超音波センサーを使わずカメラ映像のみで距離測定する旧型テスラモデル3

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https://youtu.be/Vx9K79MM5Vg
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テスラのオーナーでEVメカニックのオキュパイ・マーズ氏は、修復した2018年型テスラモデル3が超音波センサー(USS)なしで距離を検知している動画を公開しました。

オキュパイ・マーズ氏は、この新しい現象を発見した経緯を説明する10.5分の動画を公開し、旧型モデル3が2022年9月にリリースされたソフトウェアバージョン2022.28.2を実行していたにもかかわらず、USSを使用せずに距離を測定することに成功していたのです。

オキュパイ・マーズ氏は、フロントバンパーを外した車両をガレージから移動させ、すべての超音波センサーが切り離されていることを確認しました。しかし、モデル3が隣の車両を正確に検知し、適切な距離を画面に表示していることに気づきました。このことから、テスラはテスラビジョンで近くの物体を検知して距離を表示するテストを行っていることが確認されましたが、これはUSS搭載車のみです。

カメラによる検出の確認

興味深いことに、オキュパイ・マーズ氏の車両はリバース中にしか距離を検出しませんでしたが、車の多くは分解されているので、これは初期のソフトウェアまたはハードウェアの問題によるものであった可能性があります。ガレージに近づくと、オキュパイ・マーズ氏はモデル3が車とガレージの間の距離を表示していないことに気づきました。その代わりに、車体の角にある物体を検出していたのです。これは、車体前方のカメラでは見えない死角を考えれば、理解できます。

オキュパイ・マーズ氏は、カメラが車間距離を測定していることを確認するため、フロントカメラとBピラーカメラをテープで覆ってみました。カメラを覆った途端、車両は近くの物体からの距離と円弧を表示しなくなりました。彼は、レーダーの不使用を証明するために、さらに一歩踏み込んで、車両のレーダーのプラグを物理的に抜いた状態で確認しましたが、カメラのカバーを外した状態でも車両は物体を検知し、距離を表示し続けました。

テスラビジョンで超音波センサーのような距離検出を示す映像

オキュパイ・マーズ氏による以下のビデオは、超音波センサーやレーダーを使わずにカメラ映像だけで距離を検出する(テスラビジョン)様子を撮影したものです。

シャドーモードでのテスラビジョン

何が起こっているかというと、テスラは超音波センサーを搭載した車両のテストとデータ収集を積極的に行っており、数ヶ月間それを続けているようです。以前は、USSが近くの物体の距離検出を完全に担っていましたが、テスラは現在、シャドーモードのテスラビジョン更新版を使用しているようです。これによりテスラは、車両やドライバーに依存させる前に、バックグラウンドでコードを実行し、その精度を評価することができます。テスラは、ビジョンで検出された距離を使用して、その値を車両の超音波センサーの出力と比較し、新システムの精度を評価してから一般に公開するようにしています。

超音波センサーの撤去

2022年10月4日、テスラは車両から超音波センサーを撤去し、自社独自の カメラ映像だけで対応する「テスラビジョン」への移行を開始すると発表しました。テスラの発表によると、2022年10月以降に製造されたモデル3およびモデルYの車両には、USSが搭載されなくなり、その後、テスラはモデルSとモデルXからもUSSを取り外しました。

これは自動車の専門家、すなわちサンディ・ムンロ氏のチームにとって、かなり衝撃的な事だったようです。USSは、現代の自動車に標準装備されており、狭い場所での距離を検知して、車両の安全性を高めるために使われているからです。しかしテスラは、テスラコミュニティや専門家からの反発にもかかわらず、USSがなくても同様の安全性と精度を維持できると考えて、テスラビジョンへの完全移行を実行しました。

超音波センサーの廃止によるコストダウン

テスラは、USSを取り除くことで1台あたり推定114ドルを節約しており、これはテスラの販売台数に基づくと年間およそ1億ドルに相当する、とムンロ氏は述べています。テスラがモデル3を改良してコスト削減を図り、購入希望者が新しい米国連邦税額控除(7500ドル)を利用できるようにするため、この取り組みはある程度意味をなすものです。

フロント側の死角

ムンロ氏のライブ映像で指摘されているように、テスラ車に現在備え付けられているカメラだけでは、車両の前方には3フィートの死角ができることになります。テスラは、この3フィートの死角の解決策として、対象物に向かって走行する際に、車両が見たものを記憶するようにする、と噂されています。しかしこの対処方法では、車両が長時間駐車しているときに、その前に新たに何かが置かれた場合、車両はその置かれた場所や物の大きさをどうやって知ることができるのでしょうか?

テスラは、セントリーモードと同じように駐車中のカメラデータの処理を続けることもできますが、そうすると時間の経過とともにバッテリーの使用量が非常に大きくなります。テスラはまた、車両が最初に始動したときに車両前方の物体を検出する機能を省くかもしれません。

今後のアップデート

最近になってテスラのオーナー兼ハッカーのGreenTheOnlyが、テスラがアップデート2022.40でビジョンベースのUSSタイプ検出をテストしているコードを発見したため、テスラがUSSの欠如に対処する計画であることは明らかなのですが、修正には予想以上に時間がかかっているようです。テスラから公式に伝えられたものはありませんが、USSタイプ検出を復活させる待望のアップデートが届くのは近いかもしれませんし、カメラの性能向上やセンサーの復活の噂もあるようです。

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