テスラの垂直統合、自動車製造メーカーにも関わらずEV生産増強のためリチウム精製所を着工

tesla-lithiun-event-02 TESLA News
Credit:Tesla
スポンサーリンク

テスラは、2025年までに米国内で、かつ自社で100万台の電気自動車を製造するのに十分なバッテリー用リチウムを生産するという野心的な目標を掲げ、米国テキサス州で新しいリチウム精製工場の建設を着工しました。これは、テスラが自動車生産にとどまらず、リチウムの精製・加工にも注力する姿勢を示すもので、同社のEV販売台数目標を達成し、EV生産の大きな障壁となるリチウムのボトルネックに対処するために不可欠な取り組みと考えられます。

EV生産のためのリチウムボトルネックへの対応

マスク氏は何年も前から、様々な起業家たちにリチウムビジネスに参入するよう促してきました。彼はこのリチウムビジネスへの参入を「お金を刷ること」と表現しましたが、持続可能なエネルギーで輸送手段の未来を創るというビジョンには必要なことでもあります。そして今、彼は自らの手でそれを実現しようとしているのです。

マスク氏は、これまでにもバッテリー用リチウムの入手に懸念を示し、電気自動車の進歩のボトルネックになりうると考えています。米国テキサス州の新精製工場は、大量のリチウムを生産することでこの制約を緩和し、テスラを自動車製造とリチウム精製におけるリーダーとして位置づけることを目的としています。また、この画期的な取り組みは、電気自動車市場の発展とクリーンエネルギー輸送の推進に対するテスラのコミットメントを反映しています。

テスラのリチウム精製工場起工イベントの映像

tesla-lithiun-event-01
Credit:Tesla

自立を強化し、依存を減らす

マスク氏は、テスラが来年までに工場建設を完了し、2025年までにはフルの生産能力を達成することを目指すと発表しました。この動きにより、テスラは、現在中国が独占しているリチウムの精製を北米で行う唯一の大手自動車メーカーと位置づけられることになります。

起工式に出席したテキサス州知事のグレッグ・アボット氏は、テキサス州がリチウムを外国に依存せず、自立していることの重要性を強調しました。テスラは、既存のサプライヤーからリチウムを購入し続けつつ、自社でも精製することで、供給源を多様化し、安全性と安定性を高めていきます。

環境に配慮したリチウム精製技術

テスラは、リチウムの精製プロセスにおいて、硫酸などの強力な化学物質に依存する従来の方法をやめ、環境に優しい材料を使用することを約束しています。新しい精製技術では、危険性の低い試薬を使用し、再利用可能な副産物を作ることで、よりクリーンで安全なオペレーションを実現します。マスク氏は、精製所の近くに住んでいても悪影響はない、と断言しましたが一部の環境保護団体はこれに懸念を表明しているのも事実です。

テスラがリチウム生産の先頭に立つことは、同社の自立を強化するだけでなく、よりグリーンで持続可能なアプローチでリチウム精製業界を変革し、最終的にリチウム生産のボトルネックを解消し、EV生産拡大に道を開くことにつながると考えられます。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。

テスラ関連の最新記事を毎日AM7:00にアップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。

 グーグルニュースでフォローする

※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。

タイトルとURLをコピーしました