2023年3月の世界のプラグイン車(PHEV:プラグインハイブリッド車とBEV:バッテリー電気自動車のこと)登録台数は、2022年3月と比較して28%増加しました。登録台数は109万7000台で、プラグイン電気自動車にとって2022年12月に次いで過去2番目に良い月となりますた。最終的に、プラグインは自動車市場全体の16%のシェアを占めました(BEVのシェアだけで12%)。これは、世界の自動車市場がエレクトリック・ディスラプション・ゾーン(電気自動車への破壊的移行時期)にあることを意味します。
興味深いことに、プラグレス・ハイブリッド車(日本のメーカーが得意ないわゆるハイブリッド車)も3月に100万台を突破し、100万4,000台となりました。プラグレスハイブリッドが100万台を突破したのはこれが初めてで、3月の総販売台数は200万台を超え、世界市場の31%が何らかの形で電動化されたことになります。
これまでのところ、プラグイン電気自動車の市場シェアは13%(BEVは9%)とわずかに伸びています。完全電気自動車(BEV)は、3月のプラグイン登録台数の72%を占め、累計では2ポイント増の68%に達しました。
2023年3月に世界で最も売れたEV
2023年3月のベストセラーを見ると、それほどのサプライズはありませんでした。テスラ・モデルYは他の車種を圧倒し、EVの歴代新記録となる14万5306台の登録を達成し、トヨタ カローラやRAV4といった世界のベストセラーを抑え、すべてのパワートレインを含めて、間違いなく3月に最も売れた車となりました。2023年累計では、モデルYが1位になるとは言い切れませんが。(おそらくまだまだ及ばないはずです。)
今回、テスラのモデル3は、テスラ恒例の四半期末の追い込みにより、なんとかBYD宋を破り、中国製SUVを上回る結果となりました。驚いたのは、4位のBYD秦プラスが、兄弟車のBYD宋にわずか150台差で終わったことです。このセダンは、最近のリフレッシュと何よりも値下げによって、3月の販売台数が急増し、PHEVバージョンは新記録(31,325台)を達成しました。
記録といえば、続く2つのBYDモデル、5位のBYD元プラス(多くの輸出市場では別名Atto 3)と6位のドルフィンもまた、記録的な結果を達成しました。これは、母国中国での成績が良かったことに加え、輸出市場での販売台数も増えているためだと考えられます。
しかし、BYDモデルだけでなく、7位のGACアイオンSも26,393台の登録台数を記録し、2年連続で過去最高を記録しました。実際、GACの好調ぶりが示すように、広州市場では、もう1台のスタープレーヤーであるAion Yが11位にランクインしています。
2023年第1四半期に世界で最も売れたEV
2023年第1四半期累計(YTD)では、テスラモデルYがBYD宋の上に君臨しており、ランキングに大きな変化はありません。中国製SUVであるBYD宋は、テスラモデル3との販売台数競争で最終的にわずかに上回り2位となりました。
大幅な値下げにもかかわらず、テスラの電動セダン、モデル3の販売台数は前年比4%増にとどまったことを考えると、発売から5年が経ち成熟期に入ったことから、大幅なリフレッシュを行わなければ再び販売に火がつくことはないと考えられます。
また少なくとも、中型セダンの販売台数は減少傾向にはないのですが、一方でフラッグシップモデルのモデルS/Xについては言えないことなのです。前四半期に大幅な価格引き下げの恩恵も受けたにもかかわらず、これらの大型で高級なテスラは、今年第1四半期に販売台数が27%減少しました。
売れ筋ブランド
3月のBYDは、20万台という大台には到達せず、第1四半期の累計台数でテスラに勝つには至りませんでした。一方でテスラは、207,655台という新記録を達成した。今後、テスラは例年通りの納車ピークとなる四半期末の月を制し、BYDは残りのステージを制するというのが、この2社のパターン担っていくと考えられます。
世界の2023年第1四半期累計台数では、ランキングに関してあまり注目すべきことはありませんでした。BYDはテスラを抑えており、2社合計で世界のプラグイン市場の3分の1以上を占めているという寡占状況です。
圧倒的な2社の下で、BMWが3位につけており、その下には、フォルクスワーゲンが減速していたSGMWを抜いて4位に返り咲きました。
GACは6位まで上昇し、5位のSGMWに600台差をつけており、両ブランドの販売台数が正反対であることを考えると、4月にはもっと上昇する可能性もあります。また、上海汽車は、上海GMと武陵の合弁会社の減速を補い、10位にランクアップしています。
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