新しく発売された中国のスマホメーカーが作る電気自動車シャオミSU7が、予約開始後27分で5万台もの注文を獲得しました。
印象的で手頃な価格の「野獣」
シャオミSU7が3月30日正式に発表され、テスラやその他のEVメーカーに注目を集めました。アップルやサムスンのライバルである中国のスマートフォン大手シャオミによって作られたSU7は、テスラモデル3を価格で下回り、27分でなんと5万台の予約注文を集めました。そのうち1万台は、注文フォームが開いてから最初の4分間に集まったものとのことです。
間違いなく、これは競争の激しい中国のEV市場の中でも、印象的で手頃な価格の「野獣」です。そして、アップル・カー・プロジェクトでは決して実現できなかったアイデアを、大手スマートフォン・テクノロジー企業が実現した例でもあります。
SU7は、シャオミが自社開発した電気モーターとBYDまたはCATLのバッテリーを搭載しています。ベースモデル以外はすべて800Vのアーキテクチャーを持ち、最も興味深いのは、SU7がシャオミの既存の携帯電話、タブレット、コネクティッドデバイスのラインにシームレスに統合されることです。
3つのグレードで展開
SU7には、スタンダード、プロ、マックスの3つのラインナップがあります。スタンダードは最も安いモデルで、価格は215,900人民元(約452万円)です。シングルモーターのRWD車で、リアモーターは295馬力を発生し、BYD製の73.6 kWh LFPバッテリーを搭載しています。
ミッドグレードのSU7プロは、リアモーターはそのままに、電気系統を400Vから800Vにアップグレードし、バッテリーをCATL製の94.3 kWhユニットに交換したモデルです。SU7プロは航続距離の長いラインナップで、シャオミは航続距離を830キロメートルとしています。SU7プロは若干高価で、245,000人民元(約513万円)の価格です。
実際の最大充電速度はどちらも明記されていませんが、シャオミによると、スタンダードとプロのモデルは、わずか15分で約316キロメートルの航続距離を追加できるそうです。
トップグレードのSU7マックスは、より大きな101 kWhバッテリーですが、航続距離は810キロメートルと少し短くなります。しかし、パワーは大幅に向上し、SU7マックスは2つ目のモーターを搭載し、AWDと663馬力を実現します。また、時速100kmまで最短2.78秒、最高時速は約265km/hという高性能を誇ります。更にシャオミのADAS機能「シャオミ・パイロット・マックス」も搭載し、これが299,900人民元(約628万円)という驚くほど手頃な価格で提供されます。
テスラモデル3より安価で、性能向上
ベースとなるSU7 スタンダードは、中国では同サイズのモデル3を約4,000ドル(約60万円)下回ります。同市場では、ベースのモデル3RWDが245,000人民元、ミッドグレードのSU7プロは、中国ではスタンダードレンジのモデル3RWDと同じ価格です。
SU7 プロとスタンダードは、モデル3と比較して1回の充電でより遠くまで走ることができるのです。
もちろん、そのスペックも素晴らしいのですが、シャオミの他の家電製品ラインとの相互連携により、他のEVメーカーよりも優位に立っています。シャオミはSU7と色を合わせられるスマホの新モデルまで発表しています。
そう考えれば、シャオミがSU7の5万台の受注を達成した理由も、その経緯も容易に理解できます。27分以内にシャオミは、7日後に払い戻し不可となる予約のために5000人民元を支払う購入者を5万台分も獲得したのです。
テスラ、そして中国の他のすべてのEVメーカーが困っています。テスラの第1四半期の納期と業績報告は相当厳しいものになると予想されていますが、それは中国での市場シェアが低下していることが大きな原因です。
シャオミが中国市場でどれほどのスターパワーを持っているのか、また技術的な専門知識を理解しているのか、世界は理解していないと思います。現時点の状況では、テスラモデル3や多くの競合他社を、より安価な価格で打ち負かすように見えます。
数ヶ月前、シャオミのCEOであるレイ・ジュン氏は、シャオミを15年から20年以内に世界のトップ自動車メーカーにしたいと語っていました。シャオミがこのままいけば、誰もが悔しがる中、ジュン氏は彼の望みを叶えるかもしれません。
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