テスラ（NASDAQ: TSLA）の電気自動車の値下げは、同社が様々な市場で重要な市場シェアを回復するための手段なのか、それとも同社の自動車に対する需要が鈍化していることを示すものなのか、アナリストたちの意見は分かれています。
テスラは2023年、米国でこれまでに5回、電気自動車の価格を引き下げました。直近の値下げでは、2～6％の値下げを行っています。
しかし、アナリストたちは、この値下げが何を意味するのか、決めかねている状況のようです。もちろん、値下げが強さの証とも弱さの証とも論じられるため、各アナリストがこのテスラ株についてどう感じるかによるのでしょう。
グッゲンハイム証券のアナリスト、ロナルド・ジュシコウ氏は、「テスラ社の最近のコメント（3月初旬の投資家説明会：インベスター・デイ）には、強い需要を示唆するものがあり、投資家は値下げを否定的に見ると考えられる。」と予想しています。
値下げは、業界で最も強く大きかったテスラのマージン（粗利）を損なうと予想されます。
「我々の需要動向に関するすべての予想は、3月にかけての需要の鈍化を表しており、納車待ち時間はすべてのモデルで（世界的に）横ばいからマイナスになり、在庫は積み上がっていると推測されます。」
ジュシコウ氏はまた、ギガファクトリーテキサスで製造された4680バッテリー搭載のモデルYが最近加わったことについて、「低価格帯に対する消費者の反応が我々の予想よりも高ければ、短期的に米国の受注にネガティブミックスの変化が生じるでしょう」と言及しました。
しかし、どんな議論にも賛否両論があり、今回の値下げは、テスラが米国でのシェアを復活させるための「独自の戦略」の表れである可能性があります。
RBC キャピタル・マーケッツのアナリスト、トム・ナラヤン氏は、「この値下げ戦略は販売台数の増加につながると思うし、幸いなことに、彼らには収益性をあまり犠牲にしなくても済むような独自の強みがある。」と述べています。
テスラ株に強気のアナリストでさえ、今回の値下げを「短期的な痛み、長期的な利益」と見ています。ウェドブッシュ証券のダン・アイブズ氏もその一人で、昨日のCNBCのインタビューでは、EV市場の拡大は「比類ない」ため、テスラの値下げは競合に対して強みを発揮すると述べています。
GMやフォードなどがペースを維持しようと努力を続ける中、テスラは需要を喚起し、販売台数を増やし、より多くの車を市場に送り出すために動いています。第1四半期に記録的な納車台数を達成したことは、需要が間違いなく健全であることを示しているのですが、テスラは、利益率が大きく影響された場合、株価に打撃を与える可能性があることを認識する必要があるでしょう。
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