フォルクスワーゲンCEO、最近勢いを増している中国の新興EVメーカーを脅威とは捉えず

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Credit:REUTERS
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フォルクスワーゲンのオリバー・ブルーメCEOによると、フォルクスワーゲンは最近勢いを増している中国のEVメーカーに対して優位に立っている認識とのことです。というのも、中国EVメーカーが提供するクルマは欧州においてフォルクスワーゲンの2倍の価格で販売されていると指摘しています。

VWは中国EVメーカーに脅かされていない

ミュンヘンで開催されたIAAモビリティショーで、ブルーメCEOは「中国はここ数十年で自動車の製造方法を学んだ」と認めたものの、VWの優位は揺るがないと考えているようです。ドイツ紙オートモビルウォッヘによると、ブルーメCEOは以下のように述べています。

「私たちには車のノウハウがあり、品質レベルもあります。そして、私たちにはブランドもあります。新参者にはそれがありません。私たちは、自分たちが有利な立場にいると考えています。」

今年第1四半期に中国からドイツに出荷されたEVのシェアが3倍以上(昨年の7.8%に対し28.2%)になったにもかかわらず、です。

VWグループとポルシェのCEOであるブルーメ氏は、中国のEVメーカーは中国で約20%安く車を製造できると述べました。しかし、「中国で提供しているようなレベルのコストを欧州で提供することはできないだろう」と説明しています。車両を欧州の要件に適合させ、販売台数を確保するためには高いコストがかかるため、実際に欧州では中国メーカーが中国における価格の2倍で車両を提供しているのです。

激化する競争

一方でブルーメCEOは、新たな競争が自動車業界の熱を高めていることを認めました。

「競争は常に良いことなのです。」

フォルクスワーゲンは競争力を維持するために、より良いポジショニングをとる必要がありブルーメCEOは以下のように指摘してます。

「私たちはコスト面で努力しなければなりません。この場合の最大の焦点のひとつは、EVの主要コストであるバッテリーです。フォルクスワーゲンは新しい統一セルでコストを50%削減し、より安価なEVを実現することを目指しています。」

フォルクスワーゲンは今年3月、25,000ユーロ(約400万円)以下で購入でき、航続距離は最大約450kmの廉価版EVを計画していることを公表しています。

中国EVメーカーのプレゼンス向上

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Credit:BYD

ブルーメCEOはまた、NIOやBYDのような中国新興EVブランドに対するアドバンテージとして、電気自動車への移行に伴い内燃機関自動車をラインナップに持つことを検討しているようです。同CEOは、フォルクスワーゲンの移行資金は内燃機関の販売台数で賄えると見ており、一方、EVブランドは別の資金源を見つける必要があるとのことです。

フォルクスワーゲンが中国で技術をアウトソーシングしていることを考えると、ブルーメのコメントは興味深いものとなります。VWは7月、中国のEVメーカー、シャオペンに7億ドルを投資し、約5%の株式を取得したことを明らかにしました。さらに、アウディと中国の国有自動車メーカーである上海汽車は、同地域で新しいEVモデルを開発するために協力しています。中国以外では、VWがヒョンデのサプライヤーであるヒョンデ・モービスにバッテリー・システム・アセンブリを大量に発注していたりもします。

ブルーメCEOは欧州市場について話していますが、すでにこの地域で技術をアウトソーシングしている企業としては大胆なコメントです。

BYD、NIO、シャオペンなど、中国の新しいEVブランドが欧州でのプレゼンスを拡大しています。BYDは、ミュンヘンで開催されたIAAモビリティショーで、ハン、シール、ドルフィン、そして来年前半に現れる予定のシールU(DセグメントSUV)など、いくつかのEVを持ち出しました。ドイツでの価格は42,990ユーロ(約680万円)からとなっています。一方、フォルクスワーゲンのID.5の価格は47,595ユーロ(約753万円)で、新型フラッグシップのID.7は50,000ユーロ台半ばとなる予定です。

BYDは7月までに欧州で2,492台を販売し、昨年の1,170台を上回りました。オートモーティブニュース欧州の情報によると、そのうちAtto 3は1,977台となっています。BYD欧州のマイケル・シュウ社長は、次のように述べています、

「欧州における新市場への参入は大きく前進しました。わずか1年足らずの間に、欧州15カ国にBYDブランドを展開し、140以上の店舗をオープンしました。私たちは、最高のディーラーやパートナー社と協力して、プレミアムな顧客サービスと小売体験を提供するネットワークを構築しています。」

今後数ヶ月の間に、どのようなストーリーが展開されるかはお楽しみです。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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