電気自動車の販売がコロナ禍を超えて再び盛り上がってきました。
2021年上半期に新たに納車となったEVは世界合計265万台で、2020年と比較して168%増加しています。最近の増加は「ハイパーグロース」の状況となっていますが、2020年上半期の低いベースとの比較で見る必要があります。
プラグイン車は欧州がリード
パンデミックの第1波により、ガソリン車を含む自動車市場が2020年上半期に28%も減少したため、EVの世界販売台数は2019年上半期の台数よりも14%減少しました。2020年下半期には、魅力的な商品、大規模なグリーン施策と補助金、CO2排出削減規制などにより、欧州を中心にEVの販売台数とシェアが急速に増加し、市場の回復が進みました。
2021年には、すべての地域とほとんどの国でEVの販売台数が大幅に増加し、その成長率は乗用車市場全体の3倍と比較してEV販売は8倍に達しました。
世界の乗用車販売に占めるBEV+PHEVの割合は、2020年上半期の3%から今年は6.3%に増加しました。
欧州では、1~6月の合計でEVシェアが14%となり、前年同期の7%から上昇して世界のEV販売をリードしています。ただし、欧州のEV販売台数の半分はPHEVであり、欧州以外の地域ではBEV(バッテリー型電気自動車)が80%を占めています。PHEVのCO2排出量は、カタログ値がどうであれ、ユーザーの充電や運転の習慣に完全に依存しています。PHEVのシェアが高いからといって、環境性が担保されるわけではありません。
メーカー別ではテスラ
上半期のEV販売台数は、テスラが386,000台(すべてBEV)でトップ、フォルクスワーゲングループが332,000台で、内訳はBEVが172,700台、PHEVが159,400台となっています。GMは、中国の合弁会社SGMWのミニEV18万台以上を含む22.7万台(BEVが22.1万台)で3位となりました。
プラグイン車はスポーツカーを除くすべての製品セグメントで堅調な伸びを示しました。
製品セグメント別では、セダンやコンパクトカーからSUVへの移行が進んでいます。
しかし、最も目を引くのは、中国で「ミニEV」が再び登場し、3〜6万人民元という超低価格で販売されていることです。「五菱・宏光ミニEV」、「長城 Ora R1」、「チェリー eQ」、「SAIC ロエベ・クレバー」、「宝駿」などです。
「ミニEV」の上半期の販売台数は約30万台で、中国のNEV販売台数の4分の1を占めています。現在は規制当局によって禁止されている、以前の数え切れないほどの怪しげな低速車に比べれば、長い間に非常に改善されてきています。この「ミニEV」は、多くの場合補助金は受けられませんが、中国のNEVの集計には含まれています。
これらを含めると、世界の2021年におけるEV販売台数はの予想は640万台となり、2020年比で98%の成長を見込んでいます。そのうち、BEVは400万台、PHEVは240万台を見込んでいますが、2020年の下半期に回復した台数と比較すると、成長率は上半期の168%から低下する見込みです。この結果、2021年末には、累計で1,600万台以上のEVが納車されていると予想しています。
日本を除く全地域でEV急成長
世界の乗用車市場は、2020年上半期の▲28%の低迷から一部回復し、合計で28%の増加となりましたこれは、2019年上半期と比較するとまだ8%低い数字です。
しかし、この回復にはムラがあります。パンデミック時に最も大きな打撃を受けた西欧の自動車販売(2020年上半期に前年比▲40 %)は、今年に入って29 %回復しましたが、2015年から2019年の平均をまだ20 %も下回っている状況です。
EVの販売台数は、危機の中でも持ちこたえ、2020年上半期の減少率はわずか▲14%で、今年の成長率は、自動車市場全体の3~8倍に達しています。
基準となる昨年の低迷がひどいため、2021年の上半期の成長率は驚異的で、欧州で157%、中国で197%、米国で166%、その他の市場では95%に達しました。
最近のEVの成長は非常に印象的で、その状況は広範囲にわたっています。
日本を除くすべての主要市場で、上半期のEV販売台数とシェアが過去最高を記録しました。
下半期も過去最高の記録を更新することが予想されますが、昨年も急成長したため、成長率は大幅に低下すると考えられます。
2021年のEV販売台数は640万台を目指す
2019年および2020年の世界のEV販売台数は、それまでのトレンドを下回る結果となりました。
2019年は、欧州と中国における「規制の嵐」により、需要と供給が減少しました。欧州では、WLTPの導入により、多くの売れ筋のPHEVモデルがアップグレードが必要でした。中国では、規制当局が安全性や航続距離が標準以下の製品を取り締まりだしました。何十ものモデルが販売を停止され、いくつかのメーカーが廃業しました。 2020年には、コロナの第一波により、自動車販売がかつてないほど低迷した一方で、EV支援の施策も拡大されました。いずれの年も、通常通りの状況であれば、EVの販売台数はもっと増えていたはずです。
2021年は例年通りとは程遠い状況ですが、EVの販売台数はそれまでのトレンドの元通りになっています。1月から6月までの販売台数は2020年に比べて166万台増加しており、世界の乗用車市場では917万台の増加となっています。下半期のEVも同様の台数増を見込んでいます。
2021年の販売台数は640万台、前年比98%の成長となると予想されています。
過去12ヶ月間の販売台数/シェアの推移、より良い手頃な価格の製品の選択肢の増加、確固たる推進政策によるサポート、一般の人々の意識の向上などが、この予測を支えています。前年同期比では、さらに高い数値が予想されます。現時点で考えられるマイナス要因としては、マイクロチップなど部品の不足や、中国における規制やビジネス環境の急激な変化に関する事象が挙げられます。
この記事はこのサイトの一部を引用・翻訳・編集し、一部追加して作成しています。
よく日本市場は「プラグイン」メインと言われますが、この数字にはプラグイン車も含まれているので、本当にガラパゴス化しつつあります。
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