フォルクスワーゲン「私達にはもはや競争力なし」 テスラに追いつくため人員削減が激化

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Credit:VW
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フォルクスワーゲンは、世界の自動車市場がEVにシフトする中、苦戦を強いられています。VWのCEOであるトーマス・シェーファー氏は、今週月曜日に追加人員削減を発表した後、以下のように警告しました。

「もはや我々に競争力はない。」

VW、人員削減を計画

欧州最大の自動車メーカーであるVWは、テスラのようなEVリーダーに追いつくために、コスト削減と利益率の向上を目指しています。そうした状況下で、シェーファーCEOは月曜日のスタッフミーティングで社員を前にして発言し、ロイター通信が確認したVWのイントラネット上の投稿によると、このときシェーファー氏は、高いコストと低い生産性が競争力のない自社の自動車につながっていると警告したとのことです。

「多くの既存の構造、プロセス、高コストにより、フォルクスワーゲンブランドとしての競争力はもはやない状況です。」

こうした事態を好転させるため、同ブランドは6月、2026年までに100億ユーロ(109億ドル)の削減を目指す新たなコスト削減プログラムを導入しました。

フォルクスワーゲン・グループのオリバー・ブルーメCEOは、今後3年間でVWブランドの利益率を6.5%まで引き上げることを目標としています。ちなみに現在の利益率は約3.6%です。

人事委員会のメンバーであるグンナー・キリアン氏は、VWは「人口動態曲線」を利用し、早期退職や部分退職を含む人員削減を行うと以下のように発言しました。

「社内で重複しているもの、あるいは良い結果を出すために必要でない単なるバラスト(おもり)となっているものを、最終的には海に投げ捨てる勇気と誠実さが必要です。」

一方、削減のほとんどは人員削減以外の方法で行われる予定で、キリアン氏によると、VWは年内にさらなる詳細を発表する予定とのことです。

CEOが最後の警鐘

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次期EV ID2all
Credit:VW

シェーファーCEOはこの夏、「最後の警鐘」を鳴らし、コスト抑制のために短期的な支出凍結を呼びかけました。シェーファーCEOは「私たちは長年にわたってコストを高騰させすぎている 」といっています。

今回の人員削減は、自動車業界がEVにシフトする中、自動車メーカーが苦戦を強いられていることを示すもので、欧州ではVWブランドのEV受注が減少しており、同社はすでにドイツの複数の工場で減産を実施せざるをえない状況です。

今月初め、VWは電気モーターの不足を理由に、ツヴィッカウ工場でシフトを削減し、生産を一時停止しています。

ドイツでのEV補助金終了に加え、インフレ率と金利の上昇もVWを厳しい状況に追い込んでいます。また、EV市場のリーダーであるテスラやBYDからのプレッシャーも増しており、最大の市場でシェアを奪われています。

VWはEVの需要が減少していると主張しているにもかかわらず、テスラのモデルYは今年欧州で最も売れた車になりそうな勢いなのは、皮肉な状況といえるでしょう。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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