イタリアでテスラが絶好調、一方で3月のプラグイン市場全体は振るわず

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CREDIT: JOE TEGTMEYER/TWITTER
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テスラモデルYは、2022年3月におけるイタリアの電気自動車販売台数ランキングでこれまでで最高の結果を収め、首位に立ちました。

多くの人が予想していたことですが、ついに実現しました。欧州のほとんどの自動車市場がプラグイン自動車の販売台数で新記録を樹立し、毎月成長を続ける中、イタリアはこれまでになく成績が低迷してしまいました。欧州第4位の市場であるイタリアは、2022年3月に長年にわたり成長を続けてきたBEVの販売台数が初めて、しかも大幅に減少したのです。

この統計は、自動車業界にとって大失敗であることを示すものであり、弁解の余地はないといえます。市場の低迷が続く中、3月の自動車登録台数は12万1,000台強と、12ヶ月前の17万1,000台強から約30%も減少し、イタリアの自動車産業にとってまさに破滅的な状況となりました。

パワートレイン別のシェアはガソリンが27.3%、ディーゼルが21.1%(それぞれ前年同期31%、24.5%)で、前年同月比で4割近くも減少しています。プラグレスハイブリッドは32.5%と前年の27%から上昇し、最も人気のあるパワートレインであることが確認されましたが、絶対台数は前年比15%近く減少しました。

完全電気自動車BEVは、4,511台の登録でシェア3.7%と惨憺たる結果となりました。これは、BEV市場が活況を呈した前年の7,375台から38.8%減という驚異的な減少の結果ですが、それでも驚くには当たりません。2月に続き、自動車産業への新たな金融刺激策をめぐる政府の思惑が交錯する中、潜在顧客が新たなインセンティブを待ち続け、販売にブレーキがかかっているからです。この傾向は、現在最終段階に入っている新制度が政令で確定され、実際の日程が決まるまで続くと思われます。

プラグインハイブリッドはBEVよりも好調で、昨年7月以来の好成績となる6,083台、シェア5%(それ自体は前年比改善)となり、2021年3月の7,748台から「わずか」21.5%減少という結果でした。PHEVが堅調に推移したことで、プラグイン全体の販売台数は好調を維持し、プラグインの合計シェアは8.7%と、2022年に入ってから最高となりましたが、前年同期比ではやや減少しています。

今後、PHEVのトレンドは続くのか?新しいインセンティブ制度(様々なパワートレインへの支援)により、PHEVの市場浸透力はさらに強化されることになるのでしょう。既存自動車メーカーが購入予定の顧客層にこのソリューションを押し付けるため、イタリアでは近い将来、純粋な電気自動車よりもPHEVが好まれるようになると予想できます。

このようなイタリア自動車市場の不安定さは、単純な販売台数の減少に加えて、より広範で質的な影響を今後与えるに違いありません。

一方で、BEVの月次トップ10チャートでは明確な勝者がいることが示されています。

テスラモデルYは、678台の登録台数という輝かしい成績でトップに立ちましたが、これは同モデルにとってこれまでで最高の成績というだけでなく、補助金がないこの不況期における強さを示しています。

このアメリカの高級クロスオーバーSUVは、516台で2位のダチアスプリングや、495台で3位となったたフィアット500eなど、はるかに安い競合車を打ち負かしたのです。64,000ユーロ(付加価値税込み)からスタートするこのクルマは、2位のクルマの2倍から3倍の価格であり、かなり強力なメッセージとなります。補助金がないことで、安価なクルマへのプレッシャーが増しているのは明らかなのです。かつては旧インセンティブ制度(BEVであれば固定額、廃車の場合は6000ユーロか1万ユーロ)のもと、より大きな割引の恩恵を受けていたのですから。

テスラ・モデル3が378台で4位となり、多くの安価な車を押えて勝っていることは驚くにあたらないでしょう。この人気セダンは、欧米の他の地域と同様、より大きな兄弟車であるモデルYとの内部競合に苦しんだだけと考えられます。

価格は最高値を更新し続け(モデル3ロングレンジは1年前に54,000ユーロで販売され、本稿執筆時点では62,000ユーロまで上昇)、モデルYの価格に非常に近づいているため、テスラのコンパクトセダンは、旧価格と大幅な補助金があれば3~4倍の結果が得られたはずなのに、それ以下の成績に終わりました(2021年3月に1364件の登録があった)。それでもモデル3の登録台数は、314台で5位に後退したスマート・フォーツー、ミニ・クーパーSE(155台)、プジョーe-208(141台)、ルノーゾーイ(111台)といったAセグメントおよびBセグメントの車を食い止めるには十分なものとなりました。

テスラがミニに囲まれたこの月、ヒュンダイ・コナEVの9位とVW ID.3の10位は、代替となる大型で高価なモデルの唯一の存在感を示しています。数年前、テスラブランドの急成長を止める「テスラキラー」の到来と言われたのとは大違いで、2年前に私が主張したように、高級車テスラの到来は驚異的なものです。

BEVに補助金が出ない厳しい自動車市場では、今後2つのことが起こると思われます。まずテスラが脚光を浴び、競争は激化します。ただ、今度の新しいインセンティブ制度は、既存自動車メーカーに有利なように、部分的に状況を逆転させるかもしれません。果たして、これで市場に活気が戻り、バランスが取れるようになるのかは疑問ですが。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・抜粋・編集して作成しています。

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