テスラの新型レーダーユニット、米連邦通信委員会の新資料で詳細判明

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Credit:Tesla
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米連邦通信委員会(FCC)が新たに公開した文書に、テスラの新型レーダーユニットが数ヶ月の時を経て、ようやく初公開されました。テスラは、2021年半ばにモデル3およびモデルY、その後モデルSとモデルXからレーダーを排除し、代わりに車両の安全性と運転支援機能を車載カメラに依存することを決定したことは有名な話です。

この新しいレーダーユニットが登場する事は、昨年、米連邦通信委員会(FCC)に提出された文書が発覚して以来、分かっていたことです。レーダーユニットの追加的な詳細と写真が含まれたより重要な文書は、このデバイスが1月中旬に「市場投入」されることになっていたため、新年まで秘密にしておくようテスラから要請されました。テスラはその後、2023年3月7日までのさらなる延長を要求し、その決定日付は発表されることなく過ぎ去りました。そして先日、これらの文書が早くも米連邦通信委員会(FCC)のウェブサイトに掲載され、詳細が公表されました。(h/t: @ankinnyc)

この公開された文書によると、レーダーユニットは、以下のモデルXとの図にあるように、フロントバンパーの後ろ(下の図の⑥の位置)に配置されるとのことですが、これはテスラが2021年にレーダーユニットの撤去を決定する前と同じ位置です。

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新しいレーダーユニット自体については、テスト文書に 「76~77GHzの周波数帯で動作し、3つのセンシングモードをサポートする非パルス型車載レーダー」と記載されています。つまりテスラは、周波数変調連続波(FMCW)技術を使用して、クルマに近接する物体までの距離を推定することになるのです。これにより、レーダーユニット自体の物理的なサイズを小さくすることができ、軍事用途で一般的に使用されている、より長距離の距離を測定するパルスレーダーユニットに比べて、より少ない電力で、より安価に製造することができるものです。

レーダーユニットの外観は、筐体付きと筐体なしがあります。

筐体付レーダーユニット Credit:Tesla
筐体無しレーダーユニット Credit:Tesla

レーダーユニット内部の写真もいくつか掲載されており、6本のアンテナを搭載しているようですが、資料によると下の画像のように同時に送信できるのは4本のみとなっています。

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筐体付レーダーユニット Credit:Tesla

我々は決してレーダーテストの専門家ではないことを前置きした上で、今回公開された資料を検討した結果、このレーダーユニットはアダプティブクルーズコントロールシステムに使用されている他の自動車用レーダーユニットと同様なものののようです。昨年初めて発覚した際には、高解像度レーダーと銘打たれていましたが、このレーダーユニットが現在市販されている他のものと比べて何が優れているのか、テスラが約2年前に車からレーダーを外すことを決定するまで搭載していたユニットと比較しても現時点では不明です。

このレーダーユニットは、数日中に発表される予定のハードウェア4.0(HW4)の一部を構成することが分かっており、特に今回文書が公開されたことを考えると、このレーダーユニットが搭載されることが予想されます。テスラが欧州でHW4搭載車の販売認可を取得していることから、まずはモデルSとモデルXに搭載されると予想されます。またテスラは、新ハードウェア搭載車の発売前に北米の在庫を解消しようと、既存のモデルS/Xを在庫サイトに大幅な値引きで掲載しています。

私たちが聞いたところでは、すでに米国カリフォルニア州フリーモント工場でHW4搭載車が製造されているようですが、まだ顧客に引き渡されたものはないとのことです。また、ギガファクトリー・ベルリンでHW4のテストが行われているとのことで、モデル3およびモデルYのHW4搭載がそう遠くないうちに実現する可能性があることが示されています。

また、ティアダウン(解体検証)の結果、新しいHW4にはフロントとリアバンパーに搭載される新しいカメラ用と推測される追加のカメラ入力ポートがあることから、HW4は現行のHW3搭載車に後付けすることはできないことも分かっています。

すべての資料はこちらでご覧いただけます。

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