米国運輸省交通安全局(NHTSA)は、テスラの自動運転オートパイロットがドライバーの意識に影響を与えたかどうか、またどのように影響したか、事故に至った経緯を知ることを目的としています。
オートモーティブ・ニュースの最新記事によりますと、米国運輸省交通安全局(NHTSA)は、テスラの運転支援技術「オートパイロット」に対する調査を拡大したとのことです。しかも、調査対象は、約83万台のテスラ車になりました。
2021年8月、米国運輸省交通安全局は、米国の海岸で発生した12件の衝突事故の報告により、テスラの高度運転支援システムに対する最初の調査を開始しました。この事故では17人が負傷し、悲しいことに、関連する死亡事故も1件発生しました。
調査開始以来、オートパイロットが関与した可能性のあるテスラの事故の報告件数は16件に上っています。オートモーティブ・ニュースによりますと、これらの事故は、運転支援システムが緊急車両の近くを走行し、緊急車両や他の近隣車両との衝突を回避できなかったことに関連しているとのことです。
NHTSAが最初の調査を開始したとき、テスラ車約76万5千台が対象でした。2014年から2021年までのモデルで、「S・3・X・Y」という現行の4モデルすべてが含まれていました。
NHTSAの欠陥調査室の新しい文書から得られた情報に基づき、安全規制当局は現在、関連する事故で起きた可能性があることをさらに調査するため、エンジニアリング分析を開始しています。より具体的には、NHTSAは、オートパイロットがドライバーの意識と事故につながる事象に影響を与えたかどうか、またどのように影響を与えたかを知ることを目的としています。
米国運輸省交通安全局は、エンジニアリング分析の目的を次のように記しています。
「既存の衝突分析を拡張し、追加のデータセットを評価し、車両評価を行い、オートパイロットおよび関連するテスラシステムが、ドライバーの監督の有効性を損なうことによって、人的要因または行動安全リスクをどの程度悪化させるかを探る。」
これまでに判明した内容によりますと、米国運輸省交通安全局は、テスラの前方衝突警告システムは、ほとんどの事故の前に作動していたとしています。また、約半数の事故において自動緊急ブレーキが作動していたことも共有しています。しかし、米国運輸省交通安全局は、「平均して」テスラのオートパイロット機能は、「最初の衝突の1秒未満前に」解除されていたとも付け加えています。
米国運輸省交通安全局の今回の調査結果は、オートパイロットまたは完全自動運転機能(FSD:Full Self-Driving)が有効であったと思われる100件以上のテスラの衝突事故を徹底的に調査した結果によるものです。また、12社の自動車メーカーから提供された、さまざまな運転支援システムに関する情報も調査しています。
安全規制当局は、現在、人間の監視や対話なしに自動運転する機能を備えた自動車は市場に存在しないと消費者に警告しています。また、こうした機能は自動車をより安全にすることができるが、自動車メーカーが指定する責任ある方法でドライバーが使用する場合に限られると付け加えています。
米国運輸省交通安全局は、テスラ社の車両および関連技術に欠陥があると判断した場合、リコールを発令する予定です。
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