イーロン・マスクCEOは約束を守り、テスラの従業員に、この第四半期末についてはできるだけ多くの車を納車することよりも、代わりにコストに集中するよう指示しました。
これは、これまでのテスラの戦略を大きく変えるものです。
テスラは、サードパーティのディーラーを利用している他の自動車メーカーとは大きく異なる販売システムを採用しているため特に四半期末、そして今回の年末の納車ラッシュが非常に激しいことで知られています。
テスラは顧客に直接販売している関係で、購入者に完全に引き渡されて代金が支払われるまで、テスラが車両を所有しています。
そのため、テスラにとって輸送にかかる時間は財務的に非常に重要な意味を持ちます。というのも、テスラは車の製造コストを負担しており、購入者が実際に車を受け取るまでお金を受け取ること、売上を計上することができないからです。
そのため、テスラは四半期末に輸送中の車両が多いと、その四半期は財務的に不利に働いてしまいます。
テスラは、四半期末までの輸送時間を確保するために、フリーモント工場やギガファクトリー上海で輸出用の車両を四半期の早い段階で製造し、国内納車用の車両を四半期の後半に製造するようにしているのはそのためです。
しかし、この戦略の結果、テスラの販売・配送チームは、各四半期末に向けて大量の納車を処理しなければならず、これを「デリバリー・ウェーブ」または「デリバリー・プッシュ」と呼んでいます。
これは、テスラが顧客に車を届けるためにあらゆることを行い、その結果としてコストが増加すると同時に、納車を急がされることが多い顧客の納車体験にも悪影響を及ぼします。
前四半期には、マスクCEOがテスラの従業員に「今月はテスラがこれまでに経験したことのないようなクレイジーな納車月だ」と語ったことをお伝えしました。
イーロン・マスクCEOは、テスラが今後の四半期でこうした「デリバリー・ウェーブ」を減らすことを目指すことを示し、さらにはテスラが来年に向けてより多くの納車を延期する可能性があることを述べました。
私たちは、数年前にマスクCEOが従業員に同じようなことを言っていたにも関わらず、四半期ベースで良い印象を与えなければならないという市場からのプレッシャーにより、まったく以前と変わらない状況を見てきました。
そのマスクCEOが、先週金曜日にテスラの従業員向けに新たな電子メールを送り、四半期末にできるだけ多くの納車を詰め込むのではなく、納車の費用対効果を優先するように指示したことで、彼の言葉は真実となりました。
「ヨーロッパでもテキサス州でもまだ大量生産をしていないため、12月の最後の数週間はまだかなり大きな「デリバリー・ウェーブ」があります。 つまり、中国からヨーロッパへの船や、カリフォルニアから東海岸へのトラック(および/または)鉄道で運ばれた多くの車が、四半期の後半に到着することになります。 そうした状況ですが、今後はより安定した効率的な納車のペースを優先し、この「デリバリー・ウェーブ」の規模を縮小し始めるには適切な時期だと考えています」
今回イーロン・マスクCEOは従業員に対し「テスラが株式公開されておらず、「四半期末」という概念が存在しないかのように」行動するよう指示しました。
実際には異なるかもしれませんが、これはCEOからテスラの従業員への明確なメッセージであり、デリバリー・ウェーブはかつてほど重要ではないということを伝えています。
以下はCNBCによるメールの全文です。
From::イーロン・マスク To:従業員の皆さん 件名:Q4の納期とコスト効率の比較 日付 2021年11月26日 数週間前に私が送ったメールの通り、今期は、第4四半期に車を納車するために、急送料や残業、臨時の契約社員に多額の費用をかけるのではなく、配送のコストを最小限に抑えることに焦点を当てるべきです。 これまでは、四半期末に納車数を最大化するために猛烈な勢いで走り回っていましたが、次の四半期の最初の数週間で納車数が大幅に減少する結果を招きました。実際に、6ヵ月間で見ると、追加の車は納車されていませんが、各四半期の最後の2週間に納車を加速させるために多くの費用を費やし、私達自信を消耗してしまっています。 ヨーロッパでもテキサス州でもまだ大量生産を行っていないため、12月の最後の数週間にはまだかなり大きな「デリバリー・ウェーブ」があります。つまり、中国からヨーロッパへは船で、カリフォルニアから東海岸へはトラック(および/または)鉄道で、それぞれ多くの車両が四半期の後半に到着することになります。 原則は、最も効率的な行動をとることです。まるで当社が株式公開されておらず、「四半期末」という概念が存在しないかのように。 よろしくお願いいたします。 イーロン
この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。
多分ギガ上海工場の生産が非常に順調なので、年間を通した納車台数の増減を平準化したいのかと思います。
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