世界最大のEVバッテリーメーカー中国CATL、太陽光発電市場にテスラらと同じく参戦

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Credit:CATL
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世界最大のEVバッテリーメーカーである中国CATLは、業界にとって記録的な年になると予想される中、テスラなどとともに、太陽光発電の開発に向けた新たなイニシアティブを率先して行っています。

活況を呈する太陽光発電市場に挑むCATL

電気自動車用バッテリー市場で6年連続の世界ランキング首位に立った中国CATLは、新たな市場にも挑戦しています。

ブルームバーグによると、CATLはペロブスカイト太陽電池の開発を検討しているとのことです。この技術革新は、太陽電池の性能を向上させ、コストを削減する可能性があります。

ペロブスカイトとは灰チタン石(かいチタンせき)のことで、この結晶構造を持つ物質は他にもあり、またさまざまな物質を合成して作ることもできるので、それらを総称して「ペロブスカイト」と呼び、その性質上、シリコンに代わる太陽光発電の材料として注目されています。シリコン系の太陽光発電と比較すると、材料を塗る事や印刷で作ることができ、一日に製造できる量が多いことから低コスト化も可能となっています。

ペロブスカイト太陽電池は、過去10年間で大きく進歩し、2009年には約3%だった発電効率は、現在では25%以上となっています。しかし、現在主流の太陽光発電技術であるシリコン系と比較すると安定性が低いなど、クリアすべきハードルはまだまだ残っています。

その他の詳細は明らかにされませんでしたが、CATLは、「我々はパイロットテストラインを構築している」と述べています。また、JAソーラーのリンクトインによると、CATLはJAソーラーと戦略的パートナーシップ契約を締結し、太陽光発電産業における協力と共同開発を行うとしています。

CATLからEVバッテリーを調達している米テスラ社は、2023年第1四半期に太陽光発電の導入量が前年同期比40%増の67メガワットに達しました。また、今や電気自動車マーケットでテスラ最大のライバル、中国最大のEVメーカーBYDは、年間およそ5GWの太陽光パネルを生産できるとしています。

よりクリーンなエネルギーへの移行

このニュースは、今年中国をはじめとして世界中で、記録的な数のソーラーパネルが導入される見込みであることを示すものです。実際、IEA(国際エネルギー機関)の新しい報告書によると、2023年には初めて、太陽光発電を中心としたクリーンエネルギー投資が化石燃料への投資を上回ると予想されています。

世界中のエネルギーに投資される予定の2.8兆ドルのうち、1.7兆ドル以上が再生可能エネルギー、EV、バッテリーストレージなどのクリーンエネルギーに向けられると予想されています。

クリーンエネルギーへの年間投資額の推移(IEA報告書より)

ブルームバーグNEFの予測によると、太陽光発電の設置量は今年さらに昨年比で36%増加し、344GWになるとされています。

一方、テスラが2023年第1四半期決算説明会で述べたように、太陽光発電業界は、中国に集中する「サプライチェーンの課題による影響」を受けています。複数のアナリストやその他の組織が、より多様な太陽光発電のサプライチェーンの必要性を表明しているとう状況です。

CATLにとって、バッテリーメーカーとしてソーラーパネルの生産に参入することは、意味をなすことです。多くの家庭用・商業用太陽光発電システムは、停電時にバックアップエネルギーを供給するために、テスラのパワーウォールのようなバッテリーストレージと組み合わされるようになってきています。

十分なバッテリー容量があれば、CATLはオールインワンのホームエネルギーシステムを開発し、バッテリーストレージとソーラーパネルという2つの大きな成長トレンドを利用して、さらに収益を上げる機会を得ることができるはずです。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。

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