ツイッターユーザーでテスラに関する非常に詳細な分析を得意としているトロイ・テスライク氏は長年テスラの受注残台数を追跡してきました。今回は、このテスラの受注残台数が去年12月を境に大幅に減少した原因について見ていこうと思います。
去年12月に一気に半分以下に
確かに去年12月に何かが大きく変わりました。受注残が190,000台から74,000台に一気に半分以下に減少したのです。通常年末にはテスラ車の購入ラッシュがあり、その後受注残が増えたり減ったりした後に、やがて元の受注残台数に戻ることがよくあるため、年が明けると受注残は再び増加すると考えられたかもしれません。しかし、今回は5月末までのデータとチャートで、まだ一向に元に戻る兆しがありません。
では、これは一体何が原因なのでしょうか?
想定される2つの要因
トロイ・テスライク氏がまとめているのはテスラ公式の数字ではなく、テスラのウェブサイトで公表されている各モデルの「納車待ち時間」と生産率の見積もりに基づく推定値であることを述べておきます。
受注残台数が今年のようにように大きく減少した理由については、以下の2つの要因が考えられます。
世界のギガファクトリーでの生産体制が整った
まず、テスラ車の生産性、生産効率がテスラ車に対する消費者の需要にようやく追いついた可能性があります。多くの台数の受注残がなければ、テスラ車は生産されれれば、基本的にほぼ即座に購入者に納車される状況という事です。テスラは去年の春に相次いで稼働を開始した、ギガ・ベルリンとギガテキサスについて、この半年で両工場での生産体制を増強し、加えて中国ギガ上海と米国カリフォルニアのフリーモント工場での生産性も少しずつ拡大、改善しています。
おそらく、大きな変更なしに、テスラが到達した生産レベルは、新規注文の台数と非常に密接に並んでいます。いろいろな意味で、それは良いことです。テスラサイバートラックのような新モデルや、より低価格で小型のモデル(いわゆる廉価版テスラ「モデル2」)がこれからその間に割って入ってくるのですから。
配送の効率が上がった
もう一つの要因は、テスラが2012年にモデルSのデリバリーを開始して以来、必要とされてきたデリバリーの波の多くをようやく「解き放つ」ことができたということです。
テスラはかつて、カリフォルニアのフリーモント工場から米国、欧州、中国の3つの主要市場の購入者に車を届けるために、さまざまな生産と配送を計画し、実施する必要がありました。その後、上海にギガファクトリーが建設され、生産体制が増強されると、そのギガ上海での生産車両は中国国内の消費者市場にも使用されるようになり、その後、欧州のエンドユーザー市場にも輸出されるようになりました。
テスラが次のステップに進み、ドイツのギガ・ベルリン工場で同じことをすれば、この複雑な物流システムを解消することができます。米国で生産された車は主に北米向けに、ギガ・ベルリンで生産された車は主に欧州向けに、中国ギガ上海で生産された車は主に中国や比較的「近い」アジア市場向けという具合です。
これら3つの工場(および新しいギガファクトリー・テキサス)では、週に何千台もの自動車を安定的に生産しているため、テスラ車が地球の裏側まで輸送される際に長い待ち時間が発生することはほとんどなくなったということでしょう。
今後の見通しは不透明
当然、2つ目の要因は良いニュースですが、1つ目の要因は、今のところ問題ありませんが、突然の予期せぬ需要の落ち込みがテスラの財務を悪化させる可能性があるという点で、若干の懸念があります。もちろん、高価な生産設備はコストを回収する必要があるため、長期的な需要の落ち込みも問題でしょう。
一般的には、テスラは消費者需要、生産、販売台数ともに成長を続けると予想する人が多いでしょう。しかし、未来は驚きの連続であり、力強い成長は保証されていませんので、今後何が起こるかは、正直なところわかりません。
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