ハイブリッドはEV?経営陣交代後もグリーンウォッシュを続けるトヨタ

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トヨタは、EVへの移行に反対する豊田章男氏から、よりEVに優しいアプローチを約束した元レクサス社長の佐藤幸治氏へと、今年初めにCEOが交代したにもかかわらず、いまだにグリーンウォッシュ( 本当は環境に配慮していないにもかかわらず、しているように見せかけて商品やサービスを提供すること)を続け、電気自動車に反対しているようです。

日本経済全体を脅かす可能性

トヨタには、ロビー活動やマーケティングにおける「偽」情報を通じて、電気自動車に反対してきた長い歴史があります。同社は一貫して、電動化に関して最も妨害的な世界的自動車メーカーであり、EVへの取り組みを拡大するのが最も遅いメーカーのひとつとなっています。

このような反対のほとんどは、前CEOの豊田章男氏の下で起こりました。しかし今年初め、トヨタはこうした取り組みが非生産的であることをようやく認識したようで、電気自動車のムーブメントに適応できなかった豊田氏の具体的な失敗を理由に、豊田氏を佐藤幸治新CEOに交代させました。

これはトヨタに希望を与えるものでした。トヨタのこれまでの路線は、トヨタ自身だけでなく、日本経済全体を脅かす可能性がありました。その路線は、EVの販売台数不足により、世界最大の自動車市場からトヨタが搾り取られることをすでに目の当たりにしています。

「ハイブリッド」から「HEV」に

佐藤氏が経営陣に就任したとき、多くの組織がトヨタに路線変更を求め、そして、いくつかの動きがありました。佐藤氏はEVの生産台数を増やすために何らかの動きを見せているようですが、同社は今月初め、すでに悲観的だったEVの当面の販売台数見通しを40%も下方修正しました。

先月、トヨタは計画していたアメリカのバッテリー工場に80億ドルという巨額の投資を行うことを公表しましたが、佐藤氏の就任から1年以上が経過した現在でも、トヨタは相変わらず昔ながらのマーケティング手法を駆使し、ガソリンを大量に消費する自動車がグリーン技術のリーダーであるかのように大衆を惑わそうとしています。

トヨタはマーケティング・キャンペーンや資料を通じて、従来のハイブリッド車(100%ガソリンで走行し、他の非化石・非汚染源からエネルギーを得ることはない)と、非化石源で走行可能な電気自動車を混同させているのです。また、非現実的な遠い将来の解決策に焦点を当てており、それらはタイムラインを遅らせるためだけに存在しているようです。

パブリック・シチズン(米国の消費者非営利団体。環境保全、消費者の権利保護などに取り組む)は最近のLAオートショーでトヨタに電動化を働きかけました。パブリック・シチズンのクリーン・ビークル・キャンペーン担当イースト・ピーターソン=トルヒーヨに、トヨタと佐藤CEOがこの1年で何をしようとしてきたかについて話を聞きました。

例えば、トヨタはバッジを従来の「ハイブリッド」から「HEV」に変更しました。

はっきり言って、ハイブリッドはEVではありません。ハイブリッド車をこのように呼ぶのは業界用語/科学用語ですが(燃料電池車のFCEV、プラグイン・ハイブリッド車のPHEV、バッテリー電気自動車のBEVとともに)、一般大衆がハイブリッド車をそう呼ぶわけではなく、トヨタはそれを知っていて、EVを作れないことをごまかすために変更したのです。一般大衆は「EV」を電気自動車、特にバッテリー電気自動車のことだと考えており、トヨタの「電動化」車の販売台数の大半を占める従来型のハイブリッド車は、まったく電気自動車ではないのです。

ハイブリッド車へと「会話をシフト」

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Credit:TOYOTA

そして、もうひとつの問題があります。トヨタが「電動化」という言葉を多用しているのも、消費者を混乱させるための誤解を招く件です。この言葉は他の自動車メーカーでも使われていますが、トヨタはこの言葉を中心にマーケティング・キャンペーンを展開しています。

このマーケティング・キャンペーンは「Electrified diversified(多様な電動化)」と呼ばれ、トヨタが化石燃料のみを動力源とする自動車(ハイブリッドカー)を、カーボンニュートラルに向けた自動車メーカーの戦略の重要な一部であるかのように押し出そうとしているものです。

しかし、繰り返しになりますが、(プラグインでない)プリウスのようなハイブリッド車は、すべてガソリンで走ります。化石燃料以外のエネルギーが車のシステムに入ることはないのです。カーボンニュートラルなエネルギーでプリウスを動かすことはできず、すなわちプリウスはゼロエミッションではありません。

トヨタはまた、「Beyond Zero」という別のキャンペーンを展開しており、EVを擁護することから、代わりにガソリンを大量に消費するハイブリッド車へと「会話をシフト」させたいと明言しています。

「Beyond Zero」キャンペーンは、電動化についての会話を、バッテリー電気自動車(BEV)に焦点を当てた自動車業界の狭い範囲から、トヨタのより野心的で、より現実的とも言える、内燃エンジンからの脱却に向けたポートフォリオ・アプローチを包含する、より広い視点へとシフトさせることを目的としています。これにはハイブリッドEV、プラグインハイブリッドEV、燃料電池EV、バッテリーEVが含まれます。

-トヨタのマーケティングに対して
ハイブリッド車という、より汚染度の高いソリューションに移行することが、なぜ「ゼロを超える」(Beyond Zero)ことになるのか、私たちにはよくわかりません。

「航続距離無制限」のEV

最悪なのは、このトヨタの嘘が広まっていることなのです。最近のラムは、プラグイン・ハイブリッドを「航続距離無制限」のEVと表現し、トヨタの「自己充電ハイブリッド」の件とおなじようなものです。また、LAオートショーでは、起亜自動車が新型ハイブリッド車のソレントに「HEV」のバッジを付けていることに気づきました。

ありがたいことに、トヨタは株主から、気候変動や自動車業界の変化に直面して事業を改善するよう圧力を受けていますが、今のところこの圧力に屈することなく、従来の路線を継続しています。不買運動にも直面しており、トヨタ車はEV購入時に最も下取りされやすいブランドともなっています。

2022年に豊田氏は95%以上の得票率でCEOに認められたものの、2023年に取締役会議長に再選された際の得票率は85%に低下しました。どちらも高い数字ですが、これは1年間で支持率が大きく変化したことを意味し、あらゆるケースで取締役会の推薦に反対票を投じる株主は極めて稀です。

私たちは、トヨタがマーケティングを通じて反環境政策を推し進めるのを止めるのを見たいと思いますし、新CEOにはまだそのチャンスがあると思っています。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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