テスラ、完全自動運転FSDを軌道修正し次のバージョンで「エンド・ツー・エンドAI」を導入へ

teslla-fsd-v-11-3-3 TESLA News
スポンサーリンク

テスラは次のバージョンとなる完全自動運転FSDベータ版v12でエンド・ツー・エンドAIを搭載した完全自動運転パッケージのアップデートを計画していると、イーロン・マスク氏がツイートしました。

エンドツーエンド深層学習は,タスクに対して適切な構造を持つ一つのニューラルネットワークにより入出力関係を直接学習するものであり,従来取り組まれてきた,人間により設計された特徴量による学習に比べて高い精度を実現できた例が多数報告されている

エンドツーエンド深層学習のフロンティア https://app.journal.ieice.org/trial/101_9/k101_9_920/index.html

エンド・ツー・エンドAIで意思決定や運転入力も

FSDベータ版では、すでに人工知能を搭載したニューラルネットがふんだんに使われていますが、それは知覚の部分、つまり車両が環境を検出するために使われています。一方で、意思決定や運転入力(ステアリング、アクセル、ブレーキなど)に関しては、テスラは通常のプログラミングに頼っています。

CEOのイーロン・マスク氏は以前、テスラはその部分にAIを必要としない、と言っていましたが、現在は考えを改めたようです。マスク氏は、今後のv11.4アップデートにおけるFSDベータ版の改善を強調する新しいツイッターコメントの中で、「エンド・ツー・エンドのAI」を含む、もうひとつの今後のv12アップデートについて語りました。

「FSDv12は、画像入力からステアリング、ブレーキ、加速まで、FSDがエンド・ツー・エンドのAIになるときのために用意されています。」
tesla-fsd-beta
https://youtu.be/fKXztwtXaGo

実現の時期は

マスクCEOは、この特別なアップデートのタイムラインを提示しませんでしたが、テスラは現在、v11.4のリリースを社内向け以外にも広げ始めています。

マスク氏は最近、テスラが今年中に「完全自動運転」を達成できると考えていると発言しました。しかし、これまで何度も指摘されているように、現時点では彼が「完全自動運転」で何を意味しているのかさえ明らかではありません。

今回の軌道修正は理にかなったものだと考えられますが、テスラの自動運転への取り組みについてマスク氏が考えを変えたのは、これが初めてではありません。今、FSDベータ版の一番いいところは、その認識力であり、非常によく環境を察知しています。

もし、意思決定の面でも同じようなパフォーマンスを得ることができれば、FSDベータ版が大幅に改善されるのは明らかでしょう。もしかしたら、それがテスラが完全自動運転の約束を果たすための道筋を示すことになるかもしれません。

とはいえ、FSDベータ版を1年以上使っていて、その間に機能はほとんど改善されなかったので、まだ疑問が残ります。FSDベータ版が、すぐにでも真の完全自動運転システムになるとは考えにくいのです。

北米でFSDを1ヶ月無料で提供する予定

イーロン・マスク氏は、テスラが北米のすべてのオーナーに完全自動運転パッケージFSDベータを1ヶ月間無料で提供する予定があるが、それはFSDの挙動が「超スムーズ」になってからだと述べています。

マスクCEOは、人々が「テスラの完全自動運転パッケージの真の価値を理解していない」ことに執着しており、テスラは現在このオプションを米国では15,000ドルで販売しています。

ご想像の通り、このオプションはあまり人気のあるものではありません。

テスラはテイクレート(テスラ購入者のうち、このオプション機能を注文した人の割合)を公表したことはありませんが、テスラが以前発表したデータから、15~20%であると推測されています。

これはテスラがFSDベータ版機能をリリースしている北米での話です。世界的にはもっと少なく10%に近いと思われますが、それはテスラが2016年にこのパッケージの販売を開始し、現在の15,000ドルという価格の数分の一で販売していたことも理由の一つです。

FSD購入の促進策

FSDの購入者を大幅に増やす可能性のある、テスラができることが2つあります:

  1. FSDの所有権を新車購入時に譲渡できるようにする
  2. FSDベータ版の無料体験の提供

前者については、何年も前から持ち上がっていたにもかかわらず、これに対してテスラは極めて消極的ですが、この促進策は既存オーナーの新車へのアップグレードを促すことにつながり、テスラの新車販売も促進する可能性があると思われます。

後者については、マスク氏は「実現するが、それはFSDが『超スムーズ』になってから」と述べています。

FSDが超スムーズ(単に安全なだけではない)になったら、北米の全車両を対象に1カ月間の無料トライアルを展開する予定です。そして、現地の道路でうまく機能することを確認し、規制当局がその国で承認した後に、他の国にも展開します。

もちろん、「超スムーズ」というのは主観的な目標です。FSDベータ版のドライバーの中には、すでにそれが実現されていると主張する人もいますが、多くの人は、このシステムで現時点では「スムーズ」に近い体験をしていないのが現実です。

この記事はこの投稿この投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。

テスラ関連の最新記事を毎日AM7:00にアップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。

 グーグルニュースでフォローする

※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。

タイトルとURLをコピーしました