GIGA上海製テスラモデル3、1年経過レポート:その弱点とバッテリー劣化は…?

model3-3 TESLA Blog
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2021年3月20日に納車されて、ちょうど1年が経過しました。これまでいくつかのトラブルや故障などありましたが、それらの障害を凌駕してこのクルマの素晴らしさを感じているのが実際のところです。

今回は、この1年経過した時点で感じた「弱点」や充電量の劣化度合いなどについてレポートしたいと思います。

やはり冬場に課題が

他のEVに乗ったことが無いので、車種やバッテリー種類ごとの相対的な比較はできませんが、このクルマが昨年の春先、2021年3月20に納車されて1年をめぐる中で季節による影響をガソリン車以上に非常に強く感じました。

やはりテスラで初めて採用されたコバルトフリーのLFP(リン酸鉄型リチウムイオン)バッテリーを搭載しているモデル3スタンダード・レンジ・プラス(現在は呼称が変わってモデル3 RWD)は、大阪という場所でさほど寒くない冬場にでも、その弱点が垣間見えたように思います。

具体的には、主に以下の2点です。

  • バッテリーの持ち航続距離が夏場に比べて明らかに劣っている
  • バッテリーが冷えていると充電に要する時間が長い

気温差

これは別にクルマに限ったことではないのですが、一般に空調のエネルギー負荷は夏場より冬場のほうが大きいと言われています。もちろん、地域や気候に影響されますが、一般的な本州の気候では外気温とエアコンディショニングされる設定温度との差(⊿T:デルタT)を考えれば理解しやすいです。

  • 夏場:外気温36℃→室温27℃ ⊿T=9℃
  • 冬場:外気温0℃→室温20℃ ⊿T=20℃

暖房と冷房の空調効率の違いも関係しますので、エネルギー負荷がすぐさまこの差にはなりませんが、概ね冬場のほうが空調のエネルギー負荷が大きくなります。

テスラモデル3はBEVですからすべてのエネルギーを電気でまかないます。特に空調のエネルギー負荷が非常に大きいので、この2021年型のモデル3から、エアコンにヒートポンプ方式を採用して少しでも空調のエネルギー負荷を下げようと努力しています。

直近ではこのヒートポンプが極寒状態でうまく機能せずリコールにも発展しています。

この空調に利用されるエネルギーが、明らかに夏場より冬場のほうが多く、結果として電力を消費し航続距離に影響するということになります。きっちりと定量的に示せませんが、夏場はEPA(米国環境保護庁)の航続距離(423km)をエアコン20℃設定で問題なくクリアできる感じである一方、冬場はエアコンをした場合、その7〜8割程度の航続距離まで落ちる感じです。

バッテリーの温度

これも電気自動車に乗って初めてわかったことですが、バッテリーの温度そのものが航続距離に影響します。具体的には、冬場にモデル3に乗ると必ず「回生ブレーキが制限されています」という警告が出ます。

これは、運転に対してはいわゆる「ワンペダル運転」があまり機能しない、アクセルを離した際のブレーキの効きが弱くなりますので、運転の操作感が違ってきます。

もう一つの航続距離に対する影響は、「回生ブレーキが制限される」ということはすなわちモーターを逆回転させて充電させる能力が制限されている、ということです。冬場で気温が低く、バッテリーの温度が低い場合にはこの回生ブレーキのエネルギーを蓄電方向に貯められないということが、航続距離に結構影響しているように感じます。

充電速度

テスラには最大250kW(モデル3スタンダードレンジ・プラスは最大170kW)という非常に早く専用で充電が可能なスーパーチャージャーが(日本国内はまだまだ少ないですが)設置されています。ナビで行き先をこのスーパーチャージャーに設定すると「急速充電のためのプレコンディショニング」という状態になります。

この「急速充電のためのプレコンディショニング」とは、要するにバッテリーの温度を効率よく急速充電できるように温める機能です。つまり、リチウムイオンバッテリーには充電に適した温度があるということです。

つまり、冬場に外部に駐車しているとバッテリーの温度がかなり低い状態になり、これが、充電に要する時間を長くしてしまう原因になってしまうのです。特に外部でCHAdeMO充電をする場合には、最初にバッテリーが充電に適した温度になるまで、充電せずにバッテリーを温める挙動をします。この時間が結構長く、この点でも冬場の弱点を実感する部分です。

要するに、冬場のほうが夏場より航続距離が短く、さらに充電時間も長くかかってしまうのです。

バッテリーの劣化

ちょうど1年前の2021年3月20日にテスラモデル3が納車されました。

この納車から1年経って、中国CATL製リン酸鉄型(LFP)リチウムイオンバッテリーの劣化度合いは、どの程度か推定してみたいと思います。

テスラは公式には公表していませんが、テスラモデル3スタンダードレンジ・プラスのバッテリー容量は54kWhと言われています。

この画像は、テスラモデル3にOBD(On Board Diagnostics:車載式故障診断装置)をつけて、内部情報を確認したものです。

この情報によると、新車時のバッテリー容量(Full pack when new)が55.1kWhで、現在のバッテリー容量が53.4kWh(Nominal full pack)と表示されています。

新車時のバテリー容量が、カタログ値より大きくなっていますが、海外のフォーラムによるとこの新車時のバッテリー容量の数字はあまり当てにならないものとのことです。

もう一つ、残っている充電容量(Nominal remaining)の値が、バッテリー容量より0.1kWh多く53.5kWhになっていることからも、バッテリーの劣化度を計量するのは非常に難しいのだと思います。

ただ、この値が仮に正しい値だとすると、

53.4kWh(1年後)/55.1kWh(新車時) = 96.9%

つまり約3.1%の劣化ということになります。

一方で、カタログ値からの劣化度合いは、

53.4kWh(1年後)/54.0kWh(公称) = 98.9

つまり約1.1%の劣化という結果です。この時点での2%の劣化度の違いは大きな差と言えるでしょう。

では実際の充電量(航続距離)の比較ではどうでしょう。

2021年3月21日の充電完了画面
424kmと表示されています
2022年3月20日の充電完了画面
419kmと表示されています

上記のスクリーンショットはそれぞれ、納車翌日の2021年3月21日と、1年後の2022年3月20日に満充電した際の画像です。航続距離は、納車翌日では424km、1年後では419kmとなっています。

419km(1年後)/424km(新車時) = 98.8%

となり、約1.2%の劣化という結果で、カタログ値のほうに近い劣化度合いになっています。このことから考えても、私のモデル3スタンダードレンジ・プラスのLFPバッテリーはおそらく年間で1%強程度バッテリーの劣化が進んだと考えるのが妥当な気がします。

現実的には、現在もこれまでも満充電したときの航続距離がある程度の幅で変動し、上にも書いたバッテリーの温度と関係しているように思われます。

最後までお読みいただきありがとうございます。今回は、バッテリー周りのレポートでしたが、また維持費や電費などのレポートも近々にアップさせていただきますので、またご参考にしていただけたらと思います。

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