テスラのオーナーであるイアン・ジョーダン氏は、先日非常に興味深い判例を作りました。彼はテスラ社をワシントンの小額裁判所に提訴し、勝利を収めたのです。しかし、テスラが関与している他の裁判とは異なり、トラック1台分のファイルや弁護士団がいたわけではありません。テスラは法廷に代理人を派遣することもなく、ジョーダン氏が勝訴したのです。
前例のない事件
しかし、この勝利は始まりに過ぎないのです。ジョーダン氏と同じ境遇にあるテスラの所有者は、もっといる可能性があるからです。モデル3のオーナーは、2016年以降に製造されたすべての車両がFSDに必要なハードウェアを備えていると同社が主張しているにもかかわらず、完全自動運転にアクセスできないことが判明しています。
最新のFSDハードウェアはハードウェア3.0(HW3.0)であり、テスラはテスラのFSDパッケージを購入すれば、そのオーナーに最新のハードウェアへの無償アップグレードを提供しています。
今回はそこでトラブルが発生したのです。ジョーダン氏のモデル3は、FSDに対応していないハードウェア2.5(HW2.5)のコンピュータを搭載していますが、彼は完全自動運転パッケージ(FSD)を注文していませんでした。彼は、15,000米ドルの初期費用ではなく、月々199ドルのサブスクリプションプログラムに加入することを希望していたのです。
その際テスラは、FSDに対応するためアップグレードされたコンピュータHW3.0を新たに追加するために、このオーナーに1,500ドル(後に1,000ドルに値下げ)を請求しようとしたのです。ジョーダン氏はこれを拒否し、判事もこれに同意したということです。
この裁判のマシュー・A・スカウ判事は次のように述べています。
さらに、原告は、テスラモデル3の全グレードには自動運転に必要なハードウェアがすべて搭載されているという同社からの広告を信頼して、2台目のテスラモデル3を購入しました。被告は、実際に自動運転機能を実現するには、さらにハードウェアのアップグレードに1,106ドルの費用がかかるとされました。
虚偽広告の集団訴訟
さらに、テスラに対しては、完全自動運転をめぐる虚偽広告が続いているとして、9月に集団訴訟が起こされています。テスラは、この訴訟の棄却を求めており、CNNの報道によると、テスラは、「長期的、希望的な目標を実現できなかっただけでは詐欺にはならない…マスク氏自身の期待を満たせなかっただけでは、誰かが意図的、詐欺的に消費者をだまそうとした証拠にはならない」と述べているそうです。
ずっとマイナーな件ですが、ジョーダン氏はテスラに対して別の主張をしています。彼の別のテスラにはMCU1のメディアユニットが搭載されており、まだ保証期間中であるにもかかわらず、テスラはそれを修理せず、MCU2への買い替えを勧めたと言う件です。ここでも判事は契約違反を認め、テスラに新しいコンピュータへのアップグレード費用をジョーダン氏に支払うよう命じました。テスラはすぐに両方の裁判所命令に従い支払いを実施しました。
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