過去5年間でEV価格を半額にしたテスラは、次の5年でも半額にできるのか?

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テスラは過去5年間で電気自動車の価格を半額にすることに成功しましたが、2023年3月1日に開催される投資家イベント「インベスター・デイ」での発表が予定されている、次世代車両プラットフォームで再びそれを実現するかもしれません。

最近、テスラの価格について多くのことが語られています。

テスラは、その高い価格にもかかわらず、長年にわたり、電気自動車に乗るためにプレミアムを支払うことをいとわない高級車マニアを魅了してきましたし、いまでも高級ブランドであることに変わりはありません。

実際に、プレミアムブランドとして、主にBMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、レクサスといった他の高級ブランドと競合し、競争しています。

しかし、テスラは長年にわたって徐々に市場シェアを縮小してきました。過去2年間の大規模な値上げにより、エントリーモデルのモデル3 RWDでさえほとんどの購入者の手に届かない価格となっていました。

2022年の株価の大幅な下落や、競争環境の激化とテスラ車の需要減退などの背景からか、2023年の年初に、テスラはEVの全ラインナップ、全世界でで大幅な値下げを実施し、同社の車両はより手頃な価格になりました。しかしながら、それでもそれらはすべてプレミアムカテゴリーにしっかりと収まっている状況です。

以前お伝えしたように、この値下げによって新たなEV価格競争が始まるかもしれませんが、テスラは、業界屈指の粗利益率のおかげで、この戦争に勝つための絶好の位置にいるのです。

同社は2017年以降、1台あたりの平均販売価格を半減させた一方で、営業利益率をマイナス15%から現在では15%以上の黒字に改善することに成功しています。

1台あたりの平均販売価格と営業利益率の推移
Credit:Tesla

2022年に価格が若干上昇し、初めてトレンドを破ったにもかかわらずです。しかしながら、2023年は年明けの大幅な値下げで、1台あたりの販売価格は大幅に下がると予想されます。

一方で、テスラの価格が今後5年間で再び半額、あるいはそれに近い価格になる可能性があるため、将来を見据えることは非常にエキサイティングです。そして、それは発表間近の次世代車両プラットフォームに起因することになります。

テスラの第3世代プラットフォーム

モデルSとモデルXは、テスラの第1世代の車両プラットフォームをベースにしています。そしてモデル3およびモデルYは、モデル3発売当初よりも多くの改良が施されたものの、第2世代プラットフォームをベースとしています。

現在テスラは、2023年3月1日の投資家向けイベント「インベスター・デイ」で第3世代の車両プラットフォームを発表する準備を進めています。テスラのこの新プラットフォームの詳細はあまり明らかになっていませんが、コスト削減と製造性の向上に重点を置き、新たなレベルの生産規模を達成することが期待されます。

具体的には、新型4680バッテリーセル、バッテリーを構造体として活用するストラクチャラル・バッテリーパック、最新の超大型鋳造機ギガプレスによる一体成型アルミ筐体のメガキャスティングなどを駆使して、新プラットフォームは新たな生産効率と生産規模を達成すると予想されます。

マスク氏は、テスラの中長期計画マスタープランPart3をイベントで発表することを示唆しましたが、このプランは、テスラが2030年の製造販売目標である年間2000万台へのスケールアップをどのように計画しているかについても含まれると考えられます。

そしてこのマスタープランには、リチウムやニッケルなどの鉱物を精製する工場や、車両やバッテリーの工場の増設など、バッテリー材料のサプライチェーン全体を通じてテスラが深く関与することが盛り込まれると予想されます。

このサプライチェーンと製造計画、そして新しい車両プラットフォームにより、テスラは新しいカテゴリーの車両を生産することが可能になりそうです。最終的には、テスラの規模を拡大し、その平均販売価格を大幅に引き下げる2万5000ドルのコンパクトカーも登場する可能性があります。

テスラが年間2,000万台まで生産を拡大することを現時点で想像するのは難しいですが、少し前を振り返って100万台まで製造販売台数を拡大することもほとんどの人にとって想像しにくいことだったのも事実です。

同社はそれを達成しただけでなく、現在では年間200万台の生産能力を持つに至っているのです。7年後にその10倍の生産能力を持つことは容易ではありませんが、それが可能だと考えても不思議はないでしょう。

しかし、製造規模の拡大はあくまで一面でしかないのです。テスラが年間2000万台を製造するためにはその台数に近い需要が必要であり、その実現にはより安価なクルマも必要となります。

テスラが本当に完全自動運転機能を実現すれば、確かにクルマを販売しやすくなるでしょうが、それはさておき、現在のラインナップでは、年間300万台程度の販売が限界と思われます。サイバートラックのような電動ピックアップがあれば、販売台数を年間500万台まで実現できるかもしれませんが、それ以外は4万ドル以下の新しいセグメントのテスラ車、いわゆるモデル2やモデルQと言われる廉価版テスラ、2万5千ドルのテスラが必要になるのです。

3月1日のプレゼンテーションでは、テスラがどのように2030年に年間2000万台の販売を計画しているのかが明らかにされるはずです。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。

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