2023年第2四半期、テスラ販売台数は急増するも、アナリストは今後の厳しい経営状況を予想

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バーンスタインのアナリストは、今後新モデルの投入がなければ、テスラは需要を喚起するために更なる値下げを続けなければならないかもしれないと予測しています。

新製品無しの成長は困難

バーンスタインのリサーチ・アナリスト、トニ・サコナーギ氏は、テスラにとって、目先の新モデルの発売がないまま巨大な需要を生み出したことは、逆に今後の困難な経営状況を生み出す可能性があると指摘しています。

同アナリストはCNBCのインタビューに応じ、テスラの株価は短期的に予測するのが「非常に難しい」ものであるという前置きの上で、今後の株価の予測はあまり良くはならないだろうと述べました。テスラの株価は5月以降上昇を続け、現在は280ドル台で推移(2023年7月3日時点)、時価総額はこの時点で8800億ドルにもなっていますが、バーンスタインの予想では、目標株価は150ドルという非常に低い水準です。

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サコナギ氏は、テスラは近いうちに事業戦略を見直す必要があると示唆。「漸進的な値下げを行ったため、マージン(粗利)は減少するだろう。」とのことです。

同氏はまた、テスラブランドが持続的な需要を牽引する能力にも疑わしいと以下のように指摘しています。

テスラは非常に積極的な成長を試みてきました。今年は30%プラス、来年も30%プラスの成長目標です。そして、一方で新しい製品を提供していません。新商品が何もないのに、どうやって需要の増加を生み出すのでしょうか?それが、今後4~6四半期にわたるテスラの最も大きな課題です。

NACS標準化の効果も薄い

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Credit:Tesla

イーロン・マスク氏率いるこの世界一の電気自動車ブランドは、今年に入ってから全モデルの値下げを、全ての市場で複数回実施しました。2023年第1四半期に世界で最も売れた車であり、テスラの主要な売れ筋車種であるテスラモデルYは、米国では現在47,740ドルからとなっており、2023年4月の50,000ドル超から大きく値下げされています。

同氏はまた、テスラは今後4~6四半期のどこかで納車台数がショートするか、一層の成長を促進するために更なる値下げを続ける可能性があると指摘しています。バーンスタインはまた、テスラのレーティングを「アンダーパフォーム」と予想し、北米充電規格(NACS)の採用拡大による近い将来への影響は、「中立からややネガティブ」になるとも予想しています。

このアナリストは、テスラのNACSが米国でデフォルトの充電規格になる可能性が高いとしても、そのユーザーベースは大きく拡大しないだろうと指摘しているのです。

現在、テスラは米国におけるEV累計販売台数の80%をも占めています。その急速充電ネットワークを使える車をこれから20%増やしても、大したことではありません。テスラの昨年のスーパーチャージャー収入は6億ドルで、これはテスラ社の売上に占める割合はわずか1%未満です。

テスラは、この2023年第2四半期の生産台数を前年同期比86%増の479,700台とし、これまでの四半期新記録を達成しました。以前の記録は、テスラが2023年第1四半期に記録した42万2875台です。

同ブランドは今年、約180万台のEVを生産・納車する可能性があると推定されています。現状を考えると販売台数の大半はモデルYおよびモデル3が占めるでしょう。つまり、今年の後半にモデル3の新型やサイバートラックが納車され始めたとしても、実際に業績に貢献するまでになるには相当な時間がかかると考えられます。

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