LiDARは「馬鹿のやること」なのに、なぜテスラはLiDARメーカーの最大の顧客なのでしょう?

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Credit: Kenny Thach
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イーロン・マスクCEOはかつてLiDAR(Light Detection And Ranging(光による検知と測距)の略で、レーザー光を照射して対象物までの距離や方向を測定するリモートセンシング技術)を「松葉杖」「馬鹿のやること」と呼んでいました。今では2024年に210万ドルをこのセンサーに費やしています。

2,100個分程度の注文

テスラは、LiDARを「松葉杖」「馬鹿のやること」と呼んでいたCEOが率いる会社ですが、2024年にLiDARセンサーに少なくとも200万ドル(今四半期だけでLiDARメーカーの売上の約10%相当)を費やしました。

The Vergeが報じたように、この数字はライダーメーカーのルミナー社からの直接の情報です。ルミナー社は2024年第1四半期業績報告で、テスラが今年これまでの最大の顧客であったことを明らかにしました。

ルミナー社によると、テスラは同社の2100万ドルの四半期売上の約10%、またはセンサーの注文で約210万ドルを占めているとのことです。同社のセンサーは1つ1,000ドルもする高価なものです。簡単な計算方法を用いると、テスラのセンサー注文は2,100個分程度になります。

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LiDARに頼る者は破滅

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テスラは以前にも自動車にLiDARを使ったことがあります。2021年、テスラモデルYに4つのルミナー社製Hydraが搭載され、走行する姿が目撃されました。これは、テスラとルミナー社の提携がブルームバーグの報道で明らかになったタイミングでした。テスラがLiDARユニットをLiDARのないクルマに取り付けて何ができるのかという憶測を呼びました。

テスラはこれまで、このテクノロジーについてあまり良いことは言ってきませんでした。

「今日皆さんに説明することは、LiDARは馬鹿のやることだということです。LiDARに頼る者は破滅します。破滅です。不必要な高価なセンサーなのです」

後に明らかになったのは、同社が検証マッピングを行っていた可能性があることで、これはテスラのビジョンベースのシステムによって生成されたデータとLiDARセンサーのデータを比較することを意味します。しかし、2,100個のセンサーは、検証マッピングの利用には無理があるように思えます。車1台につき4つのセンサーとすると、約525台の車両にこれらのセンサーが取り付けられていることになります。

好奇心をさらに刺激することに、マスク氏はXのファンアカウントWhole Mars Catalogに、テスラは以前はマッピングの検証にLiDARを使う必要はなかったと答えています。

では、テスラはこのLiDARセンサーで一体何をしているのでしょうか?このセンサーはテスラの次期サイバーキャブに使われるのではないかという憶測もあります。最近の報道によると、テスラは中国でのロボタクシー車両立ち上げを検討しているようです。新しい市場でのLiDARは論理的な選択のように思えます。また、このセンサーはテスラのヒト型ロボット、オプティマスに使用される可能性があるという見方もあります。

あるいは、製造や品質コントロールのような、まったく別のものに使うのかもしれません。そしてルミナー社に意見を求めると、彼らも他の人たちと同じように暗中模索しているようです。ルミナー社のCEOであるトム・フェニモア氏は、同社の決算説明会で以下のように語っています。

「彼らがLiDARを発注したのは今回が初めてではありません。でも、定期的というよりは、ずっと不定期ですね。彼らが一体何をしようとしているのか、それは推測するしかありません」
この記事はこのサイトを引用・翻訳・抜粋・編集して作成しています。

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