極端な円安、インフレ、値上げラッシュにも関わらず、テスラが日本で7月1日から大幅値下げ実施

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テスラ日本でも2023年6月末の納車プッシュに向けたキャンペーンなどを各種実施していましたが、テスラは第3四半期になったその日、つまり7月1日から電動セダンのモデル3と電動SUVとなるモデルYの各グレードについて比較的大きな額となる値下げを実施しました。

円安、インフレ、値上げラッシュの中でのテスラの攻めの戦略は日本でも成功するのでしょうか?

値下げ幅はモデル3で約3%、モデルYは約4%

テスラで最も安価に乗ることができるモデル3のシングルモーター後輪駆動RWDモデルの場合、164千円値下げされ、¥5,245,600となりました。現状ではここにCEV補助金の65万円が適用されますので 実質的には約460万円でテスラを購入することが可能になります。更に東京都では、太陽光発電設備がなくても35万円、太陽光発電設備があれば65万円の追加の補助金が適用されますので、実質400万円を切る価格で購入できるようになったということです。

その他のモデル3ではすべてのグレードで概ね3%の値下げが、そしてモデルYに至っては概ね4%の値下げが実施されていますので、従前の価格が高ければ高いほど値下げ幅は大きいものとなっています。それぞれのモデルの値下げ幅は以下のようになっています。

2023年7月1日更新:モデル3、モデルY 値下げ状況
  • モデル3 RWD ¥5,406,000 → ¥5,245,600(-164,000)
  • モデル3 ロングレンジ ¥6,461,600 → ¥6,268,600(-193,000)
  • モデル3 パフォーマンス ¥7,221,600 → ¥7,005,600(-216,000)
  • モデルY RWD ¥5,871,600 → ¥5,637,000(-234,600)
  • モデルY ロングレンジ ¥6,797,600 → ¥6,526,000(-271,600)
  • モデルY パフォーマンス ¥7,581,600 → ¥7,279,000(-302,600)

円安・インフレ・値上げラッシュの中

2年半前の2022年1月1日時点で、モデル3RWDは479万円でしたから、それと比較するとまだおよそ45万円ほど高くなっているのですが、その頃と比較すると、ドル円は円安方向に大幅に進行し、ロシアのウクライナ侵攻の影響によるエネルギー価格高騰、ひいては原材料費の値上げラッシュ、インフレの拡大の中でのことです。

今回のテスラの値下げは、中国でモデルS/Xにも実施されているようですが、通常こうした値下げはどこかの国で開始されると、その後各国にも同程度の値下げが実施される傾向があります。特に今回は値下げのタイミングが2023年第3四半期に入った直後というタイミングでもあるので、既に7月1日に入っている日本が最初に適用されたとも考えられます。

ちなみに、フォルクスワーゲン・ジャパンは今月から日本での自動車販売価格を値上げするということです。こうした経済状況の中でのテスラの積極的な値下げ攻勢ということができます。

一方で、日本ではテスラの売れ行きが他の先進国市場に比較して非常に鈍い状況が続いています。そもそもテスラはモデル別でも国別にも販売台数を公表していませんが、輸入車の輸入台数を毎月公表している日本自動車輸入組合のHpに掲載されている数字を見ると非常に寂しい状況です。

加えて、2023年第2四半期に入っても4月で310台、5月で213台という程度で「売れている」というには程遠い状況と言えるでしょう。

テスラ専用急速充電ネットワーク拡大中

日本国内でEV販売の拡大が遅々として進まない一つの大きな理由として、EV充電インフラが非常に貧弱だということがあります。こうした状況を踏まえてか、最近テスラ専用の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーの日本国内における設置箇所が勢いよく増えていってます。

この2023年6月末時点で、テスラ スーパーチャージャーは日本国内で9箇所がオープンし、合計79箇所、390基となっています。まだまだ、日本国内津々浦々というような状況とは程遠いですが、間違いなく増加の勢いはましている状況です。

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こうしたことに加えて、最近大手コンビニエンスストアであるファミリーマートが、自社のコンビニの駐車場にスーパーチャージャーを誘致してくことを表明するニュースもあります。

自動車製造先進国の中では最も電動化が遅れている日本では、今年自動車輸出世界一の座を中国に奪われてしまうという状況です。そして日本に輸入されているテスラの大半(売れ筋のモデル3とモデルY)はすべて中国にあるテスラ工場ギガ上海で製造されたものが日本に輸入されているということが、今の日本の自動車産業を取り巻く状況を端的に表しているのかもしれません。

環境に優しくサステイナブルで、静かで速くてスムーズな、そしてどんどんアップデートしていくスマートなクルマが、どんどん安くて手頃な値段になっていくという状況に、日本の既存自動車メーカーは立ち向かって行かないといけないという非常に厳しい状況と言えるでしょう。

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