トヨタ、環境変化に伴いEV3ヵ年計画を大幅変更へ:ロイター

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12月12日(ロイター通信) – トヨタ自動車(7203.T)は、業界トップのテスラやBYDとの価格や性能面での差を縮めるため、来年初めに主要サプライヤーに電気自動車(EV)戦略変更の概要を伝える見通しであると、この作業に詳しい2人の関係者が明らかにしました。

トヨタ自動車は、2026年初頭までのEV計画の変更を詳述し、主要サプライヤーに調整変更内容を伝える見込みだと、機密情報であるため匿名を条件に関係者が語りました。

トヨタは、今後の10年間に計画されているEVの競争力を向上させる方法を検討してきました。モーターを含む電気駆動システムから、系統電力網からの電力をバッテリーに蓄えられたエネルギーに変換する電子機器、より統合されたバッテリー用の加熱・冷却システムまで、計画中のEVの性能を高める技術の採用を加速させることもその一つだと関係者は述べています。

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Credit:TOYOTA

しかし、この変更により、当初3年間で計画されていたEV開発プログラムのいくつかに遅れが生じる可能性がある、と関係者の一人は述べています。この変更は、トヨタの主要市場向けの最初の2つのEV、bZ4XとレクサスRZの後継車が対象となり、コストと性能でテスラ社との差を縮めることを意図していると、関係者は述べています。

トヨタは2月に大規模なサプライヤー会議を開催する予定であり、これはパンデミック以来初のグローバルサプライヤー会議となる予定です。

トヨタは声明の中で、カーボンニュートラルの達成に向けて「主要な(サプライヤーやパートナー)企業とさまざまなテーマについて常に積極的に話し合い、取り組んでいる」と述べてきていますが、しかし、EV開発プロジェクトについては、新たに開示する内容はないとしています。

億万長者のイーロン・マスク氏のテスラは、第3四半期にトヨタの8倍近い1台当たりの利益を上げたのですが、これはEV生産を簡素化してコストを削減したことが一因だと、アナリストは分析しています。

ロイターが10月に報じたところによると、トヨタは昨年末に発表した300億ドル規模の3段階のEV開発・発売計画を見直しているようです。昨年発表した一部のバッテリー車プロジェクトの作業を中断し、エグゼクティブフェローの寺師茂樹氏が率いるワーキンググループが、急成長するEV市場でコストパフォーマンスと技術を向上させることを検討しているとのことです。

このワーキンググループは、新しいEVプラットフォーム「e-TNGA」の後継車種の検討を含め、トヨタのEVへのアプローチを改善する計画の概要を示す役割を担っています。トヨタは、プリウスで先鞭をつけたガソリンと電気のハイブリッド車が、カーボンニュートラルな交通手段への移行において、今後も重要な役割を果たすと考えているのですが、この刷新はそのような考えに基づいています。ほとんどの主要自動車メーカーは、2030年までに自動車販売台数の過半数がEVになると予想しており、グリーン投資家や環境保護団体は、業界全体のEV販売がトヨタの初期の想定を上回っていることから、トヨタに対してより早い動きを求めています。

E-TNGA

トヨタのEV戦略は、「beyond zero」というシリーズ名で展開するバッテリー電気自動車(BEV)の第一弾であるbZ4Xのような車の展開に重点を置いています。トヨタの計画の第2段階は、トヨタがe-TNGAプラットフォームをベースとしたモデルを開発する今後数年間を対象としており、同社は一部のサプライヤーにこのことを伝え、この段階への調整は、来年初めにサプライヤーに概説される可能性が高い変更となるようです。

現在、寺師氏のグループは、ガソリン車のプラットフォームを改造して作られた3年前のe-TNGAアーキテクチャをやめて、EV専用プラットフォームを採用するかどうかを検討していると、その作業を知る人々が語っています。E-TNGAは、EVをガソリン車やハイブリッド車と一緒にトヨタの組立ラインで製造できるように設計されました。これは、トヨタのエンジニアが現在テスラの強さの秘訣として認識している工場現場のイノベーションを実現するのを阻害している要因です。

また、トヨタは2030年までに現在の世界販売台数の約3分の1にあたる年間約350万台のEVを販売する必要があるという前提でe-TNGAを設計したと関係者は述べているのですが、業界の見通しでは電気自動車市場はもっと速いペースで成長すると見られているのです。

トヨタは、デンソー(6902.T)とアイシン(7259.T)の2つの大手サプライヤーとEVの再起動に取り組んできました。アイシンとデンソーが共同開発した新しい熱管理システムと、アイシンからのより高度な電動パワートレイン(eAxle)の採用を早めることができないか検討してきています。トヨタはまた、デンソーが開発したシリコンカーバイトベースのインバーターを大型プレミアムEVの一部に導入し、充電を改善し、製造コストを下げることができないかという事も検討しているようです。この件について、デンソーとアイシンに対してコメントを求めても応じませんでした。

トヨタのEV戦略の見直しを主導した寺師氏は、トヨタがEVに完全に軸足を移そうとしていることの表れだと見る向きもあります。寺師氏は42年のキャリアを通じて、トヨタの自動車企画担当のトップとして、水素を含むゼロ・エミッション車の強力な提唱者でした。彼は、トヨタが世界最大の電気自動車メーカーである中国のBYD(002594.SZ)と協力する道を開いたチームの一員でもあったのです。その結果、BYDのバッテリーを搭載した中国限定のトヨタ電気セダン「bZ3」が間もなく販売されることになったということもあります。

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