スバルとトヨタは、3つの新型電気クロスオーバー車を製造する計画で提携関係を構築中です。トヨタと組むことで、単独でEVを製造する「巨大なリスク」を最小限に抑えることができるとしています。
単独は大きなリスク
スバルの大崎篤CEOは今週月曜の会見で、「この分野で単独でやっていくには大きなリスクがある」と発言。
今年度の営業利益が75%増加した後、大崎氏は「現時点では、EVに関してこれからどうなるかを予測するのはかなり難しい状況」と説明しました。スバルはソルテラで昨年、米国での8,872台を含む14,000台しか全電動車を販売していません。
2023年に世界で販売される85万2,000台のうち、完全電気自動車が販売台数に占める割合はわずか1.6%という状況です。
スバルのEV販売台数が厳しい米国で減少していることを受け、スバルは状況を好転させるための新戦略を明らかにしました。
昨年4月に社長に就任した大崎CEOの下、スバルは2030年までにEVの販売台数シェア50%、つまり約60万台の販売を目指します。まだ低い方ではありますが、前回の戦略でのハイブリッドとEVを合わせた販売台数目標40%からは大幅にアップした目標となっています。
計画では、2026年末までにソルテラを含む完全電気自動車のSUVを4車種揃え、2028年末までには新たに4種類のEVを追加し、合計8車種のEVを販売する予定です。
米国では、スバルは2028年に40万台のEV販売を目指しており、昨年のソルテラの販売台数8,872台から4,400%以上増加する計画となっています。
スバルとトヨタ、3つの新型EVで提携
スバル・ソルテラはすでにトヨタの国内工場で生産されていますが、大崎CEOによると、3つの新型EVはトヨタとの共同開発・生産になるとのことです。
トヨタはスバルに20%出資していますが、この動きは日本の小さな自動車メーカーが電気自動車に移行する際のリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
「我々はトヨタと協議を重ね、共同開発によってリスクを減らす方が良いということで合意しました。」
スバルのリーダーはまた、米国市場向けにEVを自社開発する計画についても躊躇していました。
「米国内の自社工場でBEVを生産するとは言っていません。市場が大きく変化する中、状況を慎重に見極めながら進めていきたい。」
トヨタがEVを現地生産することで、スバルは連邦政府のEV税額控除を受けられるようになり、需要拡大につながる可能性があります。また、スバルはハイブリッド車のラインナップを拡充する計画も明らかにしました。
「スバルはEVに舵を切ったが、同時に内燃機関車の販売も重要だと考えている。」
スバルは3種類の新型EVのうち1種類を日本の矢島工場で生産し、両メーカーに供給する予定で、トヨタは米国で1車種を生産し、両社に供給する予定とのことです。トヨタは、スバル初の3列シート電動SUVを2025年にケンタッキー州で生産する予定です。また、スバルは2025年から日本でEVの自社生産を開始する計画で、年産能力は約20万台、2027年にはEV専用生産ラインを増設し、さらに20万台を追加する計画です。
遅れる日本の自動車メーカー
市場が電気自動車にシフトする中、遅れをとっていた日本の自動車メーカーの提携が進んでいます。日産とホンダは3月、EVとソフトウェアの開発を進めるための提携を認めました。
日本の自動車メーカーがBYDやテスラのようなEVリーダーに遅れを取らないようにするために、合弁事業は驚くべきことではありません。スバルはトヨタのネットワークを活用しながら、EVの次の波に備えることができます。ただ、EVの販売台数シェアが1桁(しかも2%未満)しかないスバルとトヨタは、すでに遅れをとっています。
すでに多くの自動車メーカーが2桁、あるいは100%のEV販売台数を達成しています。2030年までにEV販売台数50%という目標を掲げているスバルは、まだ同業他社よりも低い目標を掲げている状況といえます。
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