トヨタ、中国で「競争力のある」現地生産EVを計画

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Credit:TOYOTA
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世界一の販売台数を誇る日本の自動車メーカーが急成長する中国のEV市場で遅れをとるなか、トヨタは状況を好転させる考えのようです。トヨタは7月31日月曜日、EVが市場を席巻する中国で「競争力のある電動化車両」を生産するため、技術やソフトウェアの現地開発を強化すると発表しました。

トヨタ、中国でのEV現地開発を強化

かつてトヨタやフォルクスワーゲンのような外資系自動車メーカーが自動車販売を独占していた中国では、現在、中国産のEVがかつてないほど急増しています。その上、BYDやテスラといった国内トップのEVメーカーによる価格引き下げは、他の自動車メーカーにさらなるプレッシャーを与え続けています。

これに追いつくために、トヨタの新しい計画では、中国のバイヤーが注目しているモダンなインテリアデザインと内蔵AIで運転体験を向上させるスマートコックピットの現地設計と開発を加速させる予定です。トヨタはまた、トップサプライヤーであるデンソーとアイシンと協力し、電動パワートレインの開発を加速する予定です。

この動きは、ロイター通信が先週、トヨタと中国のGACとの合弁会社が従業員をレイオフしていると報じた件を受けてのものです。トヨタはまた、3つの取り組みを通じて製造コストを大幅に削減する計画で、これらには、現地サプライヤー基盤の開発、部品設計の見直し、競争力回復のための生産・製造改革が含まれます。

トヨタ中国の上田達郎副本部長は、この状況について次のようにコメントしています。

「中国市場はかつてないスピードで成長しています。トヨタもグループ一丸となって、中国で生き残るための働き方・考え方を改革していきます。IEM by TOYOTAを核とした現地開発を推進することで、中国のお客様に満足していただける競争力のある商品をスピード感を持って開発・提供していきます。」

一方でトヨタ自動車は、EV、PHEV、HEV、FCEVを同時並行的に拡大する「マルチパス(全方位戦略)」アプローチを堅持しています。

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https://twitter.com/Reuters

電気自動車への危機感が日本にも

4月に就任した佐藤幸治新CEOは、就任後のインタビューで「中国市場でのお客様の期待にしっかりと応えるために、スピードを上げて取り組んでいく必要がある」と発言しています。

トヨタは今年初め、同地域初の電気自動車SUV「bZ4X」を値下げし、その上、同社初の電気セダンであるBYD搭載のbZ3のドアハンドルの不具合を理由にリコール(1万2,000台以上)を発令しました。

トヨタ自動車はすでに、製造の複雑さを軽減するギガキャスティング、自走式生産ライン、効率を高める極超音速ロケット技術、コストを削減しながら航続距離を伸ばす次世代バッテリーなど、EVの新技術を推進する計画を明らかにしています。トヨタは、BYD、第一汽車、GACの中国における3つの合弁会社のエンジニアを「トヨタ主導の開発プロジェクト」に従事させる予定とのことです。

完全な電気自動車の導入が遅れているトヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、世界最大のEV市場で遅れをとっており、その影響が出始めています。

三菱は今月初め、中国での無期限操業停止を発表し、会社のメモには、「過去数ヶ月間、経営陣と株主は最善を尽くしてきましたが、市場の状況により、大変不本意かつ遺憾ながら、新エネルギー車への移行の機会を捉えなければなりません。」と記載されています。

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三菱自動車の中国における販売台数の推移

三菱もトヨタ同様、中国の内燃機関から電気自動車への移行を理由に挙げています。三菱の販売台数はピークだった2019年の13万4500台から、この1年でわずか3万4500台にまで減少しました。そして、ホンダ、日産、マツダなど、他の日系自動車メーカーも同地域での販売台数が減少しています。

トヨタの中国における販売台数は、6月の12.8%減を含め、上半期で2.8%減となっています。これはトヨタだけに起きていることではなく、最も深刻な影響を受けているのは日本の自動車メーカーだけです。他の外資系自動車メーカーは、活況を呈する中国のEV市場で熱気を感じています。

フォルクスワーゲンはシャオペンと提携し、同社の技術プラットフォーム、ADA、コネクティビティソフトウェアに関しては、2つの新モデルを開発するために使用しています。一方、中国のEV市場は拡大を続けており、BYD、NIO、シャオペン、Liオート社などの国内自動車メーカーがシェアを拡大しています。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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