テスラは車1台あたりいくら稼いでいるのか?

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主なポイント

  • イーロン・マスク氏は、人々が今後ガソリン車から完全に離れると考えているため、テスラがいつか時価総額でアップルを上回る大企業になる可能性があると考えている。
  • テスラは直近の四半期で33億ドルの純利益を上げ、214億5000万ドルの過去最高の売上を記録した。
  • 世界的な景気後退への懸念が日々高まる中、電気自動車の将来にはまだまだ不透明感が漂っている。

様々な理由で、イーロン・マスク氏とテスラのニュースが続いている状況です。テスラは2022年第3四半期の業績を発表し、またもや記録的な収益を上げたものの、アナリストの予想をわずかに下回り、株価は下落しました。同四半期の収益214億5000万ドルは、主に自動車販売で実現した186億9000万ドルに起因するものです。

テスラは、前年同期の16億2000万ドルの純利益の2倍以上となる32億9000万ドルの純利益を上げたとはいえ、最近は原材料費の高騰やドイツとテキサスでの生産レベルの引き上げに課題を抱えています。

今回はテスラの最近の決算報告を見て、財務の状況を確認します。

テスラの決算報告

テスラは2022年10月19日、第3四半期決算を発表し、売上高は214億5000万ドルで純利益は33億ドルという結果でした。テスラの収益の内訳は以下のとおりです。

  • 自動車販売売上高:177億8,500万ドル
  • 自動車用規制クレジットによる売上高:2億8600万ドル
  • 自動車リースによる売上高:6億2,100万ドル

第3四半期の自動車関連の総収入は、前年同期比55%増の186億9,000万ドルという結果でした。

そして自動車販売売上高に対する経費は以下のとおりです。

  • 自動車販売売上高の経費は130億9900万ドル
  • 自動車リースの経費は3億8,100万ドル

つまり、自動車部門の総費用は134億8,000万ドルという結果でした。

規制当局のクレジット(CO2排出量にかかる利益or費用)は、もはやテスラの利益を支えていないのです。このクレジットは、今期の自動車部門の総収入のわずか約1.5%でした。

テスラの今期の他の収益源はどのようなものだったのでしょうか?以下をご覧ください。

  • エネルギー生成・貯蔵:11億2000万ドル
  • サービス・その他:16.5億ドル。

この次のセクションでは、テスラのこれらの異なる収益ストリームを分解していきます。

テスラは何で稼いでいるのか?

テスラにはさまざまな収入源があり、ご存知のように同社は単なる自動車メーカーではありません。テスラがどのようにお金を稼いでいるのかを以下で紹介します。

自動車販売売上とリース料

テスラは、物流のボトルネックに対処しながらも、世界的な販売額を伸ばしています。テスラは第3四半期に34万3000台以上のEVを納入し、この納車台数は前年同期比で40%以上増加した記録的な数字となりました。自動車販売に関する粗利率は27.9%で、これはテスラの主要な収益源であり続けています。

規制クレジットの販売

これは自動車の項目に記載されているのですが、過去に同社の利益を支えてきた別の収益源です。世界的に二酸化炭素排出量を削減するため、各国政府は自動車メーカーが電気自動車を開発する際に、クレジットという形でインセンティブを設けています。

テスラは電気自動車しか製造していないので、このクレジットを無料で手に入れることができ、さらに、このクレジットを条件を満たさない他の自動車メーカーに販売することで売上高が100%利益という結果を得ることができるのです。

エネルギー生成・貯蔵

この部門は、当四半期に11億2,000万ドルの利益をもたらしました。この部門は、家庭用、商業用、公共施設用のバックアップバッテリーの販売に重点を置いており、太陽光発電の屋根への設置も行っています。テスラは、エネルギー貯蔵が前年同期比で62%増加したと報告しています。同社は、家庭用バッテリー「パワーウォール」と公共施設用バッテリー「メガパック」を提供しています。この分野には、エネルギーマネジメントへの拡大を続ける同社が、エネルギー生成と貯蔵のための販売額とリース料が含まれています。

サービスおよびその他

このセクターには、顧客がテスラ・スーパーチャージャー・ステーションで車を充電するために支払う料金、テスラ商品の販売額、保証対象外車両の修理費などが含まれます。同社は、当四半期末時点で728の店舗とサービス拠点、4,283のスーパーチャージャー・ステーションを有しています。

テスラは1台あたりいくら稼いでいるのか?

自動車販売額と納車台数の報告書から、同社の数字を調べてみました。同社は自動車1台あたりの正確な数字を明らかにしていないため、独自に計算を行った結果です。

テスラは、2022年第3四半期に343,830台を納車し、365,923台を生産しました。同四半期の自動車販売額は177億8500万ドルであったため、納車された車両の税引き前の平均販売価格はおよそ5万1726ドルということになります。

粗利率が27.9%、営業利益率は驚異の17.2%ですから、1台あたりの粗利額は14,431ドル、営業利益は8,897ドルということになります。

納車台数はテスラの販売額に最も近い数字なので、同社が1台当たりいくら稼いでいるかを調べるには、これが最善の方法です。また、この四半期は、納車台数よりも生産台数の方が多いため、他の要因も多く、あくまで概算であることも指摘しておきます。

次に来るもの

物議を醸しているイーロン・マスクCEOは、テスラがいつの日かアップル以上の価値を持つようになると大胆にも予言しています。この予測が実現するかどうかは時間が経ってみないと分かりませんが、現在アップルは時価総額で2兆ドル以上の価値があることは注目に値します。

多くの専門家は、この時価総額発言と、いまだに実現していないヒト型ロボット「オプティマス」などに関する発言で、マスク氏が最近過剰に約束しすぎていると感じています。しかし、テスラは今やエネルギー貯蔵、人工知能の革新、さらにはソーラーパネルで知られるようになり、自動車メーカーをはるかに超えた存在になっていることは否定できません。

ここでは、近い将来、テスラ株に関して考慮すべき最も重要な要素をいくつか紹介します。

不況の懸念

どの銘柄についても、景気後退の世界的な懸念を抜きには検討できません。FRBがここ数十年で最も積極的な利上げキャンペーンを続ける中、高騰するインフレとの戦いで不況に陥ることが心配されています。マスク氏はテスラが不況に強いと主張しているのですが、不況時の自動車購入に関して、個人消費がどのように変化するかは分かりません。不況時には消費者が節約に走る傾向があるため「不況に強い」と「不況に耐えられる」には大きな違いがあるのです。

世界中すべて電気自動車に

マスク氏は決算説明会で、世界が電気自動車に移行していると感じていると述べ、今後、人々がガソリン車を購入することはないだろうと予測しました。世界がグリーン化しようとしているのは確かなのですが、人々がEVだけを購入するようになることを示す決定的な根拠はありません。EVのコストや充電の問題など、大量導入の課題はまだまだたくさん残っています。

輸送業界のゲームチェンジャーになるテスラセミ

テスラは、2024年までに年間最大5万台の電気トラックを生産したいと表明しています。これは、これまでとは全く別の製品を提供することを意味し、同社の収益を増加させると考えられます。このテスラセミトラックは、テスラが何年も前から宣伝している完全自動運転車と並んで、予告されている主要製品の一つとなっています。

また、その経済性や耐久性などから輸送業界のゲームチェンジャーになる可能性を秘めています。

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Credit:Tesla

イーロン・マスク氏のツイッター論争

マスク氏のツイッター買収はテスラに直接影響を与えるわけではないですが、マスク氏が買収のためにどれだけのテスラ株を売却しなければならなかったか、また、他社を引き受けることになった場合どれだけ希薄化するか懸念されます。

テスラ株は中国での値下げを踏まえて下落した

10月31日の朝、同社が中国で車の価格を引き下げたというニュースが流れると、テスラの株価は下落し始めました。このニュースに市場がネガティブに反応したため、株価は一時7%も下落したのです。

中国市場は、同国が小売販売額に影響を与える厳しいコロナ政策を実施し続けているため、多くの課題に直面しています。また、同国が景気後退に傾くのではないかと危惧する声もあるのも事実です。

どのように投資すべきなのか?

テスラは今期、工場での車両生産台数が過去最高を記録したと自慢しているのですが、物流面での課題や材料費の高騰に対する懸念は依然として残っています。電気自動車が未来の乗り物であると多くの人が感じているとしても、テスラやこの分野の他の銘柄に投資することには多くのリスクが伴います。資金を投じるなら、自分が一体何に手を出しているのか、ということを知りたいのです。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。

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