日本の自動車メーカーであるトヨタ、ホンダ、日産の3社は、バッテリー式電気自動車と脱炭素化への取り組みが進んでいないとして、再び非難を浴びています。持続可能な未来を推進する非営利団体グリーンピースは、日本の自動車メーカーが同業他社に遅れをとっていることを示す新たな調査結果を発表しました。
日本の自動車メーカーは、電気自動車を市場に導入する取り組みが遅れていることで知られています。1997年にトヨタが大衆向けハイブリッド車であるトヨタ・プリウスを初めて発表したにもかかわらず、それ以来、トヨタ(そして日本全体)がほとんど前進していないのです。一方で、日本は世界第3位の経済大国であり、新幹線(最高時速320km)、量子コンピュータ、スマート農業など、最先端の技術を有しています。
では、なぜ脱炭素化や電気自動車の普及が遅れているのでしょうか。
EVレースで遅れをとる日本
ひとつには、日本が比較的保守的な文化を持っていることが挙げられます。秩序や序列を重んじる文化です。ですから、当然、大きな変化となると、リーダー次第ということになります。そして、過去のトヨタ、ホンダ、日産の上層部のコメントを見ると、「壊れていなければ直さなくていい」という言葉に近い考え方の傾向が見て取れます。

このような考え方は、しばしば変化の遅れを招き、私たちは今、それを目の当たりにしているのです。例えば、北米トヨタの販売担当副社長は、最近、次のような発言をしたそうです。
「市場はまだ(EVの)準備ができていないと思う。インフラも整っていないですし。」
この発言は、電気自動車が今後の未来であることを示すあらゆる証拠があるにもかかわらず、なのです。
既存の自動車メーカーも含めて、ほぼすべての自動車メーカーが10年後までにすべて電気自動車にする(あるいはそれに近いラインアップにする)計画を立てています。そうしなければ、すでにあるEVの需要に追いつくことができないからです。
米国カリフォルニア州、ワシントン州、マサチューセッツ州の3州は、2035年までにガスエンジン車を禁止する方向で動いています。合計17の州がカリフォルニア州の排ガス規制に従っていますが、すべての州が2035年の禁止を採択したわけではありません。
EVのみを販売するテスラによると、モデルYの車種別売上がは今年の他のどのメーカーの車種よりも多く、来年は全体で最も売れる車になる可能性が高いということです。
その証拠に、人々はEVを欲しがっており、市場はそこへ向かっている。
トヨタ、ホンダ、日産は脱炭素化への取り組みで最下位
グリーンピースの新しい調査によると、日本の自動車メーカーであるトヨタ、ホンダ、日産は、よりクリーンな未来を促進するための取り組みにおいて、自動車メーカー上位10社の中で最下位であることが判明しました。
トヨタは、ハイブリッド車以外のゼロ・エミッション車の販売台数がトヨタ全体の販売台数の1%にも満たなかったため、最下位となりました。また、この調査では、トヨタは脱炭素化のためのサプライチェーンが最も整備されていないメーカーのひとつであることも判明しました。
グリーンピース・ジャパンの気候・エネルギーキャンペーン担当者は、次のように語っています。
「ハイブリッドの時代は終わったと思います。」
そうです。ハイブリッドは解決策ではありません。完全な電気自動車への橋渡し役として役立つだけです。そうして初めて、輸送部門は持続可能な方向へと向かうのです。ホンダは、2030年までに30台の新しい電気自動車を導入するという目標を達成するための計画性のなさをグリーンピースに指摘され、9位にランクインしました。8位は日産自動車です。日産リーフで早くからEV市場をリードしてきたにもかかわらず、ゼロ・エミッション車の販売はあまり進展していません。
トヨタ、ホンダ、日産は逆転できるのか?
日本の自動車メーカーは、これまで世界のEV拡大に対して足を引っ張ってきましたが、この1週間ほどで、EVのアイデアを温めているようです。
先週、トヨタはノースカロライナ州のEVバッテリー工場への資金を3倍に増やすと発表しました。38億ドル(約5400億円)はEVバッテリー工場としては巨額とは言えなませんが、それでも以前の計画から一歩前進したことになりますし、さらに、日本のエンジン工場をEVバッテリー工場に転用することも発表しています。
一方、ホンダも先週、LGエナジーと提携して44億ドル(約6300億円)を投資し、米国でEVバッテリーを製造することを発表しました。そして火曜日には、バッテリーに使う鉱物を追加で購入するためにサプライヤーと提携しました。
日産はまた、日産リーフ所有者向けに、エネルギーを送電網に売ることができる初のV2G充電器(Vehicle To Grid)を導入し、EV市場に深く食い込もうとしています。
これらの動きは、彼らが目を覚ましつつあることを意味するのでしょうか?完全に軌道修正したとまでは言いませんが、最近のニュースは、トヨタ、ホンダ、日産が世界の持続可能性にもっと力を入れることを示唆しています。
投資を増やすことは、その第一歩です。あとは、日本の自動車メーカーがそれに続き、拡大し続けるEV市場においてより重要な役割を果たすことができるかどうかにかかっています。
幾分遅れてはいる状況ですが、まだ軌道修正する時間はあるのです。ただし、時間は刻一刻と過ぎていってます。
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