「痛々しいほど遅い充電」と「短い航続距離」で苦労の連続、トヨタbz4xでのドライブ

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  • トヨタの新型電気自動車bZ4Xで、ニューヨークからワシントンDCまで往復
  • わずか9時間のドライブで、3時間もの充電関連の時間が必要
  • 暖房で暖かさを保つことと航続距離を最大にすることのどちらかを選択しなければならないことを、身をもって知った

電気自動車は速くて静かで地球環境にも優しいのですが、航続距離が短く充電に時間がかかるという理由で、トヨタのbz4xはそもそもドライブには向いていません。

4月上旬の週末、トヨタの新型SUV「bZ4X」でニューヨークからワシントンDCまで移動したとき、bz4xでのドライブで何が起こるのかを知りました。500マイル(約800km)の旅は、海岸から海岸への壮大な冒険ではなく、普通のガソリン車なら年に数回、気軽に行ける長距離ドライブです。しかし、このバッテリー駆動のbz4xの場合は、そう簡単にはいきません。

充電に時間がかかりすぎる

少しだけ基本的な考え方を整理しておきましょう。

すべてのEVには、急速充電器から受けられる電力量を規定する最大充電電力(キロワット(kW)単位で表される)があります。トヨタが提供するbZ4X AWDの場合、最大充電電力は100kWという水準で、これは残念ながら他社の性能に劣るものになっています。この最大充電電力の値が高ければ高いほど、速く充電できることになります。

しかし、充電器やバッテリーの温度、バッテリーの充電度合い、あるいは特にbz4xの場合は車両側の制御によって、必ずしもこの最大充電効率が発揮できるとは限りません。今回のドライブでは、最大の充電電力100kWに近づくことはなく、耐え難く長い充電時間となりました。

トヨタはバッテリーの寿命を優先してこの電気自動車を設計したため、バッテリーの消耗を早める急速充電の能力を抑えている、と言っています。

ワシントンDCに向かう途中、エレクトリファイ・アメリカ(米国のEV充電事業者)のステーションに残り37%の充電で入り、残りの道のりを走りきるために必要な電気を追加しようとしました。トヨタbz4xは最大100kWのはずが、35kW以下でしか充電ができなかったので、バッテリーを74%まで充電するのになんと45分も待たされることになりました。bz4xが示したシミュレーションでは、この間に95マイル(約153km)の航続距離が追加されましたが、高速道路では高速で走る分、多くの電力エネルギーを消耗してしまうので、実際のところ、75マイル(約121km)という結果になりました。

帰路は、残り6%のところで充電サービスのEVgoステーション(米国のEV充電事業者)に立ち寄りました。今度はbz4xの充電電力が50kWを超えないので、80%まで充電するのに1時間15分もかかってしまいましたが、結果として必要な航続距離よりも少し余裕ができ、約25%の余裕を持って帰宅することができました。

つまり約9時間のドライブに、充電時間だけで2時間も費やしたのです。

しかし、この経験は電気自動車において一般的なものではありません。テスラはもっと速い急速充電が可能で、非常にたくさんの専用充電ネットワークの恩恵を受けています。また、ヒョンデのバッテリーは、トイレを探し、ビーフジャーキー買いに行くまでの時間で満タン近くまで充電できるものもあります。市販されている多くの電気自動車が、トヨタの222マイル(約357km)の航続距離を上回り、充電の頻度や充電時間が少なくなっているのです。

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トヨタ初-本格的市販BEV bz4x

航続距離に余裕を持たせる必要あり

充電するたびにグーグルマップでの残り距離とトヨタbz4xの航続可能距離表示との間に余裕を持たせるようにしました。以前、充電ステーションから遠すぎて航続距離が足りなくなったことがあり非常に苦労したからです。

そしてこれは賢明な判断でした。高速走行や坂道、後ほど詳しく説明しますが、エアコンの設定など、EVは予想以上に早く航続可能距離が短くなることがあります。ですから、EVのことをよく知っている人でなければ、EVの航続可能距離表示を盲目的に信じてはいけないのです。

こんな例もあります。ニュージャージーのエレクトリファイ・アメリカのステーションを出て、ワシントンDCに向かうとき、トヨタbz4xは残り188マイル(約303km)の航続距離を示していました。そしてそれが、到着するまでにわずか11マイル(約18km)まで減少し、「すぐに充電が必要」という不安なメッセージが表示されました。さらに、何度か道を間違えたことで、最終的な走行可能距離はわずか9マイル(約14km)にまでなってしまいました。

電気自動車の充電ステーションはガソリンスタンドほど多くなく、充電スポットを表すわかりやすいサインもないため、最悪の事態を避けるには、事前に充電場所を慎重に計画する必要があります。

他のことをしながらでも充電可能

EVの利点のひとつは、ガソリン車と違って充電中に車に座っている必要がないことです。どこか遠くに行くような場合でも、充電器を挿しっぱなしにすることができます。

ワシントンDCに着いた翌朝、車をチェックすると航続距離が一晩でわずか6マイル(約10km)に落ちていました。翌日の帰路につく前に1時間も充電するのは嫌だったので、市内で充電器を探したところ、ユニオン駅の近くにEVgoを見つけました。

その充電の間、スマホのEVgoアプリで車の充電状況を確認することができましたし、充電器の使用制限時間である1時間で3%から77%まで充電することができたので、効率的な充電ができました。加えて、EVgoアプリが駐車場ゲートで提示するQRコードを提供してくれたので、お金を払わずに駐車場から出ることができました。

それでも、一日のうちの時間を割いて、充電ステーションまで車を走らせなければならないのは残念なことで、もし宿泊していたホテルのガレージに充電器があれば、もっとスムーズに移動できたかもしれません。

快適さと航続距離のどちらかを選択する覚悟を

内燃機関車は副産物として熱を発生させるので、ラジエーターを回すのは大したことではありません。しかし、電気自動車はバッテリーのエネルギーを使って熱を作るので、ドライバーは最大限の航続距離と空調の快適さのどちらかを選択しなければなりません。

ある寒い朝、176マイル(約273km)の航続距離でニューヨークへ戻るために車を走らせました。しかし、暖房をつけようとしたところ、航続可能距離は125マイル(約201km)に減ってしまいました。この場合の選択肢は、エアコンで暖房して2回充電するか、寒さに耐えてワンストップ作戦に徹するか。bZ4Xの航続距離の少なさと、以前充電に長時間がかかった経験から、私は後者を選択しました。

シートヒーターとハンドルヒーター(エアコンより効率的)を頼りに寒さをしのぎつつ、この愚かな電気自動車を一度や二度ならず呪ったことがないと言えば、嘘になります。

しかし、現在のEV拡大の勢いを見ると電気自動車の未来は必然のように思えるので、私たちはそれと共存することを学んだ方がいいかもしれません。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。

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