テスラがわずか20年で無借金経営になった理由

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Credit:Tesla
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テスラは自動車メーカーにも関わらず、わずか20年でほぼ無借金経営を実現しました。これは、100年以上続く自動車業界の歴史の中でも前例のない偉業です。この米国の電気自動車メーカーが負債を少なく抑えることができたのは、他の自動車メーカーにとって新たな前例となり、同時に業界の既存大手企業にもプレッシャーを与えることになりました。

Guru Focusの最近の分析では、他の企業が依然として巨額の負債を抱えているにもかかわらず、この米国の電気自動車メーカーの例が自動車業界の新しい先例となり得ることを実証しています。従来の自動車メーカーは、100年の歴史の中で、資本集約的な製品を製造・販売するために多額の負債に頼ってきましたが、テスラのビジネスモデルは、非常に多いキャッシュフローと業界では前例のない少ない負債を実現しています。

Guru Focusのライター、マシュー・コブ氏は、テスラの負債を米国の2大自動車メーカーであるGMとフォードの負債と比較し、この2つの既存の大手自動車メーカーがともに負債にまみれていることを示しました。一方、テスラはその気になれば、明日にでも残りの負債を完済できるほど、巨額のキャッシュを持っています。

現在、フォードの長期債務総額は1400億ドルで、GMは同1150億ドルとほぼ似たような規模で負債があります。一方、テスラの長期債務はわずか50億ドルで、キャッシュも潤沢にあるのです。実際、同社のフリーキャッシュフローは220億ドルで、現金から負債を差し引くと170億ドルの黒字となります。

確かに、自動車産業はある程度の設備投資を必要とするのですが、その主な理由は、高価な材料、生産に必要な労働力と巨大な設備にあります。また、自動車メーカーには最先端の研究開発も必要であり、投資的な観点からもコストがかかるのです。

コブ氏は、テスラの負債が少ない理由を、いくつか挙げています。

まず、現時点ではわずか4車種と厳選された車種ラインナップ、そして革新的な技術、更に再生可能エネルギーと持続可能性への全体的な取り組み、が挙げられます。これらに加えて、CEOのイーロン・マスク氏のソーシャルメディア上での話題作りの能力によって、テスラは新興企業から始まって、2020年頃に高い評価を得て急騰する将来有望な銘柄となることができたのです、とコブ氏は指摘しています。

テスラが高い評価を受けるようになると、一般的なデットファイナンス(銀行などからの借り入れで、いずれ返す必要がある資金)ではなく、エクイティファイナンス(株式を発行することで得られる資金で、株主に返す必要はない)を利用することができるようになったのです。エクイティファイナンスでは、デットファイナンスのような返済の道筋が必要ないため、テスラは負債を低く抑えることができたのです。テスラはその後、株式資金を利用して、継続的な負債を低く抑えることに成功し、特に株価が急上昇する前に発生した負債を低く抑えることに成功しました。

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次のテスラ車製造工場となるギガ・メキシコ
Credit:Tesla

テスラの時価総額は5480億ドル(フォードとGMはそれぞれ482億3000万ドル、509億3000万ドル)であり、この20年間、財務管理の強さを証明してきました。そして、新興のEV分野がこれまで以上に勢いを増している中、既存の自動車メーカーが次の20年でテスラの優位性を取り戻すためにどのような試みをするのかが注目されます。

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