トヨタは間違いなく、自動車業界にリーン生産方式(トヨタ自動車の生産方式である「TPS(Toyota Production System)」を研究し、体系として再構築したうえで編み出された生産方式のこと)という考え方をもたらした世界最大の自動車メーカーです。しかし、世界的な電気自動車への急速な移行によりトヨタが置き去りにされつつある今、トヨタは、電気自動車を効率的かつ収益性の高い方法で生産する的確な方法を考え出したテスラのような業界のリーダーに追いつくために、素早く適応しなければいけない状況なのです。
完全なコピーはしない
テスラは、工場でも自動車の設計でも、既成概念にとらわれないソリューションを積極的に採用している自動車メーカーです。その特徴的な戦略のおかげで、これまでテスラは電気自動車市場において事実上トヨタを打ち負かしてきました。しかしながら、トヨタのグローバル生産担当副社長である中村好男氏によれば、この状況は変わろうとしているとのことです。
オートモーティブ・ニュースとのインタビューで、中村氏はテスラの技術は賞賛に値する、と認めました。そして、トヨタのさらなる努力の原動力となっているのは、まさにこうした競争そのものなのだという事です。一方で、トヨタがテスラから学ぶとしても、トヨタが採用するであろう技術革新はテスラの完全なコピーにはならないだろうと以下のように述べました。
「もちろん、テスラが素晴らしい技術を持っていることは認めます。テスラから学ぶとすれば、それはコピーではありません。私たちはカイゼンを通じて、テスラ(の技術)を改良していくのです。」
トヨタに必要な外部の目
何が興味深いかというと、この伝統的な既存業界の様相を変えつつあるのは、新興の自動車メーカーだということです。テスラは、モデル3およびモデルYの成功によって、このことを実現してきました。比較的新しい新興自動車メーカーがこのようなことができる理由のひとつは、既存の技術やサプライチェーンの重圧から解放されていることが大きな要因です。
この傾向は、一種の「テスラ・ショック」と言えるかもしれません。特に、テスラのモデルYクロスオーバーが、2023年第1四半期に世界で最も売れた車として、世界中どこでも売っているトヨタ・カローラを上回ったという事実を前に、それが非常に大きな打撃となり、事態が大きく動き始めたのです。
今のところ、トヨタの電気自動車戦略の多くはまだ実証されていません。bZ4xを市場に送り出した同社の直近のEVへの取り組みは、いわば失敗だったと言えるかもしれません。こういう状況から、最近発表されたトヨタの電気自動車戦略の見直しは理解できることでしょう。自動車技術評論で有名な米国ミシガン州にあるムンロ&アソシエイツのCEO、サンディ・ムンロ氏は、トヨタの新しい生産に関するアイデアの多くは、実際にテスラの技術を反映していると述べています。垂直統合に重点を置くほか、ギガキャストや工場へのロボット大量導入といったイノベーションの導入もそのひとつです。これらのトヨタの動きに対してサンディ・ムンロ氏は以下のように述べています。
「私が見ているトヨタの計画はテスラの生産計画に非常に似ています。トヨタは、今後の会社の運営方法について、対抗する視点も持つために外部に目を向ける必要があります。」
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