テスラは、最も人気のある車のひとつであるモデル3の刷新に取り組んでいます。このプロジェクトはコードネーム「プロジェクト・ハイランド」と呼ばれ、同車は2017年に発売されて以来、最も大きな変化を遂げることになります。
テスラは数ヶ月間、このプロジェクトを非公開にしていたにもかかわらず、現在、史上最も売れた電気自動車であるモデル3にもたらされる大きな変更に関する情報がいち早く入ってきています。信頼できる内部関係者のおかげで、テスラのリフレッシュ版モデル3に対する計画について今回より多くの情報を提供することができます。このプロジェクト・ハイランドの刷新では、内外装ともに変化します。
再設計されたヘッドライト
以前リフレッシュ版モデル3は、フロントバンパー、リアエンド、ダッシュボードがカバーで覆われているのが目撃されています。しかし、より最近目撃されたものではモデル3は、ヘッドライトも覆われていました。以前は透明だったヘッドライトの開口部が、ガムテープのようなもので覆われているのです。これにはちゃんとした理由があることが判明しています。今回のモデル3の刷新では、ヘッドライトのデザインも一新される予定です。新しいヘッドライトは、現在とは異なる形状になる予定で、テスラは一部のモデルにマトリクスヘッドライトを提供していますが、まだソフトウェアで有効にすることはできていません。テスラは今回のモデルチェンジでもマトリクスヘッドライトを提供し続けるようですが、北米での発売時に有効化されるかどうかも今のところ明らかではありません。
バンパーカメラ
新しい形状のヘッドライトは同時に、フロントバンパーが新しくなることを意味します。最近の画像でフロントエンドがより滑らかになったことから、フロント形状が変わるという憶測が飛び交っている状況です。テスラは空気抵抗係数をより改善するために、常にエアロダイナミクスを追求しています。しかし、新しいフロントバンパーのデザインを変更するのには、別の正当な理由があります。フロントバンパーには、バンパー下部のベントエリアの中央エリアに1台のカメラが新たに設置されることになりました。
この新しいカメラの位置は、テスラのインベスター・デイで披露されたサイバートラックのカメラと非常によく似ているはずです。
同社がUSS（超音波センサー）を撤去して以来、人々は車の真正面にあるカメラの死角とされる場所にある物体をどうやって検出するのか疑問に思っていました。
リアバンパー
理由は不明なのですが、車両のリアバンパーもデザイン変更される予定です。リアカメラの位置が変わるとは思っていませんし、車両後部にカメラが追加されることもないでしょうが、今回の新しいリアバンパーは、単に「リフレッシュ」のためかもしれないし、コスト削減のための措置かもしれません。
サイドミラー
また、サイドミラーの更新も行われます。私たちは、サイドミラーが非常にマイナーなリフレッシュを受けると聞いており、現在と非常によく似た外観になると考えています。テスラが他の部分とのマッチングを良くするために変更するのか、製造を効率化するために変更するのかは不明ですが、マイナーチェンジを期待するように言われています。
追加カメラ
テスラは先日、モデルSとモデルXにハードウェア4.0（HW4）を搭載しましたが、ハードウェア4ではより多くのカメラを搭載できるのに、新車はHW3車と同じ数のカメラを搭載していると知って驚いた人も多いでしょう。そこで登場したのが、プロジェクト・ハイランドです。プロジェクト・ハイランドでは、より多くのカメラが実際に使用されると考えられます。先ほど説明したフロントバンパー中央に1台、そして車体側面に2台、合計3台のカメラが追加されます。
フェンダーのカメラハウジングには、それぞれ2台のカメラが入ることになります。1つは現在と同じように後方を向き、もう1つは反対側を向くことになります。新しいカメラがどのような向きになるかは不明ですが、特定の交差点でクルマがより良い視界を得られるように、横にずれて向けられると推測しています。
道路の交差点には、建物や茂みなどの障害物があり、Bピラーカメラでは見えにくい場合があります。そのため、視界を確保するために、車両を前進させることがあります。また、前進しすぎると、他のクルマの進路に入り込んでしまうという不利な状況に陥ることもあります。今回のカメラは、この問題を解決するためのものだと思われます。
また、既報の通り、フロントフェンダーに設置されているリピーターカメラの筐体が変更されているようです。フロントフェンダーに設置されたリピーターカメラのハウジングが変更され、オリジナルよりもさらに奥にラインが含まれているように見えます。これは新しいデザインの一部である可能性があります。
プロジェクト・ハイランドでは、テスラの最新自動運転コンピュータ「ハードウェア4」を搭載して出荷される予定です。カメラ自体は、HW4モデルSとモデルXの車両に搭載されているものと同じカメラで、アンチグレアコーティングが施された500万画素のカメラと推定されます。このカメラは、現行のHW3車両に搭載されている120万画素のカメラよりも大幅に進化しています。新しいフロントバンパーカメラと2つの追加サイドカメラにより、テスラは、多くの車両で見られる本当の鳥瞰図を提供するために必要なものをすべて手に入れたのかもしれません。
温度センサー
テスラはコスト削減のため、車外の温度を検知するための温度センサーを撤去します。温度センサーを使用しない代わりに、車両はGPSの位置情報と気象データに基づいて外気温を判断します。風などの環境要因で誤差が生じることがあるため、より正確な気温を表示できるようになる可能性があります。ただし、車庫などの身近な場所の外気温を表示する機能は失われます。
また、テスラはGPSモジュールの改良も行っており、より正確な位置情報を提供することが期待されます。2022年8月、テスラはマルチバンドGNSS（Global Navigation Satellite System）アンテナに関する特許を申請しました。物体の位置を特定するためには、さまざまな種類の衛星やネットワークを利用することができます。GPSはそのネットワークのひとつに過ぎません。この新システムにより、テスラはGPS以外のネットワークも利用して、車両の位置を特定することができるようになりました。これにより、位置検出の高速化や高精度化につながる可能性があります。
インテリア
インテリアも、いくつかの変更が加えられる予定です。ただし、2021年モデルSで見られたような大規模なリフレッシュは期待できないですが、変更はいくつか実施されるでしょう。ウッドトリムは取り除かれ、ファブリック仕上げ、おそらくテスラがモデルSとモデルXですでに採用しているアルカンタラファブリックに変更されます。
車両のダッシュボードもリフレッシュを受けますが、それで何が変わるのかの詳細は教えてもらえませんでした。これもまた、新しいものを提供するのではなく、製造工程を簡略化するための方策かもしれません。他のインテリアの変更もあるかもしれませんが、この2つが大きな違いになると予想されます。今回のリフレッシュは「マイナー」であり、コスト削減に重点を置くと言われていますが、テスラが時間をかけて最新のハードウェアにアップグレードし、新しいカメラを導入することは間違いなく、このクルマの目玉になると思われます。
モデル3の刷新後に現れると予想されていますが、コードネーム「ジュニパー」と呼ばれるモデルYのプロジェクトもすでに進行中です。モデルYには、ここで紹介したのと同じような多くの変更が加えられると予想されます。
発売日
全体として、モデル3プロジェクト・ハイランドのアップデートは、テスラが常に車両を改善し、競合他社をリードする方法を模索していることを示しています。こうしたことの本質として、いくつかの項目は変更される可能性があります。これらの変更により、モデル3は市場で最も人気のある電気自動車の1つとして成功を収め続けるでしょう。同車両の生産は、今年である2023年第3四半期に開始される予定です。
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