テスラは航続可能距離を誤魔化している!EV航続距離の「誇張」関連訴訟、その概要

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Credit:Tesla
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先週ロイター通信が報じた、テスラが航続距離の評価を「誇張」しているという件を受けて、また新たに3人のテスラオーナーが2023年8月2日に起こした集団訴訟でテスラを訴えました。今回はその訴状を詳しく調査し、その内容と3人の原告が何が理由にしてテスラを訴えているのかをご説明します。

問題の現象

テスラは、ジェームズ・ポーター、ブライアン・ペレス、ドロ・エスレイリ・エステパニアンの名によって新たに訴えられています。彼らはテスラに対する訴状で、以下のようにその理由を説明しています。

「テスラが電気自動車を消費者に販売する際に著しく過大評価した航続距離の虚偽広告に起因する」

今回の訴状によると、ポーターはモデルYパフォーマンスを所有しており、自分の車の航続距離が、テスラが告げたものと食い違っていることに気づきました。

「2022年6月にテスラ車を納車した後、原告ポーターはバッテリーを100%までフル充電し、約92マイル離れた家族を訪ねるために2時間のドライブに出かけました。目的地に着いた原告ポーターは、車両の充電残量が約40%であることに気づきました。」

ペレスはモデル3ロングレンジを所有しており、訴状によると、彼も同じ問題を抱えていました。

「テスラ車を受け取った後、原告ペレスはバッテリーを100%までフル充電し、両親を訪ねるために約90マイルの旅に出ました。往復約180マイルの運転から帰宅後、彼は自分の車の充電残量がおよそ10~15%であることに気づきました。」

エステパニアンもモデル3ロングレンジを所有しており、訴状には同様の状況が記されています:

「原告のエステパニアンは、毎日の通勤で往復140~150マイルを移動しており、テスラの推奨に従って日常的にバッテリーを90%まで充電しています(これは約299マイルに相当します)。90%のバッテリー充電(および299マイルの航続可能距離)に基づき、彼は通常、毎日往復約150マイルの距離を往復し、テスラ車のスクリーンに約100マイルから110マイルの航続可能距離が残っていると表示されます。したがって、原告の電気自動車は、毎日往復約140~150マイルしか走行していないにもかかわらず、毎日の通勤中に常に約189マイルの航続距離を失っていることになります。」
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原告の主張

原告は、航続距離は電気自動車の重要な情報であり、「消費者が電気自動車を購入する際に一般的に考慮する最も重要な情報のひとつである。」と主張しています。訴状には、テスラのウェブサイトの画像が掲載されており、航続距離や最高速度、加速度などの「主な特徴」が強調されています。また、テスラが航続距離の見積もりを誇張していると思われる証拠もあります。

訴状の一部には以下のように記載されています。

「テスラによる航続距離の誇張は続いています。最近、韓国の規制当局は、テスラがその自動車の航続距離を偽って宣伝したとして罰金を科しました。具体的には、韓国公正取引委員会は、テスラが 1回の充電で走行できる距離、ガソリン車と比較した燃料の費用対効果、スーパーチャージャーの性能を誇張していると認定しました。」

また、リカレントによるフォード・マスタング・マッハE、シボレー・ボルト、ヒョンデ・コナのテストを引用し、他の自動車会社は航続距離を誇張していないと主張しています。

「他の電気自動車メーカーはテスラのように航続距離を誇張していません。例えば、リカレントはフォード・マスタング・マッハE、シボレー・ボルト、ヒョンデ・コナをテストしましたが、これらはすべて電気自動車であり、テスラの直接の競合車であり、それらの推定航続距離はより正確であることがわかりました。実際、ヒョンデ・コナは、充電が必要になるまでの走行可能距離を概して過小評価していました。」

集団訴訟の申し立て

原告団は、カリフォルニア州でテスラ車を購入したすべての人を代表することを求めており、以下のような問題点を解決したいと考えています:

  1. テスラ車が、通常の走行条件下で、宣伝されている推定航続距離を達成できないかどうか。
  2. テスラが宣伝している推定航続距離を誇張していないかどうか。
  3. テスラは、宣伝している推定航続距離が誇張されており、通常の走行条件下では達成できないことを知っていたかどうか。
  4. テスラがそのような情報を得た時期。
  5. テスラがこのような事実を知りながら、そのモデル車両を設計、製造、マーケティング、広告、販売、その他流通させたかどうか。
  6. テスラが、広告に記載した推定航続距離が誇張されていること、または通常の走行条件下では達成できないことを意図的に隠していたかどうか。
  7. テスラ車の航続距離に懸念を表明した集団訴訟原告からの苦情を逸らすためのテスラの行為が、テスラの保証条件に違反したかどうか。
  8. 原告および集団訴訟原告が本書で申し立てられた詐欺および欺瞞的行為によって損害を受けたかどうか。
  9. テスラがその欺瞞的行為によって不当に利益を得たかどうか。
  10. 原告および集団訴訟原告が、そのの救済または差止命令による救済を受ける権利があるかどうか。
この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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