータ版が、欧州とオーストラリアで一部のテスターに公開されたと報じられています。

ベルギー、ドイツ、オーストラリアで

テスラのソフトウェアアップデートの状況を監視しているサイト「テスラスコープ」は、欧州で少なくとも2台のクルマでFSDベータ版がロールアウトしたことを明らかにしました。ハードウェア3.0(HW3)を搭載したモデルS P 100Dは、ベルギーでアップデート2023.12.9を受け取り、一方、ドイツでは、HW3を搭載したモデルS Plaidが、P 100Dと同じFSDベータ版を受け取りました。また、オーストラリアではモデル3スタンダードレンジがFSDベータ版2023.12.5を先日受信しています。

欧州で2台、オーストラリアで1台のみですが、FSDベータ版が北米以外の車種に届くというニュースは新しい情報です。昨年、イーロン・マスク氏は、FSDベータ版が2022年夏までに欧州の左ハンドル市場で利用可能になると予測していましたが、残念ながら、マスク氏の予測は実現していませんでした。

求人情報で判明

しかし、今年初め、テスラは求人情報を公開し、欧州で先進運転支援システム(ADAS)の開発を強化していることを予告していました。同社は、スイス、フィンランド、デンマークで、ADASテストオペレーターの求人を掲載していまし、「ソフトウェアの反復開発における改善と回帰を特定する責任を負う」というミッションの職種募集です。

先日の5月16日に開催された年次株主総会イベント「サイバーラウンドアップ2023」でイーロン・マスク氏は、テスラがまもなく完全自動運転を実現する、と繰り返し述べています。彼は「いつもの事」ではありますが、テスラがFSDベータ版で「完全自動運転」に到達できるのは2023年末と推定しています。確かにFSDベータ版はこれまでよりもはるかに進化しているので、マスク氏の予測は今、以前にもまして現実味を帯びてきている状況です。

先週、テスラは完全自動運転ベータ版を北米の新しいベータテスターに展開し、高度な運転支援システムをテストするドライバーのプールを拡大しました。マスク氏は、v.11.4.2が間もなくリリースされるかもしれないと示唆し、過剰な「狭い道路での保守性」や「大渋滞での車線変更」に対処するとしています。

完全自動運転FSDベータ版 v11.3.6リリースノート

  • 高速道路でFSDベータ版を有効化。これは、高速道路上と一般道のビジョンとプランニングのスタックを統一し、4年以上前の既存の高速道路用スタックを置き換えるものです。
  • 既存の高速道路用スタックは、複数のシングルカメラとシングルフレームのネットワークに依存しており、単純な車線固有の操縦を処理するように設定されていました。
  • FSDベータ版のマルチカメラビデオネットワークと次世代プランナーは、車線に依存することなく、より複雑なエージェントとのインタラクションを可能にし、よりインテリジェントな行動、スムーズな制御、より良い意思決定を追加するための道を開きます。
  • 一般車両から抽出した3万個の自動ラベル付き映像クリップを追加することで、特に大型トラックや高ヨーレートのシナリオで、近接カットイン事例に対する対応性能を15%向上させました。さらに、カットイン対象の専用速度制御を拡張し、チューニングしました。
  • 広い車線での自車の位置を改善し、他の車が自車の周りを操縦できるように、これから曲がる方向にバイアスをかけるようになりました。
  • 曲率の高い車線や大型トラックの走行時に、車線内でオフセットすることで他車両との安全距離を保ち、快適な走行ができるようにハンドリングを改善しました。
  • 渋滞時の進路妨害車線変更時の挙動を改善しました。自車は、渋滞時に起こりうるギャップを回避するため、進路妨害された車線ではより多くの車間距離を維持するようになりました。
  • 整列時に高い加速度を可能にすることで、交通量の多い場面での車線変更を改善しました。これにより、より自然なギャップ選択で、自車のすぐそばの隣接車線を追い越すことができるようになりました。
  • 車線、線、道路端の予測間の検出の一貫性を向上させることで、ターンをよりスムーズにしました。これは、車線誘導モジュールの最新バージョンを道路端と線路のネットワークに統合することで実現しました。
  • 他車両の移動セマンティクスの検出精度を向上させました。他車両が走行に移行した場合の精度を23%向上させ、オートパイロットが先導車両を駐車と誤って検出した場合の誤差を12%低減しました。これは、ネットワーク上のビデオコンテキストを増やし、これらのシナリオのデータを追加し、制御関連車両の損失ペナルティを増やすことで達成されました。
  • 最大軌道最適化の地平線を拡張し、高速道路走行時に曲率の高い道路や遠方の車両に対してよりスムーズな制御を実現しました。
  • 狭い車線での駐車車両列の走行挙動を改善し、不必要な車線変更や減速を行わず、オフセットして車線内にとどまることを優先するようにしました。
  • ビジョンベースの定位と粗い地図上の車線数との間のより良い融合により、バックツーバックの車線変更操縦を改善しました。
  • FSDベータ版が計画している今後の操縦を伝えるために、ユーザーインターフェイスにテキストでのお知らせを追加しました。また、車両の進路に沿った今後の減速のビジュアライゼーションを改善しました。シェブロン(クルマの進路上に描かれる青い帯)は、減速の強さを示すために不透明度と速度を変化させてレンダリングし、車が停止する位置には実線が表示されます。
  • 物体検出の再現性と精度を向上させ、特にセミトラックの位置誤差を10%削減し、100m以上離れた横断車両の再現性と精度をそれぞれ3%と7%向上させ、バイクの再現性を5%向上させました。これは、200万個のビデオクリップのオートラベリングデータセットに追加の品質チェックを実装することで達成されました。
  • 低速走行時の物体の運動学モデルを改善することで、広い車線や交差点付近の物体の周囲の誤ったオフセットを減少させました。
  • FSDベータ版がアクティブな場合に、オートパイロットの視覚化を優先するために、自動死角カメラの位置を調整しました。またカメラ映像位置をドラッグしてカスタムポジションを保存できます。
この記事はこの投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。

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コメント

  1. […] つい先日8/26に、最新FSDソフトウェアバージョンVer12がイーロンマスク自らテストしている様子がライブ中継されました。人が書いたプログラムではなく大量の映像を教育データとして与えられたニューラルネットが「学んで実行する」という新たなシステムとなり飛躍的に進化を遂げているようです。イーロンマンスクによると今年2023年中にFSDベータ版が終了しFSD完成版の配信予定となっています。日本国内では現在公道テスト中で画像データによる学習と国の認可待ちとなっており、現在の日本では自動車線変更とスマートサモン機能、自動駐車機能のみが使用可能です。(欧州とオーストラリアではFSDベータが今年5月に認可され使用可能になりましたので日本の認可も近いと思われます)日本で認可されると米国並みの200万円を超えるオプションとなる可能性もあり、一般道や高速道路で自動レーンチェンジで追い越しやインター乗り降りなどもフル自動運転も可能になるFSDオプションが付属しているモデル3となり日本では特にレアではないかと思われます。 […]

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