テスラ、2021年第4四半期決算:決算概要と注目すべき事項のまとめ

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テスラ(TSLA)は、米国時間26日の市場終了後、2021年第4四半期の決算及び2021年通期の決算を発表しました。

この記事では、26日の決算発表、株主向けレターの概要、そしてカンファレンスコールの概要となります。決算資料の詳報については以下のリンクを参照ください。

テスラ 2021年第4四半期業績予想

今期のテスラ社のウォール街のコンセンサスは、売上高171億1200万ドル(約1兆9710億円)、1株当たり利益2.30ドルでした。

これは、前四半期比と前年同期比の両方の値に対して、大幅な期待値の上昇を意味します。主に、テスラがこの第四半期に30万台以上の記録的な納車を確認したことが要因です。

テスラ 2021年第4四半期決算

このたびテスラは、新規株主向けレターと決算発表会にて通期決算を掲載し、売上、利益ともにウォール街のコンセンサスを上回ったことを確認しました。

売上高は177億ドル約2兆390億円)、1株当たり利益は2.54ドル(Non-GAAP)でした。

GAAPとは?
英文「Generally Accepted Accounting Principles」の略。「一般に公正妥当と認められた会計原則」のことで、米国会計基準はUS-GAAPと呼ばれており、多くの米国企業はGAAPとNon-GAAPの2種類の指標で利益を発表する。Non-GAAPは、GAAPから一時的な損益を除いた調整後の金額を指す。

テスラは、将来の生産に向けた多額の投資にもかかわらず、この四半期中に20億ドル約2300億円)以上の利益を生み出し、2021年累計では合計55億ドル約6300億円)以上の利益を計上しました。

ベルリン、テキサスの2つの新工場の建設やその他の資本支出に65億ドルを費やした上で、2021年には55億ドルのGAAPベースの純利益と50億ドルのフリーキャッシュフローを生み出しました。

同社はまた、第4四半期に30.6%という素晴らしい売上総利益率を達成しましたが、CO2排出規制クレジット分を除くと29.2%に低下し、それでも他の自動車メーカーよりはるかに良い粗利率となります。

この結果、テスラのキャッシュは、今期も大幅に増加しました。

第4四半期の現金および現金同等物は、主に28億ドルのフリーキャッシュフローに牽引され、15億ドルの純負債およびファイナンスリース返済により一部相殺され、前四半期比15億ドル増の176億ドルとなりました。車両とエネルギー製品のファイナンスを除いた当社の負債総額は、2021年末にはわずか14億ドル(約1610億円)に減少しています。

非常に興味深いのは、テスラが第4四半期にイーロン・マスクCEOの報酬プランを巡って3億4千万ドルの巨額の給与税費用を計上したことです。これは収益性に大きな打撃を与えました。

決算以外に得られた重要情報

今回の決算発表やその質疑において得られた情報の概要は以下のとおりです。

イーロン・マスクCEOの注目すべき発言

  • 2022年には年率50%以上の成長を見込む
  • テスラは、FSDがテスラから提供されるものの中で最も収益性の高いものになると考えている
  • イーロンは、2022年末までに人間より安全なレベルのFSDを達成すると信じている
  • FSDにより、自動車の価値が史上最も飛躍的に向上する見込み
  • 今後の会見でさらに多くの製品を発表予定
  • 2022年、テスラが注力するのは「スケーリング」と「アウトプット」(拡大と生産量)
  • 2022年に新車を導入した場合、全体の生産量が減少すると判断し、2022年はサプライチェーンの最適化と生産に焦点を当て、部品の制約が続くため、2022年に新車は導入されないだろう
  • 「Optimus」(テスラボット)は新しいロボット製品であり、2023年に新しい車と共にこの製品を市場に投入できることを望んでいる
    • 自動車をより多く生産するか、より少なく生産するかによる
    • ロボットは、時間の経過とともに自動車事業よりも大きな存在になる可能性がある

その他のトピック

  • 新型電動トラック「テスラ・セミ」一式を公開
  • ギガファクトリー・テキサスでモデルYの生産開始を確認、現在は最終認証に向けた作業中
  • ギガファクトリー・テキサス製のモデルYは4680型セルを使ったストラクチャラルバッテリーパック搭載で1Q末までに納車開始
  • サプライチェーンの制約でサイバートラックの生産を来年以降に延期、新たなスケジュールは曖昧に
  • 開発中の最重要製品は人型ロボット「テスラボット」
  • 2022年は既存車両の「スケール」(生産量拡大)の年(新モデル投入なし)
  • 完全自動運転(FSD)は2022年末には人間を追い越す性能を実現
  • 最廉価版テスラ(いわゆる「モデル2」)は2022年には出ない、というか現在はこの「2万5千ドルテスラ」には取り組んでいない。
  • テスラのチームはHVAC(Heating and Air Conditioning:給湯とエアコン)に真剣に取り組んでいる
  • スーパーコンピューターDojoはまだグラフィックカードを使ってニューラルネットを学習させるよりもコスト高
  • テスラは将来の工場のための新しい場所を調査し、2022年の年末までに次の場所を発表したい
  • 自動車販売粗利拡大のための4つの戦略
    • モデル3よりも粗利の大きいモデルYの生産拡大
    • 中国におけるサプライチェーンの一層の現地化
    • モデルSとモデルXの生産拡大
    • エンドユーザーにより近い新工場(ベルリン)で、輸送費や関税を削減
  • すべての定置型大型蓄電池がニッケルではなく鉄ベース(LFP型)バッテリーに移行する
  • マイクロチップ不足が解消されれば、2022年にはエネルギーストレージ製品の成長が加速
  • 4680型の電池セルは、LFPには適していないのでニッケル系電池に使われている
  • ボトルネックになっていたマイクロチップの種類は、シンプルな制御チップ
  • 今後は製品の簡素化に注力し、コストダウンと固有部品点数の削減を図ることで不足を解消していく

また、改めて決算詳報はアップさせていただきます。決算発表会の様子(WEBキャストによる音声のみ)は以下をご確認ください。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集・追加・改変して作成しています。

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