最近のテストでは、リヴィアンR1Tピックアップが鋼鉄製のガードレールをまるでそこ何もないかのように難なく切り裂きました。
技術的激変の副作用
電気自動車の台頭は、全体的には地球とそこに住む人々にとって非常に良いことです。しかし、このような技術的激変は、あまり好ましくない副作用をもたらすに違いありません。新型EVの巨大な重量により、交通安全の専門家たちは、アメリカの高速道路のガードレールが時代に対応するために大規模なオーバーホールが必要かどうかを調べています。
ネブラスカ大学リンカーン校の中西部路側安全施設(Midwest Roadside Safety Facility)が行った初期テストによると、ガードレールは新型の重量級電気ピックアップトラックにはかなわないとのことです。10月に行われたテストでは、時速60マイル(約100km/h)で走行する約7,000ポンド(約3.2t)のリヴィアンR1Tが、最新のスチール製バリアーをまっすぐに突き破り、ほとんど減速することなく、コンクリート製バックストップに激突し、その上に乗り上げました。
ガードレールは、車両が溝に落ちたり、対向車線に飛び出したりしないようにするためのものです。EVはガソリン車よりも重いため、この重要なインフラに新たな負担をかけることになります。
SUVやピックアップの増加も
同施設のコディ・ストール副所長はAP通信の取材に対し、テストしたバリアは重量5,000ポンド以上の車両をハンドリングするようには設計されていないと以下のようにコメントしています。
「今のところ、電気自動車とガードレールの適合性はあまりよくありません。」
米国の道路を走る車両の大型化は、まったく新しい問題ではないことを述べておきます。セダンやハッチバックが人気を失う中、かさ高いSUVやピックアップトラックの販売台数は数十年にわたって増加傾向です。AP通信によると、このシフトが1990年代に老朽化したガードレールを再設計するよう施設を後押ししたとのことです。それでも、今日の内燃式大型トラックの重量は5,000ポンドをはるかに超えており、新しいガードレールが対応できる重量を超えています。
重量の原因はバッテリー
そして今、すでに拡大化しているアメリカの自動車の電動化が、消費者向け自動車の重量を新たな高みへと押し上げようとしています。その原因は、重いリチウムイオンバッテリーパックです。電気ピックアップトラックは、十分な航続距離を確保するために普通車よりもさらに大きなバッテリーを必要とするため、特に重いのです。
フォードF-150ライトニングの重量計は最大6893ポンド(3.1t)で、テスラのサイバートラックと同じレベルです。これは、燃焼エンジンを搭載したF-150よりもおよそ1トンも重くなっています。GMCのハマーEVピックアップの重量は、なんと9,063ポンド(約4.1t)になっています。バッテリーパックだけで3,000ポンド(約1.4t)近くあり、これはホンダのシビックと同じくらいの重量ということになります。
質量が重くなれば、ガードレールであれ何であれ、より高いエネルギーで衝突することになり、安全関係者たちはこれに警鐘を鳴らしています。大型のSUVやトラックは、すでに歩行者や小型車のドライバーに大きな危険をもたらしています。これらの車種を電動化すれば、その危険性はさらに高まります。
昨年、国家運輸安全委員会のジェニファー・ホーメンディ委員長は以下のように指摘しています。
「私は、電気自動車を含め、道路を走る自動車の車体重量が重くなり、サイズ、パワー、性能が向上することによって、すべての道路利用者にとって重傷や死亡のリスクが高まることを懸念しています。」
安全性の問題だけではありません。EVはガソリン車よりもタイヤの摩耗が早く、大気や水、土壌に有害な汚染物質を送り込む傾向があります。
ガードレールに関しては、中西部道路安全施設は、アメリカの道路インフラに何が必要かを決定する前に、より多くのテストを実施する予定です。
「この問題への対処は急務です。EVの道路上の割合が増加すると、EVが関与する道路逸脱事故の割合も増加すると考えられます。」
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