電気自動車が自動車市場に浸透する中、テスラは欧州での自動車販売台数を他社に対して引き離しつつあります。しかし、この米国の電気自動車メーカーがベルリン-ブランデンブルクに新設したギガファクトリー・ベルリンは、この状況を一変させる可能性があるとも言われています。
ウォールストリート・ジャーナルの報道によりますと、テスラは新しいギガファクトリー・ベルリンで欧州全体のEV市場シェアを大きく奪還する可能性があるとのことです。今はまだ稼働が始まったばかりですが、ドイツ・グリュンハイデのこの施設での生産が本格化すれば、欧州の自動車市場でテスラが非常に優位に立てるとの見方が多くなっています。
電気自動車は欧州全域で普及が進んでおり、2021年第4四半期に欧州で販売された乗用自動車の約6台に1台はEVの新車販売が占めるという状況となっています。
テスラは2019年にはすでに欧州でのEV販売をリードしましたが、それ以降は一部の国を除き、フォルクスワーゲンやステランティスの後塵を拝しているのが現状です。2021年の欧州におけるEV市場の販売シェアは、テスラが14パーセントとなり、フォルクスワーゲンの25パーセント、ステランティスの14.4パーセントに次ぐ状況でした。
しかし、今回のギガファクトリー・ベルリンの開設・稼働開始は、テスラにとって大きな転換を意味します。かつて中国のギガファクトリー上海から欧州の顧客に自動車を輸出していたのが、今ではドイツ製の自動車を欧州大陸の顧客に直接出荷できるようになったのですから。
この効果は、欧州の他の自動車メーカー(フォルクスワーゲンやステランティスなど)に対する圧力を強めるだけでなく、テスラが欧州大陸に納品できる車の数を増やすことができ、同時に上海を解放して中国や近隣諸国への生産量を増やすことができるのです。
ギガファクトリー・ベルリンの開設に先立ち、ロイターが詳述したように、テスラはすでに昨年、ノルウェーで自動車ブランド全体で最も販売されるようになり、同国ではEV全体の販売が65%に跳ね上がり、内燃機関車よりもよく売れるようになりました。
テスラのこのベルリンの生産施設は、国を超えて、特に他の国々が同じマイルストーンを超え始めたときに、テスラがヨーロッパでEV市場を取り戻すのに役立つかもしれません。
フォルクスワーゲンは、今後数年間で最も影響を受ける自動車メーカーの1つになる可能性があり、最高経営責任者のヘルベルト・ディース氏は、過去数年間でテスラの優位性が増していることを声高に訴えています。ディースは最近、この米国の電気自動車メーカーがギガファクトリー・ベルリンを設立する中で、その重要性を指摘しました。
「テスラは間違いなく、我々の最も重要な競争相手となるだろう」とディースCEOは述べています。
それでも、ブルームバーグが報じたように、フォルクスワーゲンが3月にドイツのウォルフスブルクに22億ドル(約2兆8千億円)を投じてEV工場を建設する計画を発表するなど、他の自動車メーカーもEV重視への移行をより迅速に行うための措置を取り始めています。
フォルクスワーゲンのブランドチーフであるラルフ・ブランドシュテッター氏は、「主力工場の競争力を強化・維持し、従業員に強固な長期的展望を持たせる」と述べています。
自動車メーカーが「トリニティ」と名付けたヴォルフスブルク工場は、テスラのような効率化を目指し、1台あたりわずか10時間の生産時間を目指しています。
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