テスラがEV急速充電の覇権を握るのか?もはや北米では大手2社を除いてほぼ採用の状況

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テスラが2023年初頭にアプテラ社と初めて契約を結び、同社に北米充電規格(NACS)を提供した当時、そのようにするのはアプテラ社だけだと思われました。この提携により、アプテラ社は、同社の車両が最終的に道路を走行する際にテスラのスーパーチャージャーを使用できるようになり、このような小規模な新興企業にとっては大きな利点となりました。

NACS採用への雪崩現象

しかしその数カ月後、テスラのイーロン・マスクCEOとフォードのジム・ファーリーCEOは、「ツイッター・スペース」と呼ばれる公開電話会議の場で、フォードも2024年にNACSコネクターを採用し、フォードのEV購入者が北米全域でテスラのスーパーチャージャーを利用できるようにする、と発表しました。そしてそれに続いて次にGMもテスラNACSへの参加を表明し、以降順にリヴィアン、ボルボ/ポールスター、メルセデス・ベンツ、日産、フィスカー、ホンダ、アキュラ、ジャガー、ヒョンデ/起亜、BMW、トヨタ/レクサスが追随するという状況となりました。

これらの企業がEVへの取り組みに熟練しているかどうかは別として、共通しているのは、ドライバーのための自社充電ネットワークがないということです。長年にわたり、これらの企業は米国においてチャージポイント、ボルタ、エレクトリファイ・アメリカなどの企業が運営するサードパーティ・コネクターを選択してきました。

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とうとうトヨタもテスラNACS連合へ
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VWとステランティス

テスラは、米国で唯一、自社充電器の広大なネットワークを運営する自動車会社であり、よく整備され、機能面で天候に左右されることがほとんどない安定した急速充電ネットワークを持つことで定評があります。他のメーカーもテスラの充電インフラにおける実力を理解していますが、一方で2つの大企業がまだNACSを採用していません。

それはフォルクスワーゲンとステランティスです。

フォルクスワーゲンはかつてテスラの強力な味方でしたが、それは以前の経営陣の時代までさかのぼります。ヘルベルト・ディース元CEOは何年にもわたってVWの指揮を執り、VWをEV分野で存在感のある会社にしようと懸命に働きました。彼のアプローチはVWグループの多くの人々の抵抗にあい、最終的にディースは他のことを追求するためにVWを去ることになりました。

ステランティスは、傘下にジープ、ダッジ、クライスラー、マセラティ、アルファロメオなど複数のブランドを展開しています。また、理由は不明なのですがテスラのNACSポートを採用しないことを選択しているようです。とはいえ、トヨタも同じような状況であったにもかかわらず、先日北米でのNACS採用を発表しています。

このような広範な充電ネットワークを自社の自動車に利用したくないと考える自動車会社はまずないでしょう。実はEV専業を貫くテスラの最大の強みは何といっても充電ネットワークだと考えられます。このアドバンテージを逆に利用することで、競合他社はテスラに追いつきやすくなり、消費者はどの車に乗っても便利な急速充電ネットワークにアクセスできるため、他のEVを購入しやすくなるかもしれません。

テスラとそのCEOイーロン・マスク氏についてどう思うにせよ、同社の使命は常に持続可能なエネルギーへの移行を加速させることであり、今回の動きは、企業としてのテスラ自身よりも持続可能性の成功を支援することに重点を置いていると多くの人に思わせるものです。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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