テスラ、早くも北米でLFP型モデル3の納車受付開始!

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つい先日、北米でのモデル3へのLFP(リン酸鉄型)リチウムイオンバッテリー搭載の計画が噂されたところですが、なんとこの9月に在庫車の形で納車が始まるようです。今回はその詳細をお伝えします。

北米でLFPバッテリーのモデル3SR+を導入

テスラは、モデル3のスタンダードレンジ+の納車遅れに対処するため、一部のオーナーに、アジアやヨーロッパで販売されているLFP(リン酸鉄型リチウムイオン)バッテリーパックへの切り替えオプションを提供しはじめました。

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テスラはここ数カ月、同社製自動車に対する高い需要に対処してきました。オンラインで購入できる最も手頃な価格のSR+モデル3の納期を2022年1月に延期せざるを得なくなったテスラは、ヨーロッパや中国版のモデル3に標準装備されているLFP型バッテリーパックを提供することで、モデル3をなるべく早くオーナーに届けようとしています。

テスラは、モデル3 SR+の予約者に以下のメッセージをメールで送りました(Twitterの@LimitingTheの情報からの引用)

現在、年末近くにお届け予定の「モデル3 スタンダード・レンジ・プラス」について、ご連絡いたします。より早くお届けする機会をご提供したいと思います。限られた供給台数とお客様からの強いご要望により、欧州とアジアですでに発売している「モデル3 スタンダード・レンジ・プラス」のバッテリーパックを北米に導入します。このバッテリーの航続距離は253マイル(推定)です。
9月中に納車を希望される方は、当社の在庫ページで「モデル3 スタンダード・レンジ・プラス」の車両を検索してください。ご注文の際には、当初のご注文料金を納車時の車両購入代金に充当することができます。
今後も在庫の追加を随時行ってまいります。定期的にチェックして、最新のセレクションをご確認ください。今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
テスラチーム

2021年8月中旬、テスラの「モデル3 SR+」バリエーション(インセンティブ前の価格は39,990ドルから)が、北米で2021年納車分まで完売しました。テスラは、他の自動車メーカーと同様に、半導体の供給不足による生産・納入の遅れに悩まされているため、納車時期が2022年1月になったのはそのためではないかと考えられていました。しかし、現在では、テスラを長年悩ませてきた「バッテリーセルに関連する問題」であると考えられます。

多くの自動車メーカーが電動パワートレインの生産に移行しているため、バッテリーが不足しています。バッテリーセルの大量需要により、テスラはセミをはじめとするいくつかの製品の生産開始を遅らせる結果となっています。

テスラは、モデル3の2170型セルにニッケル・コバルト・アルミニウム電池(NCA型)を採用しています。アジアやヨーロッパでは、テスラはLFP型セルを使用していますが、外気温に敏感なため制限が多く、航続距離も短くなっています。テスラがバッテリーにコバルトを使用しない方向に舵を切ったことから、2020年初頭に中国で生産するモデル3からLFP型セルを導入しています。

テスラのLFP型バッテリー戦略

現時点では、テスラモデル3 SR+の北米での配送予定日は早くても来年1月となっています。しかし、テスラのこのモデル3のベースモデルの予約者が、ギガファクトリー上海で生産されたものと同様のバッテリーパックを搭載したモデル3 SR+の納車を選択した場合、早ければ9月には車両を受け取ることができます。

テスラのカリフォルニア州フリーモント工場で生産されたモデル3と中国GIGA上海製のモデル3の違いは、そのバッテリーパックです。フリーモント工場のモデル3 SR+はテスラのニッケル系電池セルを搭載しており、テスラ中国のモデル3はLFP(リン酸鉄型)を採用しています。

両バッテリーパックの航続距離は若干異なりますので、予約者はテスラのオファーを受ける前に検討したほうがよいでしょう。米国製ニッケル系バッテリータイプのモデル3 SR+の1回の充電による航続距離はEPA推定値で263マイル(約423km)、LFP型バッテリーを搭載した上海製モデル3の1回の充電による航続距離は推定値で253マイル(約407km)となっています。

イーロン・マスクCEOは、テスラがLFP型バッテリーを搭載したモデル3SR+の提供を開始することを決定したことについて以下のように説明しました。

「このLFP型パック導入の意図は、結果としての製品性能がニッケルと鉄でほぼ同等であることです。ニッケルが90%までの充電を好むのに対し、鉄は100%までの充電を好むので、わずかにLFP型の方が航続距離が長くなります」

マスク氏が言及したように、ニッケル系とリン酸鉄系パック間の充電性能の違いは、モデル3のニッケルベースのバッテリーパックとリン酸鉄ベースのセルを使用したバッテリーパックの航続距離予測の違いを補うものかもしれません。

両バッテリーパックの航続距離には10マイルの差がありますが、LFPセルは100%までの充電が最適であることから、オーナーは頻繁に車両の最大航続距離を維持することができる一方で、ニッケル系電池を搭載した車両の最適充電率は約80%と言われています。

前回の決算説明会でも、マスク氏は、ニッケルベースのリチウムイオン電池よりも鉄ベースのリチウムイオン電池を選択する傾向を示唆していました。

「私は、おそらく長期的には、ニッケルよりも鉄系のリチウムイオン電池にシフトしていくと思います」
「おそらく、鉄が3分の2、ニッケルが3分の1、その程度の割合に今後シフトしていくのではないかと思います。世界には鉄が豊富にあるので、これは良いことです。鉄の量は非常に多いのです。しかし、ニッケルは非常に少なく、コバルトも非常に少ないのです」

多くの自動車メーカーが電気自動車の生産に移行するにつれ、電気自動車の動力源となるバッテリーセルを作るための原材料の需要が急速に高まっています。そのため、電気自動車メーカーは、原材料のサプライチェーンを事前に確保したいと考えています。テスラは、ニッケル系電池からコバルト使用量ゼロの鉄系電池に移行することで、将来的に供給問題を回避できる可能性があると考えられます。

この記事はこのサイトこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。

在庫車が9月納車できるということは、上海工場から欧州だけでなく北米にも輸出されていた?のですかね。

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