テスラは昨年、ギガ上海の操業停止やイーロン・マスクCEOのツイッター買収資金のためのテスラ株売却など、一連の逆風に打ちのめされました。この世界最大のEVメーカーが2023年を驚きの値下げ競争でスタートしたのも、不思議ではありません。年が明けてわずか数日、数週間で、テスラは思い切った価格競争を開始したのです。
テスラの全ラインアップに対する積極的で大幅な値下げは、電気自動車市場への警鐘を鳴らすだけではありません。テスラには車両価格を大幅に引き下げ、なおかつ利益を上げるだけの力があることを示す、一種のパワープレーでもあるのです。これは、他の自動車メーカーが追随する場合にはリスクを取る覚悟が必要なのです。
ロイター通信の分析によると、テスラは2022年第3四半期に1台当たり15,653ドル(約203万円)の粗利益を得たと推定されています。この金額は、フォルクスワーゲンの2倍以上、フォードの5倍以上というとてつもない水準なのです。テスラがかつて自動車業界最大の金食い虫の1つであったことを考えると、これは特筆すべき改善と言えるでしょう。
テスラが、1台あたりの利益で既存自動車メーカーなどのライバルを圧倒する自動車メーカーに短期間で変身したことは、非常に驚くべきことです。ギガプレス(超大型部品鋳造機)のような技術を使ってメガキャスト(アルミ成型一体型大型部品)を作り、生産コストを下げるなど、既存の自動車メーカーでは到底できなことで実現されてきました。テスラはまだ、コストダウンと性能向上を両立する、例えばバッテリーの内製化など、他の取り組みもどんどん実施しています。
上海の業界コンサルタント会社オートモビリティのビル・ルッソ氏は、テスラの積極的な値下げは、薄利多売で経営しているライバル企業に重大な打撃を与える可能性があると指摘しています。
「テスラは、弱小で薄利多売のプレイヤーを打ち負かすために、『核』のオプションを使ったのです。大きなパイ(EV市場)で、少ないスライス(生き残る少数メーカー)を、勝ち残った人たちがより多く食べることができるように。」
中国では、そのようなシナリオが展開されているようです。テスラの積極的な値下げに続いて、中国のEVメーカーであるXpengも値下げに踏み切りました。しかし、ロイター通信のデータによると、Xpengはすでに1台あたり11,735ドル(約153万円)の純損失を出しており、値下げ戦略は危険な行動といえるでしょう。米国市場に参入しようとしているベトナムのEV新興企業VinFastも同様です。同社は最近のコメントで、テスラに対抗するために価格プロモーションを行うと述べています。
テスラの価格競争に対して最も有利な立場にあるのは、おそらくBYDだろう。BYDはすでに中国国内市場ではテスラの販売台数を上回っています。BYDは今のところ値下げに踏み切っていませんが、1台あたり5,456ドル(約71万円)の粗利を確保しているため、テスラの価格競争に対抗するための余力はあると思われます。
この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。
テスラ関連の最新記事を毎日随時アップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。
▼▼テスラ 紹介コード は以下から▼▼
人気記事
新着記事
※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。