不可能を可能にしてきたイーロン・マスクCEO、完全自動運転実現後のテスラ車の最大粗利はなんと80%に

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Credit:Tesla
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発言力のあるイーロン・マスクCEOは、自動車事業だけでなくエネルギー事業を営むテスラエナジーのピークマージン(最大の粗利率)の推定値も提示しました。

今後ますます増加するテスラのマージン

テスラCEOのイーロン・マスク氏は、5月16日に開催された2023年の年次株主総会「サイバーラウンドアップ2023」で多くの発言を行いましたが、その内容は一部の人が予想していたよりもポジティブなものとなったようです。マスクCEOはテスラの粗利(マージン)について語っただけでなく、将来的に何が期待できるのかについての予測も示しました。

テスラは以前から非常に高い優れたマージンを持つことで知られていますが、これは一般的に自動車業界では簡単なことではありません。実際、テスラが今年、これほど大幅な値下げを何度も行うことができた主な理由の1つがこの高いマージンなのです。今年のように値下げを繰り返した後でも、テスラは良好なマージンと利益を実現しています。もちろん、もっと良くなる可能性はあるが、より幅広い顧客層にアピールして販売台数を増やすか、1台あたりの利益を向上するかの決断を迫られているというのが現状でしょう。

ピークマージンは自動車部門80%、エネルギー部門30%

マスク氏はテスラの自動車部門とエネルギー部門の両方のマージンについてサイバーラウンドアップにおいて言及した。また、テスラが完全自動運転(FSD)機能パッケージで完全自動運転に到達した場合、テスラが販売する電気自動車のマージンはどの程度のピークに達する可能性があるのかについても言及しました。完全自動運転の教科書的な定義はわかっていても、マスク氏が考え公言している「完全自動運転への到達」が何なのかは、まだあまり明確ではないことに留意する必要があります。

マスク氏は、自動車部門とエネルギー部門の「ピーク」のマージンを推定するよう求められたとき、まず次のように答えたのですが、多くの推測が必要であることを明らかにした上で、あくまで推定だという前提でのことです。

「明らかに、同じコストで20%か25%のマージンがある車が、突然5倍も稼働するようになれば、マージンは80%になり、売上は数倍になるでしょうね。だから、(完全自動運転の実現は)地球の歴史上、最大の資産価値のステップチェンジになると言っているのです。」

テスラエナジーに関して言えば、マスク氏はマージンのピークを20~25%程度と見積もっています。そしてこれはさらに、30%程度まで上昇する可能性があるとも述べています。

これまでも実現不可能な事を実現してきた

自動車部門のピーク時のマージン率80%という水準は、完全な自動運転を考慮したテスラのEV事業に関してということです。マスク氏は、テスラが自動運転機能を実現することに重きを置いてきていますが、このテスラの手法は他のその会社も全く同じ方法でやっていないからです。つまりテスラは、ビジョン(映像)ベースのシステムとしてカメラのみを使用していますが、それをニューラルネットワークと人工知能(AI)で補完して完全自動運転を実現しようとしています。

このビジョンベースの完全自動運転(テスラビジョン、ピュアビジョン)は多くの専門家はうまくいかないと言っていますが、これまでロケットの(離陸だけでなく)着陸と再利用、大都市の下に大規模なトンネルを掘るボーリングカンパニー、長距離EVを主流にしてガソリン車を凌ぐ車にするなど、マスク氏の過去の常識を超えた計画の実現を考えれば、あながち難しい事でもないかもしれません。

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センサーを使わずカメラ映像だけで完全自動運転を実現しようとするテスラビジョン
Credit:Tesla

テスラとマスク氏は、同社のFSD(Full-Self Driving:完全自動運転)やロボタクシーを何年も前から宣伝してきましたが、ほとんどのことと同様に、何年も何年も遅れているのが現状です。しかし、イーロン・マスクCEOは今後非常に素晴らしい事が実現できると信じており、それによってテスラ車を所有するという事は他のどんなクルマを所有するよりもずっと価値が高くなると考えています。

私たちがいつも言っているように、この先どうなるかは待って、待って、待って、待ち続けるしかありません。数年後、この記事を読んで、自動車は本当に完全自動運転できるようになったのだと唖然とするようなことがあればいいのですが。

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