テスラは先週末、FSDベータ10.4(Full Self-Driving:完全自動運転のベータバージョン10.4)をリリースしました。
今回のFSDベータ版では、過去にテスラとNHTSA(米国道路交通安全局)との間で問題となっていた緊急車両検知機能が改善されています。加えて、バージョン10.4のリリースノートを見る限り、テスラは今回のアップデートで、運転支援システムの安全性を高めることに全力を注いだようです。
テスラがリリースノートで報告したFSD V10.4の具体的な改善点は以下の通りです。
- ナビゲーションのルートから外れた場所を走行する際、安全な場合はより良いリカバリーを可能にすることで、ハンドリングを改善
- 高速道路を横断する際のハンドリングと高速物体の検出の改善と高速道路での加速性能を向上
- 高い障害物に囲まれた狭い場所での走行速度安定性を向上
- 一般化された静的物体ネットワークを、ハイパーパラメータの調整やオーバーサンプリング戦略の改善により改良し、静的障害物制御を改善(精度+1.5%、リコール+7.0)
- 次世代自動ラベリングのデータを追加することで、VRU(歩行者、自転車、バイクなど)の検出を改善(精度+35%、リコール+20%)
- 新規データの追加とトレーニング計画の改善により、緊急車両検知ネットワークを改善(合格率+5.8)
- 物体検出ネットワークへの入力としてナビゲーションルートを追加し、VRU制御関連性属性を改善(精度+1.1)
- トップバーUIの「映像記録」ボタンを押すと、お客様の車両の外部カメラは、VINに結合した短いオートパイロットスナップショットをテスラのエンジニアリングチームと共有し、FSDの改善に役立てる。ユーザーはこのクリップを見ることはできない。
FSD v10.4のアップデートの中で最も注目すべきは、緊急車両検知ネットワークの改善でしょう。この改善が注目されたのは、この機能のリリースにNHTSAが関与しているからです。同局は数カ月前にテスラのオートパイロットに関する調査を開始し、同ソフトウェアが関与したとされる事故について調べていました。調査が進む中、テスラはオートパイロットによる緊急車両の検知・対応能力を向上させる無料の無線アップデートをリリースしました。
NHTSAはこのアップデートを批判し、なぜテスラが安全関連のリコールを開始しなかったのか、と問いかけました。しかし、テスラは欠陥への対応として今回のアップデートを公開したわけではありません。今回の緊急車両検知のアップデートは、どちらかというとテスラ側の積極的な動きであったようです。
そこで、ライトを点灯しているパトカーが停車していました...。 FSDはそれが交通違反の取り締まりであることを理解し、警官に余裕を持たせるために黄色のラインを越え、安全になったところで慎重に車線に合流しました(ターンシグナル付き)。 これは私の運転ではなく、オートパイロットが運転していました。 自分ではこんなに上手くはできなかったかな。
最近では、テスラのドライバーが路上で警察車両を追い越した際に、FSDベータの緊急車両検知が機能する様子がツイッターにアップされました。モデル3のオーナーによると、FSDベータは道路脇に停車しているパトカーを検知して車両を避け、パトカーに十分なスペースを与えた後、ターンシグナルを使って安全に車線に合流しました。
FSD Beta 10.4のデモは以下のビデオでご覧いただけます。
この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。
このFSDの映像をみるにつけ、米国と日本国内の交通事情はやはり相当違うので、日本国内での機械学習には相当程度時間がかかるのでは?と思わずにいられません。
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